371系の基本要素。
東海道新幹線100系

100系新幹線
転載フリー写真集(国鉄・JR新幹線)
371系 JR東海

JR東海 371系
JR東海371系電車 - Wikipedia
東海道新幹線に「のぞみ」用300系ができたのが1992年なので、371系の登場(1991年)当時最新型の新幹線は100系。その一番の花形電車にデザインがそっくり。
いかにJR東海がこの371系に期待していたかがわかるというものです。
特急「あさぎり」の歴史のおさらい。
1955年に小田急から国鉄御殿場線への直通列車として、新宿駅と御殿場駅を結ぶ特別準急2往復の運行が開始されたのが始まりです。その後小田急線内を特急、国鉄線内は「急行」として運転されました。
1991年3月16日からは御殿場線内のJR区間も特急列車に格上げされました。
片乗り入れという形ではあるがJR東海に直通運転をしているため、関東の大手私鉄の特急列車では唯一JR東日本以外のJRに乗り入れる列車となっています。
その構想の歴史は古く、小田急線と御殿場線を結ぶという発想は、第二次世界大戦中に国鉄東海道本線が爆撃を受けた際に迂回路線として活用するという構想に遡ります。
(wikipediaより引用、編集)
実現された当初は「準急」から始まり、小田急はこのルートに並々ならぬ力を入れ、蒸気機関車主流の時代に専用のディーゼルカーを造ります。当時御殿場線は電化されていなかったので、せっかく既に電化されていた小田急線内をディーゼルカーで通してでも、このルートを作りたかったのです。
御殿場線の電化が完成すると、あの超名車が登場します。
新幹線0系のもとにもなった超名車「小田急3000系」

小田急3000系急行「あさぎり」号
小田急3000形(SE車) - 日本の旅・鉄道見聞録
箱根をめぐる企業グループの競争。
乙女峠のある箱根の山頂を境に、箱根は2つの企業グループの観光客の取り合いとなりました。
東側が小田急グループ(新宿ー小田原ー箱根湯本ー強羅ー桃源台)、西側が西武グループ(伊豆箱根鉄道)に大きく分かれます。
なお似たようなケースとして、伊豆に関しては、東側の鉄道が東急グループの伊豆急行、バスは小田急グループの東海自動車に大きく分かれます。西側はやはり西武グループの伊豆箱根鉄道が勢力を伸ばしています。
小田急は箱根の西側からのルートをなんとか開拓できないか考え、また、伊豆の西側の勢力を広げるために、箱根の西の玄関口:御殿場止まりだった「あさぎり」を、西伊豆の観光の拠点「沼津」まで伸ばそうとしました。
そこでJR東海とタッグを組み、1991年、JR東海は371系を、小田急は20000系ロマンスカーを新しく造り、「急行」だったあさぎりを「特急」としてリニューアルします。

小田急「あさぎり」用20000形電車
小田急20000形 - 日本の旅・鉄道見聞録

JR東海 371系
371系特急形電車 - 日本の旅・鉄道見聞録
小田急20000形、JR東海371系、両車ともに編成の中ほどが、「ダブルデッカー」になっていることがおわかりいただけるかと思います。
まさに「観光電車仕様」ですね。
ダブルデッカーの先輩、伊豆観光用JR東日本「251系」

JR東日本 伊豆への電車「251系」。
251系スーパービュー踊り子号が「河津桜トレイン」として運行
新幹線100系もダブルデッカー。

新幹線100系のダブルデッカー。
(再掲)JR東海 新幹線100系16連・ひかり300号/Shinkansen Series100 @米原 - YouTube
どこもかしこもダブルデッカー。
1980年代後半から1991年までに登場したものです。
時代はまさにバブル経済絶頂期。
とにかく「豪華なモノ」が求められた時代、観光業界、鉄道業界もド派手な車両がバンバン登場。
鉄道が華やいだ時代だったと思います。
371系引退。
JR東海371系電車 - Wikipedia
wikipediaでこのように記載がある通り、JR東海から371系は廃止されました。
そのため、多くの人は、371系は既に廃止され、解体されてしまっていると思われているようです。
実際、電車を廃車にすることが多い「長野工場」に371系は送られました。
グーグルの検索候補にも・・・。

グーグルで「371系」と打ちスペースを入れると・・・。
371系 - Google 検索
検索候補の一番上に「解体」が出てきます。
既に371系は解体されてしまったと思われています。
「静岡だけが富士山ではない!」ことを思い知らされる「華麗なる転身」
371系は確かに、解体を担当することの多い長野工場に運ばれました。
しかし、実はその逆でした!。

売れっ子デザイナーによってリニューアルされた「元」371系
富士急行8500系 - 日本の旅・鉄道見聞録
富士急行8500系 - 日本の旅・鉄道見聞録
なんと、JR九州などで多くの車両をデザインしている売れっ子デザイナー、水戸岡鋭治氏の手により、371系時代の青色から、赤色に180度転換して、山梨側の富士山への鉄道、富士急行に転勤していました!!。
ビフォーアフター。

JR東海371系時代の車内。
JR東海371系電車 - Wikipedia

富士急行8500系(元JR東海371系)の車内の画像。
富士急行8500系 - 日本の旅・鉄道見聞録
ちょっと変わりすぎではないでしょうか!
しかし、水戸岡鋭治氏のデザインした電車は、多くがJR九州のものなので、首都圏在住の人にとっては敷居が高いですが、富士急行線なら簡単に行けますね!。
これは貴重です。

山梨県のホームページより。
山梨県/世界遺産「富士山」
かつてJR東海371系として1編成のみ製造され、静岡県側から世界遺産・富士を目指した車両は、今は富士急行8500系として華麗に転身し、今度は山梨県側から富士を目指して走っています。
この豪華な車両、かつて特急「あさぎり」として走っていた往時を思いながら富士急の車両として乗ってみたいものですね。