パンクの女王“パティ・スミス”の成功の陰には、天才カメラマン“ロバート・メイプルソープ”の存在があった!

パンクの女王“パティ・スミス”の成功の陰には、天才カメラマン“ロバート・メイプルソープ”の存在があった!

1967年の夏、才能以外には何もなかったパティ・スミスとロバート・メイプルソープはニューヨークで出会い恋に落ちます。それから10年後にはパンクの女王と呼ばれるようになるパティ・スミスですが、その間、ロバート・メイプルソープは彼女を励まし続けます。そして、自身もカメラマンとして成功した直後に悲劇が訪れることに。愛と友情に満ちた2人の青春を綴ります。


パティ・スミス

クイーン・オブ・パンクと称され、今でも多くのミュージシャンに多大な影響を与え続けているパティ・スミス。
「キース・リチャーズの顔を持った女性ロッカー」と称された中性的な顔立ちとともに激しい歌唱スタイルが、70年代にニューヨーク・パンクシーンで注目を集め、一躍時の人となります。

さて、そんなパティ・スミスですが、けっして順風満帆というわけではありませんでした。

出生名:パトリシア・リー・スミス
生誕:1946年12月30日
出身地:アメリカ合衆国イリノイ州 シカゴ 
ジャンル:ニューウェイブ、パンク・ロック、アート・ロック 
担当楽器:ボーカル、ギター、クラリネット 
活動期間:1971年~現在

パティ・スミスは、1946年にシカゴで生まれ、ニュージャージーで育っています。10代頃のパティ・スミスはアルチュール・ランボーやボブ・ディランなどに憧れており、彼らの愛人となることを夢見ていたそうです。詩人に憧れていたのですね。

しかし現実は厳しく、パティ・スミスは21歳の時に女の子を出産するのですが、経済的に育てることが出来ず養子に出しています。

パティ・スミスが詩をはじめとして芸術活動を始めるためにニューヨークに移るのはそれから2年後の1969年のことです。
そしてそのニューヨークで運命の男性と出会います。ロバート・メイプルソープ。後に一世を風靡することになる芸術的なカメラマンです。

ロバート・メイプルソープ

後にコレクターがもっとも欲しがる写真を撮る男となるロバート・メイプルソープは、1946年ニューヨーク州ロングアイランドに生まれています。パティ・スミスとは同い年ですね。
ニューヨークのクイーンズで育ち、ブルックリンにあるプラット・インスティテュートでアートを学ぶのですが、その在学中にパティ・スミスと知り合っています。

出生名:ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe)
誕生:1946年11月4日
死没:1989年3月9日
出身地:アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランド

ロバート・メイプルソープ

2人が出会ったのは1967年の夏、共に20歳の時です。
アルチュール・ランボーやボブ・ディランのようなアーティストの愛人になることに憧れていたパティ・スミスにとっては、カメラマンとして歴史に名を残すことになるロバート・メイプルソープはうってつけの存在と言えるのでしょうが、当時は2人ともどこにでもいる無名の存在でしかありません。成功を信じていたにしても、お互いの将来のことなど想像すら出来なかったのではないでしょうか。
しかし、2人は付き合うようになります。

「パティ、僕らみたいに世界を見る奴なんて、誰もいないんだよ」ロバート・メイプルソープはパティ・スミスに出会った当初からそう語っていたそうです。
アーティスト同士、何か感じるものがあったのでしょうが、愛を感じるとてもいい言葉ですよね。

パティ・スミス&ロバート・メイプルソープ

パティ、僕らみたいに世界を見る奴なんて、誰もいないんだよ

何の当てもないまま、僅か16ドルのお金を握りしめてニューヨークに出てきたパティ・スミスは、ウエイトレスや店員などをしながら細々と暮らしていました。その生活ぶりはホームレスと変わらないほどに貧しいものだったそうです。

ある日、一晩だけでも泊めてもらおうと友人のアパートを訪ねたところ、友人は既に引っ越しており、代わりに住んでいたのがカメラマン志望の青年、ロバート・メイプルソープでした。
2人はこうして出会い、共同生活が始まりました。

パティ・スミス&ロバート・メイプルソープ

ロバート・メイプルソープは親身になって多くの悩みを抱えていたパティ・スミスを励まします。
つまり、「パティ、僕らみたいに世界を見る奴なんて、誰もいないんだよ」。ロバート・メイプルソープは口癖のようにこう言っていたそうです。

次第にロバート・メイプルソープらとの交流によって、パティ・スミスはアーティストの一員であることを自覚するようになります。
活動も詩作を中心としたものから、バックにギター、ピアノ、ドラムスと徐々にバンドの形態と変化していきます。

パティ・スミスの最初のシングルはロバート・メイプルソープが出資して自主制作された「
Hey Joe」です。

一方、ロバート・メイプルソープは次第にゲイに目覚めていきます。自分が何者なのか確かめたいということで、当時はゲイカルチャーのメッカであったサンフランシスコに行くことをパティ・スミスに提案します。
パティ・スミスは戸惑いサンフランシスコ行きを断ったものの、同性愛をテーマとした写真を撮るように勧めたのだそうです。

お互いの才能を伸ばしあっていた2人でしたが、別々の道を歩む日がやってきます。別れを切り出したパティ・スミスに「僕を捨てないでくれ」とロバート・メイプルソープは泣き叫んだとも伝えられています。

しかし、結果として2人が別れたことで、それぞれがそれぞれの道で成功することになるのですから、運命とは皮肉なものですね。

ホーセス

1972年に2人は別れてしまいます。その日はかつてパティ・スミスが愛人になりたいと憧れたアルチュール・ランボーの誕生日だったそうです。

その後、音楽活動を積極的に行うようになったパティ・スミスは、次第にニューヨークのアンダーグラウンドの世界で知られる存在となっていきます。

そして1975年に念願が叶いファースト・アルバムを発表します。

収録曲

 1. グローリア
 2. レドンド・ビーチ
 3. バードランド
 4. フリー・マネー
 5. キンバリー
 6. ブレイク・イット・アップ
 7. ランド
 8. エレジー

ホーセス

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