1994年から始まった「第2次ミニ四駆ブーム」
1994年9月。ミニ四駆の『マグナムセイバー』と『ソニックセイバー』が発売されました。ほぼ時を同じくして、月刊コロコロコミックより連載開始になった『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』との相乗効果もあり、すぐに人気が爆発。世に言う「第2次ミニ四駆ブーム」の幕開けです。

爆走兄弟レッツ&ゴー!!
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80年代に巻き起こった第1次ブームとのもっとも大きな違いは、ミニ四駆の形状。第1次は、タイヤが露出したいわゆる「フォーミュラカー型」と呼ばれるデザインだったのに対して、第2次は、タイヤが車体に覆われた「フルカウル型」と呼ばれるモデル。そのデザイン性の高さも、大いに子供心をくすぐりました。

フォーミュラカー型ミニ四駆

フルカウル型ミニ四駆
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豊富に取り揃えていたグレードアップパーツ
もう一つ、第2次ブームの特徴があります。それは“グレードアップパーツの豊富さ”です。第1次ブームが下火になって以降も、コアなファンを満足させるために、マシンを強化するパーツは着々と開発が進められていたようで、マグナム&ソニックセイバー発売時には、かなりバリエーション豊かになっていました。

さまざまなパーツが売られていた
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さらに、第2次ブームの影響で、高性能かつ高価格なグレードアップパーツも次々と開発されていきます。200円~300円程度なら、まだかわいいものですが、中には大型の「ベアリングローラー」などは、当時のミニ四駆本体と同価格の600円という破格の定価で販売されていたものです。

大型ベアリングローラー
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友人同士で競い合ったり、早いマシンを作り上げたりするのが醍醐味だった
これらのパーツを自由に組み合わせたオリジナルマシンで、友人同士速さを競えるのが、ミニ四駆の醍醐味。ちょっと広めの家に住んでいる子の家には、組み立て式のコースがあったりしたものです。

ミニ四駆のコース
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また、ひたすら速度を追及したい人のために、「ミニ四駆スピードチェッカー」なるものも販売されていました。

ミニ四駆スピードチェッカー
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速いマシンをつくるために、もっとも大事なパーツとは?
このようなコースやチェッカー、さらには、大小さまざまな大会が開かれていたこともあり、当時は、ひたすら速いマシンをつくることが、多くのミニ四駆キッズたちの関心事でした。
では、どのグレードアップパーツが、もっともスピードに直結しやすいのでしょうか?一概にはいえないものの、やはり、1番分かりやすいパーツというと「モーター」になるのでしょう。中でも、初心者向けとされたのが、『レブチューンモーター』と『トルクチューンモーター』です。

さまざまな種類のモーターが売られている
レブチューンモーターとトルクチューンモーターの違い、覚えてる?
レブチューンモーターはスピード重視タイプ。直線の多いコースで強さを発揮するものの、馬力不足なため、カーブが多いコースだと失速しがち。

タミヤ グレードアップパーツ GP.485 レブチューン 2モーター 15485
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トルクチューンモーターは、レブチューンと真逆の性能。スピードの肝となる回転数はレブチューンに劣るものの、トルク(=パワー)では上回ります。そのため、装着したマシンはテクニカルなコースで強みを発揮したものです。

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上級者向けだった『ハイパーダッシュモーター』『パワーダッシュモーター』
スピードもパワーも、トルクチューン・レブチューンとは段違い。そんな高性能モーターが「ハイパーダッシュモーター」と「パワーダッシュモーター」です。

タミヤ ハイパーダッシュモーター
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GP.317 パワーダッシュダッシュモーター
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しかし、そのハイスペック過ぎる動力を使いこなすには、相当な知識と経験が必要。単純に速いから、馬力があるからと安易に使用すれば、コースアウトの危険性も出てきます。まさに諸刃の剣。使いこなすには、モーターの性能にあったマシンのセッティングと、コースとの相性を見極める審美眼が求められるのです。

スピード・馬力がコースアウトを招くことも…
白熱!ミニ四駆大会!! | こども自然王国
ハイスペック過ぎて公式大会で使用禁止!『ウルトラダッシュモーター』『プラズマダッシュモーター』
こちらの2つは高性能過ぎるために、オフィシャルな大会では使用できませんでした。値段も結構します。けれども、そのスペックを体感したいがために、自分のマシンに実装していた子供は当時けっこういたものです。

タミヤ GP.307 ラジ四駆 ウルトラダッシュモーター
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プラズマダッシュモーター
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王将(62000回転)、四駆魔神(72000回転)など…イカツイ名前と驚異の回転数を誇った“違法モーター”
ちなみに、先述したモーターの回転数は、1分間単位でトルクチューンなら約14000回転、レブチューンなら17000回転。最大のものだと、プラズマダッシュで28000回転となります。
しかし、これらを遙かに凌駕するのが、タミヤ製ではない、非正規モーターたちです。以下の写真をご覧ください。ゴールドチャンプ(50000回転)、王将(62000回転)、四駆魔神(72000回転)と、回転数のインフレが起こっています。

ゴールドチャンプ
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王将
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四駆魔神
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第2次ブームのときは、このようなモーターが、街のプラモ屋で多数売られていたものです。もちろん、すべて公式大会では使用できません。

スーパーサンダーボルト
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ちなみに、当時はレギュレーション無制限の非公式レースも多数行われていたので、こうした通称「違法モーター」たちも大いに活躍しました。この時期に、ミニ四駆に夢中になっていた方なら、きっと、どれか一個くらいは持っていたのではないでしょうか?
(こじへい)