
京成スカイライナー
ギャラリー | スカイライナー成田空港アクセス | 京成電鉄

成田エクスプレス
JR東日本:成田エクスプレス
スカイライナーの歴史
スカイライナーは、京成電鉄の成田空港へのアクセスの要として、1972年に車両が登場しました。
成田空港は1978年に開港しているので、空港が出来る前からスカイライナーは登場していたわけです。
悲劇のスカイライナー
しかし、成田空港の開港が遅れたため、この新型特急電車はしばらく車両基地に留置され、運転が開始されたのは、1973年の暮れになってからとなりました。
しかも、空港はまだ開港していませんので、上野ー成田を結ぶ「都市間特急」としての運行でした。

初代スカイライナー「AE形」車両。
京成AE形電車 (初代) - Wikipedia
1974年の「ブルーリボン賞」を受賞することになる名車でしたが、1978年には空港に反対する人に火をつけられ燃えてしまい、廃車になる編成が出るなど、悲劇の車両でした。
ようやく1978年に成田空港が開港し、本来の役目を担うことになります。
空港ターミナルから遠く離れた「成田空港駅」。
しかし、この時、「成田新幹線」という新幹線の計画があり、工事も着手されていたため、将来は新幹線にその座を譲るため、京成電鉄の当時の「成田空港駅」は、空港ターミナルビルからかなり離れた場所に造られました。
日本を代表する玄関口は、非常に難産の末、産まれたのです。
断念された「成田新幹線」。
日本の技術を代表する「新幹線」は、今でこそあちこちの地方で早期開業を期待する人が多い鉄道になっていますが、1970年代頃の新幹線と言えば、「騒音の元」と、嫌われる対象にもなっている鉄道でした。
この反対運動により、1983年に、成田新幹線の建設は断念されてしまいます。
造られた施設が、ようやく日の目を見る。
1988年、当時の運輸大臣のアイデアで、断念された成田新幹線の施設を再利用して、在来線を作ればいいのではないかということになり、この計画は再び、当初とは違うかたちで動き出すことになります。
成田空港高速鉄道が発足。
そこで、JR東日本と京成電鉄などが出資した、「成田空港高速鉄道株式会社」が発足します。
そして、ついに1991年3月19日に、現在の成田空港への鉄道網が開業します。
ようやく、日本の玄関口としてふさわしい、便利なアクセス方法が誕生しました。
京葉線との関係。
現在の京葉線の東京駅の施設は、もともと成田新幹線のために造られた施設でした。
1990年3月10日、京葉線の東京ー新木場間が開通。それまでは新木場止まりで、営団地下鉄有楽町線に乗り換える必要がありましたが、東京駅まで直通となり、便利になりました。
そして、1991年3月19日、成田エクスプレスが運行開始されると、それまで総武線を走っていた特急「わかしお」「さざなみ」が、総武線のダイヤを成田エクスプレスへ譲ることになり、これらの「房総特急」は、京葉線周りへと変更されます。

初代成田エクスプレス「253系」。
JR東日本253系電車 - Wikipedia

房総特急に使用されている「E257系500番台」
さざなみ (列車) - Wikipedia
成田スカイアクセス線の開業により、より便利に。
北総鉄道を延伸するかたちで、2010年7月17日に、「成田スカイアクセス線」が開業します。
これにより、京成電鉄は新型車両を投入し、最高速度160km/h運転の「スカイライナー」の運行を開始します。
JR東日本も、これに対抗するかたちで、2010年7月1日から、すべての「成田エクスプレス」が、新型車両のE259系にて運用されています。
速さでスカイライナー、便利さで成田エクスプレス。

日暮里まで最速36分。現在のスカイライナーの車両。
京成AE形電車 (2代) - Wikipedia

都心へダイレクトアクセスの「成田エクスプレス」。
成田エクスプレス - Wikipedia
国内線LCCの運行も盛んな成田空港には、さまざまなアクセス方法が選べるようになりました。
安さと速さでは京成電鉄の特急やスカイライナー、そして、東京、横浜、新宿、池袋などへ乗り換えなしで座っていける便利さでは成田エクスプレスが勝っており、それぞれ利点があります。
羽田国際空港との競争。
東京都心からの距離の近さでは、成田空港は羽田空港には敵いません。
しかし、羽田空港から都心に向かうには、京浜急行で品川に行き、そこから山手線や地下鉄に乗り換えなくてはなりません。
京浜急行と直通運転をしている都営浅草線は、東京駅や銀座駅から若干離れた場所を通っています。(東銀座駅や宝町駅がそれに該当します。)
そのため、海外から来た外国人は、慣れない異国での複雑な電車の乗り換えが必要な羽田空港よりも、遠くて時間が多少かかっても、そのまま座って都心へ直通の成田エクスプレスのある成田空港のほうが便利という見方も広がっています。
今後、2020年に東京オリンピックも予定され、日本への海外からの注目もますます高まるなかで、近さの羽田空港、便利さの成田空港との競争は続きそうです。
成田国際空港公式WEBサイト