千葉ちゃん
お笑い芸人がハリウッドスターを夢見てアメリカへと旅立ったのは記憶に新しいところですが、アメリカに行かずとも日本での作品が高く評価され海外で人気を獲得した人がいます。
そう、スタントマンに頼らないアクションスターの元祖ともいえる千葉真一です。後に空手をメインとした格闘映画を世界的に大ヒットさせ「Sonny Chiba(サニー ちば)」として知られるようになります。

千葉真一
サニー ちば の雄姿をご覧ください。流石です。オーラが出ています。出まくっています。
それでは、千葉真一がSonny Chiba(サニー ちば)として世界的なスターとなったきっかけの映画を順を追ってご紹介しましょう。

Sonny Chiba
1960年1月7日にテレビドラマ「新 七色仮面」の蘭光太郎役で主演デビューしています。それ以降も順調にテレビドラマ、映画と出演していきますが、千葉ちゃんの愛称で全国的な人気を獲得したのが1968年から放映が始まったテレビドラマ「キイハンター」です。
「キイハンター」は現在のテレビドラマでは考えられませんが、なんと1973年4月まで5年間も続きました。しかも、テレビ局側はまだ続けたかったそうですが、マンネリを危惧した千葉真一が継続を断ったそうです。
その事もあってか、その年には全く違った役柄の映画「仁義なき戦い 広島死闘篇」で圧倒的な存在感を見せつけます。

仁義なき戦い 広島死闘篇
更に、後に世界から認められるきっかけとなる映画「ボディガード牙」が1973年には封切られています。
ボディガード牙
1973年、いち早く空手を盛り込んだ映画に千葉真一は取り組みます。それが「ボディガード牙」です。ここからですね、千葉真一が世界的なスターへの道を歩み始めるのは!

ボディガード牙
「ボディガード牙」を観る機会はなかなかないかと思いますが、何というか、ハードボイルドなんですよね。
日本ではほとんど忘れられているにも関わらず、英語に吹き替えられて海外で楽しまれているというのはスゴイことですね。
この映画を振り出しに、翌年から空手をアクションの中心にすえた独特の映画が多数制作されます。
殺人拳シリーズ
さぁ、いよいよです。千葉真一が「サニーちば」としてアメリカで人気を集めるようになったシリーズ映画が1974年からはじまる「殺人拳シリーズ」です。

激突! 殺人拳
殺人拳シリーズは、1作目の「激突! 殺人拳」から始まり、「殺人拳2」、「逆襲! 殺人拳」、「子連れ殺人拳」と4本制作されています。
また、関根勤がモノマネする千葉真一の元ネタがここにありますよ。
「殺人拳シリーズ」は、日本以外でも大ヒットし、海外では千葉真一はSonny Chiba と呼ばれるようになります。
「殺人拳シリーズ」は、映画監督のクエンティン・タランティーノや俳優のキアヌ・リーブスなどが熱狂的ファンとして知られています。
また、フランシス・フォード・コッポラ監督からは、千葉真一とアル・パチーノとの共演作のオファーがあったそうです。見てみたかったですね。
地獄拳シリーズ
「殺人拳シリーズ」と並んで、千葉真一の名を高めたのが「地獄拳シリーズ」です。第1弾は1974年公開の「直撃! 地獄拳」でした。

直撃! 地獄拳
1974年度に公開された「直撃! 地獄拳」は、日本映画配給収入ランキング第5位となる4億1700万円の配給収入を上げました。
そしてアメリカでは「The Executioner 」というタイトルで1999年の時点で、10万本以上のビデオが売れシリーズ化されています。
そもそも欧米では空手とカンフーの区別がないことから「空手 = ブルース・リー」と認識されていたのですが、「直撃! 地獄拳」のヒットにより一般的に「空手 = 千葉真一」と欧米で認識されるようになりました。
続編として「直撃地獄拳 大逆転」が作られています。
本格的にアメリカで俳優活動をするようになったのは1992年のアメリカ映画「エイセス / 大空の誓い」への出演からです。これを機に拠点をロサンゼルスへ移し活躍を続けています。
海外で日本人が活躍するというのは見ていて気持ちがいいですね。いつまでも頑張って頂きたいものです。