今年ソロデビュー25周年を迎える宇徳敬子
「おどるポンポコリン」が大ヒットしたB.B.クィーンズではコーラスを担当。
Mi-Keのメインボーカルとして、数々の新人賞を獲得し第42・43回NHK紅白歌合戦にも出場。
そして、1993年にシングル「あなたの夢の中 そっと忍び込みたい」でソロデビュー。
翌年に発売した1stアルバム『砂時計』でオリコンチャート1位を獲得した宇徳敬子。
今年でソロデビュー25周年を迎える宇徳敬子が4/7(土)に渋谷マウントレーニアホールでバースデーライブを開催。
心温まるハートフルなライブの様子と、ライブ直後の貴重なインタビュー内容を合わせてご紹介。
宇徳敬子 Birthday Live 2018~気楽にいきましょう♪~ライブレポート
宇徳敬子の誕生日である4月7日、<宇徳敬子 Birthday Live 2018~気楽にいきましょう♪~>が開催された。
今年でソロデビュー25周年になる宇徳の誕生日を祝うべく大勢のファンが渋谷マウントレーニアホールに詰めかけた。
ファンもこの日のライブを楽しみにしており、チケットはSOLD OUT。
入場時には会場である6階の階段から1階まで行列ができ、この日を待ち望んでいたファンたちの熱気がビル全体を支配していた。

「涙の太陽(CRYING IN A STORM)」、「エメラルドの伝説」、「スワンの涙」とMi-Ke時代の懐かしい楽曲を連発。1周回って新鮮だったGSサウンドが今も心地よく響く。
続いて、アメリカの広大な景色を車で走っている際に浮かんだという、「Runner」と「Hideaway -逃亡者-」を歌唱。
「ネガティブなんだけど、プラスに変えていくために突き進む」と前向きな気持ちが込められた熱唱に引き寄せられる。

その余韻が残る中、この日のゲストである2人組の音楽ユニット『吉田山田(よしだやまだ)』の山田義孝が登場。
山田は、6年前ぐらいにNHKのラジオ番組で共演した際にトークをしている間、宇徳がニコニコしながらずっと自分の足を踏んでいて芸能界の厳しい洗礼かと思っていたら、気付かず踏まれていただけだったというエピソードを明かした。
宇徳は予想外の暴露に「ボディタッチだったのかな?」とおどけ、ほんわかとしたトークで会場を和ませた。
ともに天然キャラと言われる二人で披露したのは、1992年に宇徳が近藤房之助と発表した曲「Good-by morning」であった。
そして、まだレコーディングもしていないという出来立てほやほやの新曲「One More Chance」を初披露。
歌い終え、緊張から解き放たれた宇徳は「(歌い慣れていないから)間違えちゃうんじゃないかと思っていて、ワンモアチャンス~って考えていたけど、新曲だからみんな間違えても分からなかったかな(笑)。でも、間違わないで歌えて良かった。」とお茶目な冗談で観客を笑わせた。
「Revolution」でのタオル回しで会場を場内の熱気を再び高め、その勢いのまま「あなたは私のENERGY」、「恋はサディスティック」を立て続けに披露。
「あなたを探してる」では入倉リョウ(Dr)、土屋佳代(Key)、オバタコウジ(Gt)、伊藤千明(Ba)の気心知れたメンバー紹介をしつつ、包み込むような優しさを宿した歌声で「幸せの予感」を爽やかに歌い上げた。

本編の最後はアニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマとしても有名な「光と影のロマン」。
アンコールを受け、宇徳敬子はステージに再登場。
「UK!UK!」と熱い叫びを壇上に投げ続けたファンを「声枯れてない?大丈夫?」と気遣いながら、Mi-Keメドレーを歌唱。
実は今回Mi-Keメドレーは見送るつもりだったけど…と言いながら、「ブルーライトヨコスカ」、「サーフィン・JAPAN」、「Please Please Me, LOVE」など9曲と大サービスした。

