2000年に公開された『17歳のカルテ』――思春期に精神科病棟で過ごす彼女たちのヒューマンドラマでした

2000年に公開された『17歳のカルテ』――思春期に精神科病棟で過ごす彼女たちのヒューマンドラマでした

2000年に公開されたアメリカ映画。「カミソリは痛い、水は冷たい、薬は苦い、銃は違法、縄は切れる、ガスは臭い。生きてるほうがマシ」心が不安定な女の子たちの物語を、よどんだセピア色に展開されるものの、小さな力強い希望を貰えるそんな映画でした。


抑うつ的で、精神が不安定な状態が毎日続く少女・スザンナが、アスピリン1瓶とウオッカ1本を飲みほし、病院に担ぎ込まれるところから始まります。
両親の了承のもとに、精神病棟に強制入院され、そこの心に闇を抱えながらも、個性豊かすぎな患者たちと交流したり問題起こしたりし、その中で、自分の内面と(第三者の世界との折り合いを見つけつつ)見つめていく……。

ファンの感想

私も10代に見てたら、たぶんただただ衝撃を受けて絶句していたでしょう。あの圧巻の演技。
守ってあげたくなるような少女でいて、実は負けん気の強い少女、でもか弱い“不器用”が似合う少女。なんと形容したらいいのかわかりませんが、ただそこにいる圧倒的存在が凄かったですね…!

1960年代という背景

この映画は「60年代後半」の反社会性が時代背景にあります。
60年代後半と言えば、伝統や制度に縛られた社会生活を否定する事を信条とした、ヒッピー(伝統・制度などの既成の価値観に縛られた人間生活を否定することを信条とした考え方)や反戦思想の時代でした。つまりその時代背景を「精神病」と言う形で描写しているのです。ラストのシーンで、「70年代には入院患者の殆どが社会に戻った」と言う独白から、彼女達の大半は「精神病」ではなかったかもしれないと推測します。異常ではなく「異常なフリ」をしている様に見えるのです。少しでも異常な行動や言動を取ると異常者に仕立てられる。それが世の中に対する不信や逃避を生み、彼女達の精神を追い込んだのかもしれませんね。

ちなみにスザンナやウィノナが罹った境界性人格障害(ボーダーライン・ディスオーダー)はチャールズ皇太子の王妃だったダイアナも罹っていました。

境界性人格障害や拒食症、アルコール依存症、虚言症といったさまざまな患者の女性が登場し、とても複雑なテーマを題材にした作品だが、監督は作品のコンセプトを「オズの魔法使い」と結びつけたのこと。「オズの魔法使い」は、12歳頃の子供向け文学作品で、空前の人気作品になり、映画化され、TVドラマ化され、ミュージカルにもなりました。ストーリーは、米国カンザス州に暮らす少女ドロシーは、家ごと竜巻で、不思議な世界「オズの国」へと飛ばされ、いろいろな不思議な人と出会い、それそれの願いをかなえてもらうために「エメラルド」を目指すという話です。
つまり、スザンナは世の中の仕組みと自分の中の内面との間に“帰る道を探そうとしている女の子”。何が彼女たちを不安に陥れたのかという安易な謎解きにたよることなく、不安の本質を真摯に見つめている。この映画を見れば、人は誰だってどこか不完全なんだと気付くのではないでしょうか。

恋のダウンタウン

「恋のダウンタウン」は、ペトゥラ・クラークが1965年に発売し、世界的にヒットした歌でした。

こちらの歌、劇中でもたびたび流れています。
元々はスザンナがタクシーで病院に向かっていく時に流れていたのをひょんなことから夜中、心が沈んでしまった入院仲間にこの歌をギターで弾きながら歌います。(※もちろんルール違反でした)
そしてラストにでも流れる「恋のダウンタウン」はスザンナにとって思い入れ深い曲となったのでした。

17歳のカルテのタイトル由来

日本語題には「17歳」という言葉が使用されていますが、これは2000年に17歳による少年犯罪が連続して発生し、マスコミが「キレる17歳」という言葉を流行させた影響であるため。原題にも物語にも17歳という言及はないが、原作者のスザンナ・ケイセンは17歳の時にアスピリンを大量に飲んで自殺を図り、精神科に入院していることで関連付けられたと予想します。

原作

1994年にスザンナ・ケイセンによる自伝を日本語翻訳した書籍がこちら。

2012/12/1発売

思春期病棟の少女たち

作者のスザンナ・ケイセン自身、精神病院で2年間を過ごし、それまで人に明かしたことのなかった人生の一時期の光景をスケッチ風に綴り、退院から25年後に出版しました。この鮮烈な真実の物語は即座にベストセラーになり、ニューヨーク・タイムズで11週間もランクインしました。
映画と原作にはそれぞれ異なった魅力もあるのでこちらもおススメいたします。

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