ジョージ・フォアマン 「老いは恥ではない」45歳で2度目の世界ヘビー級チャンピオンとなった象をも倒すパンチを持つ男

ジョージ・フォアマン 「老いは恥ではない」45歳で2度目の世界ヘビー級チャンピオンとなった象をも倒すパンチを持つ男

1968年、メキシコシティオリンピックで金メダル獲得。 1973年、無敵のジョー・フレージャーを倒し世界ヘビー級チャンピオンになる。 1974年、モハメド・アリにノックアウトされ、やがてリングから消えた。 1994年、マイケル・モーラーを逆転KOで倒して再び世界チャンピオンなる。 アーチ・ムーアやロベルト・デュランなど40歳を超えても戦い続けたチャンピオンはいた。 しかしジョージ・フォアマンは10年間のブランクを経てカムバックし、しかも世界チャンピオンになった。 彼はその間、牧師をしていて、復帰の理由も慈善活動の費用を稼ぐためだった。 少年時代、小学校を留年し中学校を卒業できず犯罪にさえ手を染めた彼が・・・ 圧倒的な強さ、栄光、勝利、すべてを失うような敗北、そして奇跡のカムバック。 まさにアメリカンドリーム。


ジョージ・フォアマンは、メキシコシティオリンピック、ボクシングヘビー級で勝ち進み、決勝戦の相手は、ソ連代表のイチオス・チェピュリス。
1969年、冷戦の真っただ中での米ソ対決となった。
フォアマンは、ガウンのポケットにアシスタントコーチがくれた小さなアメリカ国旗を押し込みリングに上がった。
そして試合に勝利したあと、四方に向け礼をするとき、その国旗を取り出して振った。

翌日、リチャード・ニクソンは大統領選挙のスピーチでいった。
「オリンピックのあの青年は我々に誇りを与えてくれた
彼は恐れることなく愛国心を表明してくれた」
さらに数週間後、ジョージ・フォアマンは、リンドン・ジョンソン前大統領と会見させてもらった。
通常なら何か贈られるべきところ、逆に盾を元大統領に贈った。
「リンドン・ジョンソン大統領へ
1968年、オリンピックヘビー級金メダリスト、ジョージ・フォアマンより
私のようなアメリカの若者に希望と威厳と自尊心を与えてくれた職業部隊の設立に感謝の気持ちを込めて」

しかし故郷では惨めな思いも経験した。
フォアマンは通った小学校で表彰式を受けた。
そして5番区を金メダルをぶら下げて歩いた。
しかし訪問先にはトミー・スミスとジョン・カーロスを称賛している人もいた。
彼らにとってフォアマンは裏切り者だった。
ある友人はいった。
「おい、兄弟たちがひどい目にあっているのに、よく自分だけ国旗が振れたな」
その後、ジョージ・フォアマンは、職業部隊の仕事に戻ったが、数ヵ月、リンドン・ジョンソンからリチャード・ニクソンに政権が移り、職業部隊のセンターは閉鎖された。

A MAN 哀しいくらい誇り高いソニー・リストン

ジョージ・フォアマンは、ボクシングトレーナーであり、マネージャーであり、プロモーターでもあるディック・サドラーと契約した。
日本はジム制で、プロボクサーは所属ジムと契約し、ジムが試合交渉やマネジメントを行う。
アメリカは選手は、トレーナーやマネージャー、プロモーターと個人的に契約を結ぶ。
ジムはあくまで使用料を払って練習をする場所である。
ディック・サドラーの傘下には、ソニー・リストンがいた。
ジョージ・フォアマンとソニーリストンは一緒にトレーニングした。
ソニー・リストンは生まれた年さえ正確にはわからない。
服も 靴も 食べるものもなく教育を受けることもなく父親に虐待されながら育った。
その背中には鞭を打たれた傷跡が残っていた。
暴力に耐えかね逃げ出した母を追うように家を出た。
武装強盗や警官襲撃など幼い頃から犯罪に手を染め19回逮捕された。
その間に刑務所でボクシングを覚えた。
身長184cmで213cmという長いリーチと周囲38cmという大きな拳、そして放たれる殺気にたくさんのボクサーが飲まれ倒されていった。
1962年9月25日、前チャンピオン:フロイド・パターソンを1RKOし世界ヘビー級王者となる。
1963年、再びフロイド・パターソンにKO勝ち。
1964年、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)の挑戦を受け、6回終了時棄権しTKO負け。
1965年、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)にリターンマッチを挑むが、初回2分12秒でKO負けした。
リストンは「最強」の男として称えられるより「最凶」と恐れ憎まれた。
「みんな俺に勝ってほしくねぇみたいだったんだ」
無口なリストンが フォアマンに告白した。
フォアマンはリストンに同情した。
リストンは 決して 冷酷でも残酷でもなく、深く傷ついた 誇り高い男だった。
フォアマンは もし自分も運命がもっと辛かったら自分もこうなっていたかもしれないと思った。
フォアマンは貧しいながらも愛情を受けてれ大人になった。

1971年1月5日、最後の試合に負けた半年後、帰省していた妻がラスベガスの自宅のベットの下でリストンが死んでいるのを発見した。
キッチンでヘロインが見つかり、リストンの腕に注射痕があった。
死因は、ヘロインの過剰摂取、心臓麻痺、マフィアに殺害されたなど諸説ある。
いつ生まれたかもわからない男は どうやって死んだかもわからなかった。
哀しいくらい誇り高いソニー・リストンの墓碑には「A MAN」とだけ刻まれている。

キングストンの惨劇

ジョージ・フォアマンは、1969年にプロデビュー後、13連勝11KO。
1970年も12連勝11KO。
1971年には NABF(北米)ヘビー級チャンピオンになる。
1972年は5試合して、すべて2Rで終わらせた。
ここまで37勝0敗34KOのジョージ・フォアマンは、1973年1月22日、WBA・WBC世界統一ヘビー級チャンピオン:ジョー・フレージャーに挑戦した。
ジョー・フレージャーは29戦0敗25KO。
鉄壁のディフェンスの低い姿勢から伸び上がりものすごいパンチを打つ。
何より肉体的にも精神的にもタフだった。
ジョージ・フォアマンは、ジョー・フレージャーを1Rに3度、2Rにも3度のダウンさせ、TKO勝ち。
その叩き潰すような試合内容から「キングストンの惨劇」といわれた。

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