すべての演奏を終了したステージにゲストの山田義孝が再登場、バンドメンバーと共にバースデーケーキを宇徳にプレゼントした。
宇徳は「気楽にいきましょうと言いながら、結構飛ばしていきました。最高のバースデーライブでした。ありがとう!」と客席をじっくり眺めてから深くお辞儀をし、笑顔でイベントを締めくくった。
懐かしい曲から新しい曲まで、バラエティに富んだ緩急自在なセットリストだったが、終始一貫して漂っていたのは宇徳敬子の歌が持つ暖かみ。
艶のある伸びやかな歌声、じっくり聴かせる抜群の歌唱力、ちょっと意外なユーモラスでチャーミングな人柄で終始観客を魅了し続けた2時間半だった。
今年の夏に行われるという3公演が待ち遠しい。
仕事や育児に追われ忙しい毎日を過ごしているミドルエッジ世代の皆さんに、宇徳敬子による癒しと安らぎの時間を味わって頂きたい。
ライブ終了後の宇徳敬子さんに独占インタビュー

編集部
お誕生日おめでとうございます!
そして、お疲れ様でした。今日のライブを終えてみていかがでしたか?

今までバースデーライブと言いながら4月7日ピッタリではない日だったりしましたが、4月7日という自分が生まれた日にライブをできるなんて幸せです。
今日歌った「神様からのプレゼント」は自分をお祝いするんじゃなくて、両親への感謝を曲に出来ないかなと思い生まれました。
父が亡くなる前にちゃんと感謝の気持ちを伝えられていたかなって、曲を書いた時のシーンが走馬灯のように浮かびながら歌えました。
お誕生日ということもあり、より一層、いつものライブと違う感じで…。

編集部
今回のライブタイトルはなぜ「気楽にいきましょう♪」になったのでしょうか?

今日ライブで歌った「♡ハッピー愛ランド♡」の二番の歌詞にあって、ファンの方がこのフレーズが好きだと仰って下さっていたり、LINEスタンプにもしているんです。
人ってみんな頑張って生きているから、気楽にいこうよ!って言っても頑張っているぐらいだから、そういう気持ちをほぐして癒せればと思って♪
今日はいつものLIVEよりアップテンポの曲が多くて、大丈夫かなって心配していた自分自身もいたんですけど「気楽にいきましょう」というタイトルを付けた時点で、気張らずにいけばいいんだと自分に言い聞かせて気楽にいきました。
緊張感を越えて、楽しまなきゃって。
二階席も一階席の皆さんも声援を送って下さったので、お客さまの顔を見たりだとか、一体感を大事にしました。

編集部
宇徳さんが普段の生活の中で、気楽さを感じるのはどんなシーンですか?

私、だいたい気楽な人間なんです(笑)。
でも、いかに力入れて暮らしているかって自分ではわからないから、SPAへ行ったりとかリラクゼーションとか。
Mi-Keの活動が忙しくて、ソロになった時に時間ができて、できなかったことを色々やろうと思って、色んな健康法をほとんど試したというか…。
健康でいれば、何でも始められる、続けられる。
体が元気だったら心も元気になれるって、健康法をすごい追求して生きてきたんで、リラクゼーションすることと、汗を出す。デトックスとか。
こういう時間が凄い大事だなと感じます。

編集部
ライブ中にいつも心がけていること、意識していることってありますか?

もともと緊張しぃなので心臓飛び出そうってぐらい緊張して。
それをやめたくて、だから気楽にいきましょうって付けたんだとも思います。
100%楽しみ過ぎてもミュージシャンというのはお客さまを置いていくので、「自分たちが最高!」ってだけのステージじゃなくて、
どう共有されているかって、余裕ないくせに1人1人の顔を見たりとか(笑)。
自分が歌っている瞬間というか、自分の立ち位置が明確になるので意識のポジショニングを大事にしてます。
また、カラダは楽器ですから、歌う時の姿勢がちゃんとしてないとっていうのは気を付けています。

編集部
今後のライブで「こんなことをやりたい」みたいな希望などはありますか?

やっぱりワンマン以外もやりたいですね。
1人ではたった1人の力ですけど、今日みたいに山田さんとか他の方と一緒にできるとちょっと面白いというか、自分のキャラが広がっていくので。
誰かを受け入れていくコラボレーションというのは自分の世界観も広がるし、色んな方とやれればいいなと。
これまで保守的に生きてきた感じがするんです。封印されていたような。
「動いてる。宇徳敬子が動いてる」って、Youtubeで書かれたりしてますけど(笑)。
基本的に自分の性格は楽天的にいくタイプなので、これから封印を解いていくという感じですね。

編集部
B.B.クィーンズ、Mi-Keを経てソロデビューされましたが、当初ソロで戸惑ったことはございましたか?

