増え続けるウィンブルドンの賞金
●ウィンブルドン●
ウィンブルドン選手権は、イギリス・ロンドンのウィンブルドン (Wimbledon) で開催されるテニスの四大国際大会の一つ。日本語では便宜上「全英オープン」と呼ばれる場合もある。
ウィンブルドンの賞金総額は、直近4年間で2倍近くになるなど、毎年増え続けている。
2015年の男子シングルス賞金は以下の通り。
<男子シングルス賞金>
【優勝】 188万0000ポンド(約3億5千万円)
【準優勝】 95万0000ポンド(約1億8千万円)
【ベスト4】 48万0000ポンド(約9000万円)
【ベスト8】 24万0000ポンド(約4500万円)
【4回戦】 12万0000ポンド(約2250万円)
【3回戦】 7万5000ポンド(約1400万円)
【2回戦】 4万7000ポンド(約880万円)
【1回戦】 2万9000ポンド(約540万円)
ウィンブルドン、今年も賞金増額 男女単は188万ポンド 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ウィンブルドンに限らず、グランドスラム全般、近年賞金額が大きく増える傾向にある。その理由として、近年の男子ツアーは、ジョコビッチやフェデラー、マレーやナダルといった、いわゆる“ビッグ4”が人気を集め、放映権が高騰しており、大会チケットも高額なのによく売れるからだ。全米オープンや全豪オープンは、センターコートにビッグカードをもってきて昼と夜の部の2部に分けて売り出し、収入を伸ばしている。
ニューヨーク・タイムズによれば、全米オープンテニスが開催される2週間のチケット収入は、ヤンキースの年間チケット収入を上回るという。
1995年のウィンブルドンで松岡修造はベスト8入り!
1995年のウィンブルドン選手権。出場者に欠員が出たことにより、当初予選からの挑戦予定だった松岡修造に、本戦出場資格が回ってくる・・・そして
【松岡修造】1995年ウィンブルドンベスト8へ
【比較!】松岡修造の時代に比べ、大きく増えた賞金額
2015年の男子シングルス優勝賞金は188万ポンド。対して、松岡修造がベスト8に入った1995年の男子シングルス優勝賞金は36万5000ポンド。優勝賞金は20年間で約5倍も増えている。
日本では20年以上前に崩壊したバブルだが、テニス業界はいまだバブル真っ盛りなのである。
<優勝賞金の変遷(男子シングルス)>
【1995年】 36万5000ポンド
【1996年】 39万2500ポンド
【1997年】 41万5000ポンド
【1998年】 43万5000ポンド
【1999年】 45万5000ポンド
【2000年】 47万7500ポンド
【2001年】 50万0000ポンド
【2002年】 52万5000ポンド
【2003年】 57万5000ポンド
【2004年】 60万2500ポンド
【2005年】 63万0000ポンド
【2006年】 65万5000ポンド
【2007年】 70万0000ポンド
【2008年】 75万0000ポンド
【2009年】 85万0000ポンド
【2010年】 100万0000ポンド
【2011年】 110万0000ポンド
【2012年】 115万0000ポンド
【2013年】 160万0000ポンド
【2014年】 176万0000ポンド
【2015年】 188万0000ポンド
先に述べたとおり、松岡修造は1995年のウィンブルドンでベスト8となったわけだが、もし錦織圭が今年ベスト8となった場合の賞金を比較してみたいと思う。
1995年当時のベスト8の賞金は不明だが、優勝賞金が2015年の1/5程度であることから、ベスト8の賞金も同じく1/5程度の金額と考えられる。
これは、2014年から2015年に優勝賞金が6.8%(176万ポンド→188万ポンド)引き上げられた際、ベスト8もほぼ同じ前年比6.2%(22万6千ポンド→24万ポンド)引き上げられており、2013年から2014年においても、優勝賞金が前年比10.0%引き上げられた際、ベスト8は前年比10.2%と同程度引き上げられている実績から推察するものである。
つまり、今年のウィンブルドンで錦織圭がベスト8だった場合の賞金は24万ポンド(約4500万円)で、松岡修造がベスト8だった1995年の賞金は、1/5の4800ポンド(その年の平均的なレート、1ポンド148円で換算すると約700万円)と予想できる。
以前、日本テレビ「おしゃれイズム」に出演した松岡修造が“ベスト8に入ったこと”で錦織圭と比較されることに対して、“弟子の錦織圭選手の才能が自分なんかよりもっと凄いんだ!”といった主旨で怒っていたが、才能の差が5倍あるかといえばどうだろうか。
とにかく賞金に関して言えば、錦織は良い時代に全盛期を迎えたと言える。
「おしゃれイズム」に出演した松岡修造
【ウィンブルドンの賞金よもやま話】近年まで続いた男女の賞金格差
ウィンブルドンは、1968年に世界で初めて賞金付き大会となった。アマチュアの舞台だった世界のテニス大会に先駆けてプロ選手に門戸を開放した。当時、男子の優勝賞金は2000ポンド。女子はわずか750ポンドで、男子の約4割弱だった。
その後、全米が1973年に男女同額となり、全豪も2001年に追随した。2006、全仏が優勝賞金だけ男女同額となった。すべてにおいて格差があるのは、4大大会でウィンブルドンだけだったが、2007年、ウィンブルドンの賞金も男女同額となった。
この「男女の賞金格差」という大きな問題に取り組んだことで有名なのは、ビリー・ジーン・キング夫人である。
ビリー・ジーン・キング夫人
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錦織圭の活躍に期待がふくらむ【ウィンブルドン2015】
最近の錦織の活躍には目を見張るものがある。
2015年のグランドスラム(4大大会)の成績は、全豪オープンがベスト8、つい先日の全仏もベスト8だった。2014年最後のグランドスラムの全米オープンにいたっては準優勝である。グランドスラムは3大会連続でベスト8以上の成績を残している。
いやがうえにも、期待が高まる。
全米オープンテニス2014 準優勝
全豪オープン2015 ベスト8
全仏オープン2015 ベスト8
2015年6月29日~7月12日まで開催される次のグランドスラム、ウィンブルドン2015。多くの選手たちからの要望により、全仏オープンから3週間あけて、通常より1週間遅いスタートとなる。(去年までは間が2週間だった。)
全仏オープンでの疲れを十分にとり、錦織圭には、ぜひ“ベスト8”を超える“ベスト4”以上の活躍をしてもらいたいものだ。