ポプコン

ヤマハポピュラーソングコンテスト
1969年から始まったヤマハポピュラーソングコンテスト、通称「ポプコン」。全盛期となると、やはりそれは70年代ということになるかと思いますが、1986年に幕を下ろすまでの80年代にも、心に残る名曲、素晴らしいミュージシャンを多数輩出しました。
80年代のポプコンのグランプリ受賞曲をご紹介します!
第19回~第20回
1980年5月11日に行われた80年代最初のポプコン、第19回のグランプリは、伊丹哲也とSide by Sideが歌った「街が泣いてた」でした。

街が泣いてた
良い曲です。良い曲ですが、なんとなく第14回でグランプリをとった世良公則&ツイストを彷彿とさせますね。当時の世良公則&ツイストは人気絶頂ですから二番煎じのように見られてしまい、損をしたようにも思います。運が良ければ第二の世良公則&ツイスト、若しくは浜田省吾になれたのかもしれません。
ポプコン・ファンとして第19回で注目するのは優秀曲賞だった雅夢の「愛はかげろう」かもしれませんね。この曲もグランプリこそ逃したものの大ヒットしました。
なんというか、とてもポプコンらしい曲ですね。
そして同年10月に行われた第20回大会のグランプリは、エディ山本が歌った「愛を心に」です。

愛を心に
残念ながら、この曲は印象に残っていません。今となってはなかなか聞くことが難しい曲です。
第21回~第22回
1981年5月の第21回には、またまた大ヒット曲がグランプリを獲得しました。
「サヨナラ模様」。そうです。伊藤敏博です。

サヨナラ模様
これはもう王道のポプコン・ソングですね。納得です。
同年10月の第22回では、まったくタイプの違う曲がグランプリを受賞します。このあたりがポプコンの懐の深いところですね。
ポプコンらしさの欠片もない、しかし、それがまたポプコンらしさでもあるアラジンが歌った「完全無欠のロックンローラー」。
コミックソングですね。「サヨナラ模様」と続けて聴くと、その落差に膝の力が抜けてしまいます。
結局、アラジンはこの曲だけで姿を消してしまうのですが、多彩な才能を持っていただけに、とても惜しいですね。
第23回~第27回
80年代のポプコンで最大のヒット曲となるのが1982年5月の第23回グランプリ曲「待つわ」でしょう。曲は当時から最新というよりも、懐かしい感じがしていました。70年代のフォークソング。そんな感じですが、歌詞は80年代を感じさせるものだったので、何か奇妙な感じがする変わった曲です。

待つわ
力みのないコーラスが癖になる曲ですね。あみんは、岡村孝子と加藤晴子によるグループで、当時は2人とも大学生でした。
グループ解散後はソロとして岡村孝子は大活躍しています。
第24回(1982年10月)グランプリ
哀ダンサー:本田美緒
第25回(1983年5月)グランプリ
冬の華:磨香
「待つわ」以降のグランプリ曲をご紹介します。
第26回(1983年10月)グランプリ
雨の日:辛島美登里
第27回(19834年5月)グランプリ
顔:コンセント・ピックス
第28回~第32回
これまで多くの大ヒット曲を生み出してきたポプコンでしたが、「待つわ」以降は残念ながら大きな注目を集める曲は生まれていませんでした。
そんな中、軽快なビートに乗って久しぶりにポプコンが注目されるようになったのが、第28回のグランプリ曲「ふられ気分でRock'n Roll」です!

ふられ気分でRock'n' Roll
ボーカルとキーボードを担当しているのがTOMですね。本名を松崎淳美。久松史奈や森川美穂などに楽曲を提供しており、「ふられ気分でRock'n Roll」も彼女の作品です。
「ふられ気分でRock'n Roll」は大ヒットしたのですが、結局この曲がポプコンの最後のヒット曲でした。
第29回(1985年5月)グランプリ
You & Me Tonight:Roll-Back
第30回(1985年10月)グランプリ
…洋子:尾崎和行&コースタルシティー
第31回(1986年5月)グランプリ
サイレント・シャウト:長原裕三
そして、1986年9月に行われた第32回のグランプリ曲「明日ゆきの列車(小野健児)」をもって、ポプコンはその長い歴史に幕を閉じます。
ひとつの時代が終わったという感じですね。
日本を代表するミュージシャン、今なお歌い継がれる曲を多数残してくれたポプコンには感謝しかありません。