EPIC・ソニー黄金時代を築き上げた【小坂洋二】がプロデュースしたアーティスト達

EPIC・ソニー黄金時代を築き上げた【小坂洋二】がプロデュースしたアーティスト達

80年代にEPIC・ソニーの黄金時代を築き上げた名プロデューサー小坂洋二さんが手がけたアーティスト達。その数々の有名なアーティスト達を代表曲と共に振り返りたいと思います。


小坂洋二とは

小坂洋二さんとは、兵庫県神戸市出身の音楽プロデューサーです。
渡辺プロダクション時代には、布施明さんや大塚博堂さんのマネジャーを務め、大塚博堂さんの「めぐり逢い紡いで」など、多くの作品にて「るい」の名義で作詞を手がけました。

その後、1978年にEPIC・ソニーが設立した時にレーベルプロデューサーとしてスカウトされ移籍します。
翌年の春には、当時別の仕事をしていた佐野元春さんの才能をいち早く見抜き、翌々年である1980年にデビューさせることに成功します。それからも快進撃は続き、TM NETWORK、渡辺美里さんなど、時代を先駆けたアーティスト達のプロデュースを手掛け、EPIC・ソニーの黄金期を築き上げました。

2000年に長年席を置いていたEPIC・ソニーを退社しています。
現在は株式会社Palm Beach代表取締役社長となり、現在の音楽シーンで活躍するアーティストのプロデュースをしているとのこと。

EPIC・ソニーとは

1968年に設立されたCBS・ソニーで、71年にレーベルとして誕生します。
その後、ロック・ポップスで独自の道を探るべくして株式会社としてのEPIC・ソニーが誕生しました。

「テレビはないものと思え」を合言葉に、マイケル・ジャクソンのスリラーのMVからインスピレーションを受け、自身が抱えるアーティスト達のMVを製作。この試みは日本では先駆けであり、テレビをつけなければ音楽が聴けないという当たり前の環境に、真っ向からアンチテーゼをした現在の音楽業界における雄でもあります。

EPIC・ソニーによるエレクトロ・ポップサウンドは、まさに時代の先駆けであり、更にはロックやポップに至るまで、幅広いジャンルを手掛けた上で融合させたサウンドは、現在の音楽シーンに至っても、その影響力は計り知れないものだと思います。

尚、EPIC・ソニーは現在EPIC・レコード・ジャパンとなり、【いきものがかり】や【宇多田ヒカル】【鈴木雅之】など、最先端のサウンドを繰り広げる多くのアーティストを抱えています。

【小坂洋二】がプロデュースしたアーティスト達

小坂洋二さんがプロデュースを手掛けたそうそうたるアーティスト達。
そのアーティスト達をデビューの時系列で見ていきたいと思います。

1980年デビュー 佐野元春

佐野元春さんは、デビュー前はエフエム東京でフリーのプロデューサーをやっていました。その時に小坂洋二さんがデモテープを聴き、その詞と曲、そして声が好みだったので、デモを聴いたその日の内に佐野元春さんに電話したそうです。
小坂洋二さん曰く、佐野元春さんはとにかくセルフプロデュースの能力に長けていたそうです。

代表曲 「SOME DAY」

作詞・作曲・編曲:佐野元春
Strings編曲:大村雅朗

1981年の発売当初はヒットしなかったものの、翌年に発売した同名のアルバムが大ヒットとなり、この曲も広く知れ渡る様になりました。

一時期ライブでは封印されていた時期があったのですが、現在は歌われる様になっています。

1990年代には『CREA』誌の音楽特集で歴代2位にランクされました。

現在でも根強い人気を誇る佐野元春さんの代表曲です。

1984年デビュー TM NETWORK

TM NETWORKとして売れる前に、小室哲也さんが渡辺美里さんの楽曲「My Revolution」を作曲したことで脚光を浴びることになります。
デビューして3年間は売れなかったTM NETWORKですが、EPIC・ソニーにデモテープを持ち込んだ当初から、小室哲也さんはグラミー賞を狙っていると言っていたそうです。

その後、TM NETWORKのテクノロジーを駆使したエレクトロポップサウンドは80年代の音楽シーンを牽引し、小室哲哉さんのその勢いは90年代の音楽シーンを作り上げることになります。

代表曲「Get Wild」

作詞:小室みつ子
作曲・編曲:小室哲哉

テレビアニメ『シティーハンター』のエンディングテーマになったことから、爆発的なヒットとなり、TM NETWORKの代表曲となりました。

皮肉にもテレビからの脱却を図ったEPIC・ソニーでしたが、この曲はテレビのおかげで売れることになりました。
しかし、テレビの魔力は歌番組からタイアップへの移り変わっており、この頃から権利の時代へと移り変わっていくのでした。

1985年デビュー 渡辺美里

渡辺美里さんはもともとミスセブンティーンコンテストの出身者で、その時に最優秀歌唱賞を受賞しました。この受賞がきっかけでEPIC・ソニーへと話が行き、小坂洋二さんがプロデュースすることになります。

ちなみに、渡辺美里さんの歌詞には、小坂洋二さんの人生観や青春観も詰まっているようです。

代表曲「My Revolution」

作詞:川村真澄
作曲:小室哲哉
編曲:大村雅朗

この曲のスマッシュヒットは、勿論渡辺美里さんの歌唱力が大きいのですが、作曲した小室哲哉さんの功績はかなりのものだったと思います。
この当時はまだ無名に近かった小室哲哉さんが、この曲にどれだけかけていたのか、その情熱の熱量が伝わってくる曲でした。

今でもイントロを聴くと目頭が熱くなります。そんな名曲だと思います。

1986年デビュー 岡村靖幸

岡村靖幸さんは10代の頃から渡辺美里さんのレコーディング現場に来ており、大型のラジカセを鳴らしながら、いつでもどこでも踊っていたそうです。
一見不良の様な感じに見受けられるところがあったそうですが、話してみると文学的で面白かったと小坂洋二さんが語っています。

代表曲「だいすき」

作詞・作曲・編曲:岡村靖幸

この曲はホンダの『NEW today』CF曲に起用されたのですが、CMで使用されたものとはアレンジが異なりました。
他にも多くの楽曲をお持ちの岡村靖幸さんですが、やっぱり「だいすき」が代表曲かなぁと思いました。

岡村靖幸さんは小坂洋二さんに最も可愛がられた方なのかもしれません。
小坂洋二さんが岡村靖幸さんをニューヨークに連れて行ったら、黒人の方と一緒に踊り始めたというエピソードもあるそうです。岡村靖幸さんはその黒人の方よりダンスが上手かったそうですよ!

小坂洋二さんがプロデュースしたアーティストをまとめてみて

まさにそうそうたる顔ぶれだったと思います。
特に80年代を牽引した実力派アーティストばかりでしたね!
また、90年代の小室哲哉さんの活躍の元となったのは、小坂洋二さんがプロデュースした時代があったからということが判りました。

小坂洋二さんが音楽シーンに与えてきた影響というものは、計り知れないものだったのだと思います。

小室哲哉さんの引退で一つの時代に終わりを告げ、次世代のアーティスト達が新たなサウンドをひっさげ台頭している現在の音楽シーンですが、たまには80年代、90年代が全盛期だった音楽を聴き直してみるのも良いかもしれませんね!

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