ほんとはソロアーティストでいくってオーディションで決まってたんです。
でもその前に「ちょっと面白いことやらない?」って、B.B.クィーンズが始まって、社会現象になって…。
つまり、自分を売り出すというよりも、エンターテインメントでやっているっていう意識があったので、ソロが普通というか自分の素がそのまま出ているだけなので。
ソロは素の私だから、戸惑うっていうよりも今まで着ていた企画の衣装を脱いでTシャツにジーパンとか、ありのままの自分なので楽になったという感じでした。
とまどいって言ったら…
ソロ活動は会社の方針で一切メディアに出ない方向となっていった訳ですが…。
ファーストアルバムの『砂時計』は当時、意外にも女子高生に反響があったと聞いていて‥
自分としては、全くの新人アーティストみたいにデビューしている感があって、宇徳敬子から知った方はMi-Keを知らなくて。
「なんで宇徳さんがB.B.クィーンズやMi-Keにいるの?」って繋がりを知らない方が多かったのが面白かったです。

編集部
ソロデビューでも活躍されてその後、2001年以降しばらく表立った活動をされてませんでしたが、この頃のお話をお聞かせ下さい。

曲は凄く書いてましたね。
でも、自分がやりたいことと会社の方針が違って、良いものできたと思ってもお取り置きとか…。
いつ出すの?いや今でしょ!(笑)っていうのがあったんです。
だから『砂時計』・『氷』・『満月~rhythm~』の3部作を出してリセット。
コーラスのオファーが多くあったので、自分のことは見送って人のことをやろうって。
でも、私がコーラスをやっているアーティストのCDの中に入っているカラオケで私の声を聴いて過ごしてたってファンの方の声を聞いて…。
自分を応援してくれている人に何かできることないかなと…。
ファンの方の声で私は蘇らせてもらったというか。
歌を創って発表する場がないとなると、自分のエネルギーが無くなってきちゃうんですよ。
それでライブをやろうと決めたのが2010年だったんです。

編集部
またいつかMi-Keの3名で集合したいなという思いはございますか?

素敵な世界観で音楽活動をしている真美ちゃん。
沖縄に移住して素敵ライフを送っている遥ちゃん。
いつか3人揃って再会して語り合いたいですね。

編集部
最後にミドルエッジ読者とファンの皆さんに伝えたいメッセージをお願いします!

ミドルエッジの読者の方って私をご存知ですかね?

編集部
いやいやいや、もちろん知ってますよ!
我々の世代はB.B.クィーンズ、Mi-Ke、そしてソロ。各時代の宇徳さんを聴いていた方が多いですよ。

そうなんですね。
大概知られていないって気がしてるんですよ。
長い間(コーラス以外は)活動してなかったんで。
新人アーティストって気持ちです。
知っているって言われるとビックリしちゃいます(笑)。
25周年ということで、夏にライブも行います。
CDって遠いじゃないですか距離が。
ライブはファンとの距離が近くて。
最初は距離を縮めるのも勇気がいるというか、最初は近くて怖かったんですよ。
「うわっ、近っ!」って。それだけで舞い上がっちゃって。
ライブで歌うことによって、一歩一歩、少しずつ自分らしい素の自分を出せるようになったかなと。
心の交流って感じで楽しいですね。
いろいろな方が私の音楽を聴いてくれているんだって、実感できる場じゃないですか。
それを記憶に焼き付けて…。
25周年。アニバーサリーから始まりの年ってことで。
よろしくお願いします。

取材・文/ミドルエッジ編集部
撮影/木村直軌・木村智軌
宇徳敬子 ソロデビュー25周年ライブ情報
8/25(土)大阪・Music Club JANUS
10/7(日)東京・マウントレーニアホール渋谷プレジャープレジャー
詳細はオフィシャルサイトでチェック!
http://berock.jp/live.html
宇徳敬子 CD・DVD情報
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ラジオ日本 [AM1422kHz] にて毎週火曜日14:33頃~『加藤裕介の横浜ポップJ』番組内ミニコーナー「宇徳敬子の♡ハッピー愛ランド♡」にパーソナリティとして出演中。
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宇徳敬子 Keiko Utoku Official Website