BURST CITY
「爆裂都市」と書いて「バースト・シティ」と呼ぶこの映画は、1982年に公開された石井聰亙監督の8作目の作品です。
当時のカリスマ的なロッカー達が参加していることで知られていますが、映画そのものがロックというか、パンクなんですよね。

爆裂都市 BURST CITY
キャッチコピーの「これは暴動の映画ではない。映画の暴動である」が実によく的を得ています。ストーリーがどうというよりも、フラストレーションを形にするとこうなるのだろうなと思わせる映画です。
若きパンクス必見!
バトル・ロッカーズ
登場人物が全員フラストレーションを溜め込んでいるという近未来都市を舞台にしている爆裂都市。主役となるのは「バトルロッカーズ」と呼ばれるロックバンドです。
バトルロッカーズのメンバーは、この映画の出演をきっかけとして本格的に役者の道を歩むことになる陣内孝則。その彼が率いていたザ・ロッカーズ。

ザ・ロッカーズ
現在でも多くのミュージシャンからリスペクトされ続けているカリスマバンドであるザ・ルースターズ。

ザ・ルースターズ
「ザ・ロッカーズ」と「ザ・ルースターズ」でバトル・ロッカーズです。

バトル・ロッカーズ
演技ということではお世辞にも上手いとは言えませんが、楽曲や演奏シーンはそれはもう最高です。オープニングのライブシーンで演奏される「セル・ナンバー8」にはロックファンでなくともシビレルはずです。
映画全体の疾走感がハンパないです!それはイライラしている感じといいますか、何かに追い立てられている感じですかね。
キャスト
ザ・ロッカーズから陣内孝則、鶴川仁美、ザ・ルースターズから大江慎也、池畑潤二が参加したバトル・ロッカーズをはじめ、出演者はロックの香りがプンプンと漂う曲者ばかり。

バトル・ロッカーズ
そこがロックファンを中心としてカルト映画となっている所以でしょうね。
バトル・ロッカーズのライバルバンドのマッド・スターリンに、ザ・スターリン。

ザ・スターリン
キチガイ兄弟の弟役に芥川賞作家となった町田 康。当時は町田町蔵と名乗りパンクバンド「INU」のボーカリストでした。

町田町蔵
一般的な認知度は低かったものの、コアなロックファンの間では人気のあったザ・ロッカーズ、ザ・ルースターズ、ザ・スターリン、町田町蔵が映画出演するということは話題となりました。話題と言っても当時はマニアックな話題といった感じですね。
それからもう1人。

泉谷しげる
泉谷しげる ですね。泉谷しげるは企画にも携わっています。
当時でも泉谷しげる の認知度はそれなりに高かったのですが、他は無名に近い駆け出しのミュージシャンばかりです。それが現在では日本のロック史を語る上で外すことの出来ない重要なミュージシャンばかりとなっていることで、爆裂都市はカルト人気を誇っているのでしょうね。
オリジナルサウンドトラック
この当時は、ザ・ルースターズのボーカル 大江慎也以外のメンバーで1984と名乗っていましたが、その1984による1曲目「ソルジャー」が素晴らしいオリジナルサウンドトラック。

爆裂都市 (BURST CITY) オリジナルサウンドトラック
2曲目の「セルナンバー8」以降もたたみ掛けるように強力なナンバーが収められています。このサウンドトラックの出来の良さが爆裂都市の人気の秘密でもあります。
映画ではサウンドトラックには収録されていない以下の曲も流れており、それも映画の魅力となっています。
ザ・ルースターズ
「レッツ・ロック」、「ゲット・エヴリシング」、「オールナイト・ロック」
ザ・ロッカーズ
「シャープ・シューズでケリ上げろ!」、「プアボーイ」、「マイト・ガイ」
スターリン
「飯喰わせろ」、「冷蔵庫」、「解剖室」、「豚に真珠」、「GASS」、「ハエ」、「バード」、「革命的日常」
サン・ハウス
「カラカラ」
こりゃあ、80年代のロックファンには堪えられないですよね。