8月の都内某所、ミドルエッジ編集部(ミド編)はご当地ヒーローの第一人者であり現在はタイで新たなヒーローを生み出すべく活躍中の海老名保さんにお会いする機会をいただきました。
ミド編)えっ、ご自身で造っていらっしゃるのですか!?
そんな言葉がつい出てしまったミド編。
ところがお話を伺ううちに「す、凄い…」とつい言葉が漏れるほど、頭のてっぺんから足の先まで「ヒーロー」に情熱を注ぐ海老名さんを知ることとなります。
ヒーローに憧れ、ヒーローを演じ、やがてはヒーローを生み出す人に。
そんな海老名さんの言葉をどうぞご覧ください。
「夢と勇気と笑顔を子供たちにプロデュースする」海老名保さん
「ご当地ヒーローの第一人者」といえばこの方、海老名保さん。
海を、山を、秋田を守る。秋田発・地産地消ヒーロー「超神ネイガー」は2005年のデビュー。
地元秋田で絶大な支持を集め、2007年秋からは秋田放送で5分間のミニ番組シリーズとしてテレビ番組化。なんと視聴率15%を叩き出す人気を博し、まさにご当地ヒーローの生みの親とされています。
「夢と勇気と笑顔を子供たちにプロデュースする」を掲げる海老名さんですが、冒頭の言葉通り現在は海を越えてタイで新たなヒーローを生み出すべく活躍中。
そんな海老名さんの原点は?
本郷猛や伊達直人に憧れて、ヒーローになりたくて

海老名保さん
ミド編)若き日にUWFを志し、時を経てご当地ヒーローの生みの親に。そして現在は国を超えてタイで当地に根差したヒーローを生み出すべく奮闘されています。
「ヒーロー」への情熱の原点はどこにあるのでしょう?
自身を「超」勘違い人間だと笑って語る海老名さん。
タイガーマスクに憧れて、自分自身もなれると本気で思ったまま大人になったのだと仰います。
単身上京、新生UWF(第二次UWF)入門
地元・秋田県で過ごした学生時代。
中高と我流で体を鍛えた海老名さんは、一方で絵を描いて入賞したり(美術部でもないのに)といった生活をしながら高校卒業と同時に単身上京。見事、UWFに入門します。
ところが練習中の事故(脳挫傷)で挫折、地元秋田に戻ることとなりました。

「倒れても諦めない」
ヒーローへの憧れが昂じ、独学でヒーローマスクを造り始める
ブレることなく、ただヒーローへの憧れを追い続ける海老名さん。
UWFに入門出来るほどの身体を我流で創り上げ、独学でマスクをデザインし造形する男は、ついに自らがヒーローとなるのです。
「超神ネイガー」でブレイク、ヒーロークリエイターの道へ
ミド編)そして”ご当地ヒーロー”の先駆けとなる「超神ネイガー」を生み出されました。
超神ネイガー
ご当地ヒーローを生み出した海老名さんはやがてヒーロークリエイターへ。
そして地元密着ヒーローの熱量を肌で感じたら、次は「世界」でその国に根差したヒーローを生み出そうと夢を拡げていきます。
「ヒーローを世界へ!」
日本国内には40年以上50年近くのヒーローの歴史があると語る海老名さん。日本はすでにヒーロービジネスのインフラが整っていると話します。
「上を目指すのではなく、まだ行き渡っていない地域に”ヒーロー”を根付かせたい」
海老名さんのチャレンジは留まることを知りません。
現在はタイでオリジナルのヒーローを生み出すべく活躍中。原作からヒーローマスクの企画デザイン、制作とまさに「ヒーロー」を生むための努力を惜しみません。
このチャレンジを行っている会社での、ご自身の肩書は「取締役ヒーロー(Chief Hero Officer)」なんだとか!
Thai MIRAIGAR Debut| World MIRAIGAR Project
「夢と勇気と笑顔を子供たちにプロデュースする」ことの意味
「本郷猛」と「伊達直人」完璧なヒーローを夢見た
ミド編)憧れは多くの人が抱いたと思います。でも、その憧れに向けて直向に行動し続ける強さは一体どこから来るのでしょうか?
昭和のコミックの主人公はみんな狂っていた!
「狂うほどに熱中すること」が大好きという海老名さん。
それを他人にも勧めるし、勧める以上は自ら率先してやらなければならないのだと。
ここで、海老名さんがいつも心掛けてきた考え方をご紹介します。読者の皆様にとって日々の参考になりましたら幸いです。

自身の考え方をいくつも持って、信念を貫く海老名さん
「足し算」を実践して引き出しを身に着けたら「掛け算」を実践
「一日3時間集中すれば、10年で一万時間に到達しますよね。」
でももちろん、ただ漫然と時間を過ごすこととは訳が違います。
人生は「振り幅」
「ご当地ヒーローのブレイク」はひとつの成功体験で「タイで新しいヒーローを生み出す」ことが次の挑戦領域。
新しいモノにチャレンジするときは常に批判を浴びる、けれど夢を掲げて実践を繰り返すことでこの現象も「振り幅」なのだと感じるようになったと話されます。
常に平常心で一歩づつ
海老名さんは常に平常心でいることを心掛け、そのために自宅近くに道場を設けています。
自分の心と体を磨くインフラを常に自分の環境に持っておく、そして毎朝のトレーニングを欠かしません。
仕事では、自身の理論で自分がまだ得ていないものを得るために集中した時間を、一日最低9時間はこなす(3時間ごとに休憩)と言います。
けれど、自分自身のデザインを造形するには過去のマニュアルが通用しない、そして子供たちが喜ぶ姿を思うだけで、制作しながらニヤニヤしてしまう、そんな心から楽しい日々なのだと笑って話されます。
数十年後、成長した世界各国の子供たちから海老名さんが「ヒーローの生みの親」として語り継がれる存在になる気がしてなりません。