ジョージ・フォアマン 「老いは恥ではない」45歳で2度目の世界ヘビー級チャンピオンとなった象をも倒すパンチを持つ男

ジョージ・フォアマン 「老いは恥ではない」45歳で2度目の世界ヘビー級チャンピオンとなった象をも倒すパンチを持つ男

1968年、メキシコシティオリンピックで金メダル獲得。 1973年、無敵のジョー・フレージャーを倒し世界ヘビー級チャンピオンになる。 1974年、モハメド・アリにノックアウトされ、やがてリングから消えた。 1994年、マイケル・モーラーを逆転KOで倒して再び世界チャンピオンなる。 アーチ・ムーアやロベルト・デュランなど40歳を超えても戦い続けたチャンピオンはいた。 しかしジョージ・フォアマンは10年間のブランクを経てカムバックし、しかも世界チャンピオンになった。 彼はその間、牧師をしていて、復帰の理由も慈善活動の費用を稼ぐためだった。 少年時代、小学校を留年し中学校を卒業できず犯罪にさえ手を染めた彼が・・・ 圧倒的な強さ、栄光、勝利、すべてを失うような敗北、そして奇跡のカムバック。 まさにアメリカンドリーム。


ジョージ・フォアマン青少年センター(George Foreman Youth and Community Center )は、講演料や寄付によって運営されていたが、やがてそれだけでは困難になってきた。
なんとか資金を集める方法はないかと考えたとき、ジョージ・フォアマンは思った。
「もう1度、世界ヘビー級チャンピオンになるんだ」
ジョージ・フォアマンは、もう1度、世界ヘビー級チャンピオンになるために10年ぶりに現役復帰すると発表した。
37歳。
145㎏。
25歳でジョー・フレージャーを倒し世界チャンピオンになったときより約45㎏増えていた。
この復帰には、家族を含めた世界中の人々が否定的で、不可能で、危険だといった。
信じているのはジョージ・フォアマンだけだった。

オリンピック以降、ボクシング用品はすべてスポーツメーカーから無償で提供されていたが、今回は自らスポーツショップに行き必要なものを選んで買った。
朝、車でジョージ・フォアマン青少年センター(George Foreman Youth and Community Center )から数㎞離れた場所まで送ってもらい、そこから走って帰る。
かつて世界チャンピオンになったときでさえ3㎞以上走ったことはなかったのに、5㎞、8㎞、10㎞と少しずつ距離を伸ばしていった。
そしてサンドバッグを打ち、ステップワークの練習、縄跳び、ミット打ち、スパーリング。
夜もルームランナーで走った。
その練習量はかつての全盛期を超えた。
プロボクサーは、試合を行う州で認可を受け、精神的・肉体的に不適格なボクサーはリングに上がれない。
ジョージ・フォアマンは、カリフォルニア州でカムバック試合を行うため、カリフォルニア州の体育委員会で審査を受けた。
メディカルチェックはクリアしていたが年齢を問題視する委員もいた。
しかし
「なぜまたボクシングがしたいのか?」
という質問に対して
「生きるため、自由のため、幸せになるためです」
というジョージ・フォアマンの答えを聞くと許可せざる得なかった。
最初はまともに相手にしないか、否定的だったマスコミも徐々に好意的な記事を書き始めた。

そして復帰戦のリングに向かうジョージ・フォアマンに、観客はスタンディングオベイション。
ジョージ・フォアマンは、これまで受けたことのない声援を受けた。
そしてスティーブ・ゾウスキーを4RTKOした。
その後も勝ち続け、復帰後24連勝23KO。
象をも倒すといわれた健在だった。
試合会場は満員となり視聴率も高かった。
記者にボクシングにおける脳の損傷について聞かれると
「俺はもうやられているんだ
だって4回も結婚したんだから・・・」
お金について聞かれたときは
「足の速い女と遅い馬のせいでなくなった」
以前のフォアマンなら絶対にいえないコメントだった。
そして彼はいった。
「俺を年寄り扱いするな。
夢を見ることができる者はなんでもできるということを教えてやる
俺は世界ヘビー級のチャンピオンになる夢をみたんだ。
誰も俺を止めることはできない。
俺は生きているし自由だ。
そして幸せになりたい。」
こうしてジョージ・フォアマンはファンに愛された。

The Battle of Ages(世代の対決)

1990年、WBA・WBC・IBF統一世界ヘビー級チャンピオン:マイク・タイソンが、東京でジェームズ・バスター・ダグラスに敗れた。
これで期待されたジョージ・フォアマンのマイク・タイソンへの挑戦はなくなった。
同年、ジェームズ・バスター・ダグラスはイベンダー・ホリフィールドに3RKO負けした。

1991年4月19日、新しくWBA・WBC・IBF統一世界ヘビー級チャンピオンとなった28歳のホリフィールドは初防衛戦の相手に41歳のジョージ・フォアマンを選んだ。
この試合は'The Battle of Ages(世代の対決)'といわれた。
ホリフィールドはパンチは危険なパンチを持つフォアマンと真っ向勝負し優勢に試合を進めて行き、3Rには左右の連打でフォアマンをグラつかせた。
5R、フォアマンは重いパンチでホリフィールドに冷や汗をかかせた。
7R、ホリフィールドが左右のフックを何発ももらいフォアマンは防戦一方になった。
9R、ホリフィールドの右がカウンターでヒットしフォアマンの体が大きく崩れた。
最終12R、ホリフィールドが少し距離をとってフォアマンの攻撃をフットワークとクリンチでかわした。
判定は116-111,115-112,117-110と3者ともホリフィールドを支持した。
ジョージ・フォアマンはいった。
「俺は逃げなかった。
堂々と戦った。
恥じる必要はない。」
心配された体力も闘志も最後まで全く衰えず激闘を戦い抜いた姿に全世界が感動し、その健闘を称える声は見事に防衛を果たしたホリフィールドを上回った。

45歳で2度目の世界ヘビー級チャンピオン

その後、ジョージ・フォアマンはジミー・エリスを3RKO。
アレックス・スチュワートに判定勝ち。
ピエール・クエッツァーを8RKO。
そして1993年6月7日、WBOヘビー級チャンピオンのタイトルをめぐってトミー・モリソンと対戦。
トミー・モリソンは、映画「ロッキー5/最後のドラマ」でロッキーの弟子トミー・マシン・ガンを演じている。
この試合で24歳の若者に判定負けした44歳は、その後1年以上試合をせず引退も囁かれた。

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