モンスターの「配合」が止まらない!『テリーのワンダーランド』
『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』は1998年9月にエニックスから発売されたゲームボーイ用ソフトで、略称は『DQM』。ジャンルは育成RPGでした。
90年代当時、まるで雨後の筍のように次から次へと湧いて出た『ポケモン』の二番煎じ的なソフトたち。本作もその一つではありましたが、RPG製作の経験、 "作り" の丁寧さに定評のあるエニックス社のノウハウが至る所に生かされており、「ランダムダンジョン形成システム」やモンスターを生み出す「配合システム」、本篇ドラクエシリーズと同じ「パーティバトル方式」を採用しているために得られた高い戦略性など、ゲームとして決して二番煎じたりえないポイントを多く持っていたことから人気を博し、当時本当に多かった『ポケモン』のフォロワー的ソフトの中では最もヒットした作品でした。また本作は、『ドラクエシリーズ』初の携帯ゲーム機用ソフトでもあり、さらに、初のゲームボーイ・ゲームボーイカラー共通ソフトでもありました。
この記事ではそんな本作のゲーム内容の紹介、魅力的なポイント、作品の評価、同年に発売された他のゲームソフトなどに触れていきたいと思います。

『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』パッケージ
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スライムやドラゴンなど、お馴染みのモンスターたちがわちゃわちゃしております。
Amazonでは現在新品なら11,123円(※価格変動あり)、中古なら250円から(※価格変動あり)取引されています。これからこのゲームを遊びたい方は、続編とカップリング移植されたプレイステーション用ソフト『ドラゴンクエストモンスターズ1・2 星降りの勇者と牧場の仲間たち』がオススメです。

『ドラゴンクエストモンスターズ1・2 星降りの勇者と牧場の仲間たち』パッケージ
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『テリーのワンダーランド』のゲーム内容
ドラゴンクエストモンスターズとは (ドラゴンクエストモンスターズとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』パッケージ
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ゲームの流れ
連れ去られた姉を助けるため主人公のテリーは異世界「タイジュの国」で、魔物を育てて戦わせるモンスターマスターとなり、優勝者の願いを叶えてくれる「ほしふりの大会」で優勝するために戦うことになります。モンスターマスターのテリーは直接戦うことはなく、冒険の中で仲間にしたモンスターたちでパーティを組み、彼らに「さくせん」を出したり、アイテムを使って戦闘を有利に導きます。自動生成ダンジョンになっている「旅の扉」に潜って、モンスターと闘ったり仲間にしたり、「配合」して新しいモンスターを生み出したりしながら、大会の上位ランクを目指していきます。
実際のプレイ動画
本作の魅力的なポイント

ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド 公式ガイドブック〈上巻〉
ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド 公式ガイドブック〈上巻〉ほしふりの大会突破編 (エニックスミニ百科) | |本 | 通販 | Amazon
無限の可能性「配合システム」
本作の最大の魅力は「配合システム」です!(断言)
配合システムとは、オスとメスのモンスターを一匹ずつ選んで「配合」させることで、両親の特技や能力などを引き継いだ新しいモンスターが生まれるというものです。また、モンスターの種類や外見は両親の組み合わせによって変わり、配合を重ねるたびにステータスに「+値」が増えていってドンドン強くなります。
通信などを除くと、基本的にモンスター入手には野生のものに肉などを与えて仲間にする方法と、「配合」で生み出す方法があります。特定の種族を組み合わせた配合でしか入手できないモンスターなどもいるので、それを探していくだけでも奥が深く、強いモンスターやまだ見ぬレアモンスターを手に入れるには配合が欠かせません。
本篇旧作ファンへのファンサービスが熱い!
本作のモンスターたちは初代から発売当時の最新作まで、有名どころの「スライム」からなんとシリーズのラスボス「魔王」たちまで幅広く登場し、そのほぼすべてを仲間にすることができます。また、「旅の扉」の最深部は各シリーズの名場面を再現した場になっており、さらに、最深部一歩手前に来るとBGMが "その作品のフィールド曲" になるという粋な計らい。「ゲームボーイ音源で再編曲されたフィールド曲」が聴けるというのは胸が熱くなる演出でした。
こうした演出の数々から旧作ファンの大人のプレイヤーも多く、作品の人気は老若男女を問いませんでした。
どんなモンスターでも好きな子を最強にできる
本作とその続編、ゲームボーイで出たシリーズのみの特徴として、「好きなモンスターを全ステータス999まで育てることが出来る」というものがあります。途方もない配合の末にようやく辿り着く境地なのですが、これは後の作品では「モンスターの個性が無くなる」といった意見を受け修正されたポイントでもあります。
魔王級の魔法が連発できるスライムだろうが、HPのステータスが999のメタルスライムだろうが、回復補助系魔法特化型のりゅうおうだろうが、本当にどんなモンスターでも生み出すことができ、確かに賛否分かれる部分ではあるものの、個人的には大好きな育成システムでした。
『テリーのワンダーランド』の評価
Amazonより、個人的な評価・感想など 引用
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1998年に発売された他のゲームタイトル
・ドリームキャスト『ソニックアドベンチャー』(1998年12月、セガ)
・ニンテンドー64『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(1998年11月、任天堂)
・プレイステーション『バイオハザード2』(1998年1月、カプコン)

『ソニックアドベンチャー』
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『ゼルダの伝説 時のオカリナ』
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『バイオハザード2』
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筆者の感想
今遊んでも楽しめるゲームボーイのRPGを紹介するなら、筆者は『魔界塔士Sa・Ga』か『ポケモン赤・緑』か、本作『テリーのワンダーランド』を推します。
綿密に練られた育成要素、配合システムや熱い通信対戦を、シリーズ最高峰のBGMが盛り上げてくれます。特に旧作ファンには感涙モノのイベントが目白押しですごく懐かしい気持ちにさせてくれました。
今から遊ぶ人も、なんならシリーズに初めて触れる人でさえも、絶対に買って後悔はしません。断言できます。きっと配合に夢中になって思いのほか長く遊んでしまったり、少年・少女時代のようにゲームというものにのめり込んでプレイできることでしょう。
ちなみに筆者はよくスライム系ばっかりのパーティで遊んでいて、最終的にスライム系モンスターのみで最上位クラスの大会を突破し、クリア後のダンジョンを踏破。友達の魔王系パーティを悉く蹂躙していました(笑)。
余談
本作はゲームボーイ・ゲームボーイカラー共通ソフト、つまりゲームボーイカラー用のゲームソフトとしては初の作品で、当時はまだゲームボーイカラー本体も発売されていませんでした。
マニアには有名な話ですが、こういった理由もあってかこのゲームには発売時期によってカートリッジの種類が3種類あります。一番よく見かけるものはカラー共通ソフト用の黒いカートリッジで、次によく見るのはゲームボーイカラー専用のクリアカラーのカートリッジ。そして一番レアなのが、初期ロット版の灰色のカートリッジです。これは一般的なゲームボーイ用のカートリッジと同じ色で、そこそこのプレミアものです。今このバージョンを持っている人は自慢できますよ!