【マクドネル・ダグラス DC-10】ワイドボディの3発式ジェット旅客機のこと、覚えてますか?!

【マクドネル・ダグラス DC-10】ワイドボディの3発式ジェット旅客機のこと、覚えてますか?!

アメリカン航空の要請で中距離用の双発ジェット機を開発する過程で、エンジンの信頼性がイマイチなため、エンジンをもう一つ垂直尾翼内(胴体上)に一直線上に追加配置させる離れ業のような設計を施し、生まれたDC-10。そんなDC-10の思い出を振り返って見よう!!


マクドネル・ダグラス DC-10とは??

ジャンボと同様、DC-10も軍用機開発からの転用だった!!

初期生産型。1969-1973年までに81機製造。1970年代中盤に主翼付け根にヒビが発見された為、搭載制限措置が取られた。
1981-1987年に主翼交換プログラムが実施された。
2015年5月20日にアメリカ・ウエストバージニア州空軍(ANG)第167空輸航空団(167AW)から、最後のC-5Aである「69-0009」が退役した。

C-5A

1962年、当時の米国防省は米国本土から遠く離れた前線に兵士や物資を迅速かつ大量に輸送することができるような大型輸送機の開発計画(通称「CX計画」)を練っていた。この「CX計画」に、米国の大手航空機メーカーであるボーイング社、ロッキード社とともにダグラス社も巨額なビジネス獲得を目指して受注合戦を繰り広げた結果、ダグラスはロッキード(上記のC-5輸送機)に敗れてしまう。
ちなみに同じく受注に失敗したボーイング社は、ボーイング747の開発へと進んだ。

ダグラス社もアメリカン航空が1966年3月に出した座席数250席級、航続距離3400km程度の国内線の大量輸送を目的とした大型旅客機、いわゆるエアバスの要求仕様に基づき計画がスタート、当初は双発型を想定していたが、その後他の大手航空会社がアメリカ大陸を横断可能な航続力を要求、さらに一発停止時の推力低下の問題や洋上運航を考慮、結果、座席数最大330席、航続距離は大陸横断が可能な4,500km程度とした三発機という案に修正された上で、1967年11月からダグラス社において本格的な開発に着手したのだ。

この時、ロッキード社もほぼ同じ仕様に基づいて三発機の開発を開始、それは本機最大のライバルとなるロッキードL-1011トライスター型機だ。

全日空 トライスター (JA8508 大阪国際空港 1993年)

ちなみにトライスターと聞いて、「ロッキード事件」を連想された」方がおられたら、相当の飛行機通か事件通ですね!!。1972年に運航を開始したトライスターは、DC-10と共に中距離路線向けに開発された機体であったため、ダンピングを含む販売競争が繰り広げられ、日本では贈収賄事件まで起きている(ロッキード事件)。

DC-10にも、色々な機種がある。基本となる-10型から航続距離を延長し、センターメインギアを追加した-30型や-40型、操縦システムを後継のMD-11と同じものに近代化改修したMD-10が作られた。また、旅客型・貨物型の他に、軍用機として空中給油機KC-10がある。標準サイズは全長 : 55.5 m、全幅 : 50.4 m、旅客数 : 250 - 380名で、ボーイング747に比べると若干小さいと言える。

マクドネル・ダグラス社有機

1970年から生産され、1971年8月に運用が開始された最初の派生型である。もともと、アメリカ大陸を横断できる航続距離を持つよう設計された。

ハワイ航空のDC-10-10型機

1972年から生産が開始された長距離型で、最も多く生産された型でもある。

ユナイテッド航空のDC-10-30型機

スイスエア(現スイス インターナショナル エアラインズ)やフィンランド航空などの要望で-30の航続距離をさらに伸ばした「ER型」が生産され、欧州 - 極東アジアの11,000km(ヘルシンキ-東京)を、北極圏上空を飛行して世界初の欧州 - 極東アジアノンストップ運航に成功している(1983年当時はソ連によってシベリアルートが開放されていなかったため)。

スイスエアのDC-10-30ER型機

1972年から生産された。エンジンはプラット・アンド・ホイットニー製JT9D。発注したのはノースウエスト航空(現デルタ航空)と日本航空のみ。当時エンジンがJT9Dのみだったボーイング747と併用するため、両社の要請により開発・製造された(但し、日本航空仕様機はエンジン推力がノースウエスト仕様機よりも大きいのが特徴)。

日本アジア航空のDC-10-40型機

DC-10-40の短距離仕様であり、世界でも日本航空のみが保有した。最大離陸重量の関係上国内線・短距離国際線運航では不必要となるセンターギアは装備されず、外観は-10型と同じに見える。短距離路線では不要なギャレーを廃した関係で、第2ドア後部にも2つ窓が増えている。

日本航空のDC-10-40D型機

1970年代に就航したDC-10を近代化した機体である。ボーイング747では需要に対して大きすぎる路線にDC-10が投入されたように、ボーイング747-400では大きすぎる中長距離路線に投入されることを見込んで開発された。

開発は1986年より開始された。1990年1月10日に初飛行。1991年から運用を開始。旅客型のほか、貨物専用型、貨客混載のコンビ型なども生産された。

日本航空のMD-11型機

MD-10は、DC-10の後継型機種として、DC-10の大幅改良モデルであるMD-11を開発、製造するが、このMD-11で採用された操縦士2名乗務方式(2メンクルーシステム)を旧型化したDC-10に移植してリニューアルし、ハイテク化した。

ボーイングMD-10(1997年にマクダネル・ダグラスを吸収合併)

数多くのDC-10とMD-11を運航するフェデックスがボーイング(1997年にマクダネル・ダグラスを吸収合併した)へ提案し、「ボーイングMD-10」として共同開発を行なう。改造の対象になったのはフェデックスの保有するDC-10-10と-30で、操縦システムをMD-11と同様のものに改造(一部のシステムはボーイング777などの最新型ボーイング機のものが流用されている)。

KC-10 エクステンダーは1981年から生産が始まった、軍用の空中給油機である。アメリカ空軍がKC-135の老朽化と機体数不足から発注し、DC-10-30をベースとして制作された。燃料タンクを設置するためにすべての下部貨物ベイを改造する改修が施されたが、KC-135と違って貨物ベイ全体が燃料タンクというわけではない。これは貨物ベイ全体を燃料タンクにすると、重くて飛べなくなってしまうためである。日米を含む西側諸国が冷戦に勝利した歴史に大きく貢献した名機である。

KC-10 エクステンダー。DC-10-30型機がベース

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航空機 DC-10

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