2025年、大阪万博の開催が決まったなら…その時に向けた提言コラム【頑張れ!大阪万博2025(第1回)】

2025年、大阪万博の開催が決まったなら…その時に向けた提言コラム【頑張れ!大阪万博2025(第1回)】

2025年、大阪万博の実現を徹底応援!1970年に開催された大阪万博(日本万国博覧会)当時の熱量と日本の底力を”ディスカバリー&フューチャー(温故知新)”としてコラム上に再現するとともに、2017年から2025年の日本社会を予測。人口構成や自然環境を考慮して大阪万博2025を実現に導く為の提言を展開します。


~序章(プロローグ)~

アサヒグラフ増刊号(1970.4.1)増刊号表紙

読者の皆様はじめまして、ミドルエッジライターの木原浩勝です。

2017年1月27日、私はミドルエッジ代表の松ちゃんと、ライターのマツド・デラックスと渋谷の喫茶店で会っていました。それは予てより、私が1970年大阪万博の熱狂と興奮をどこかで書き綴りたいと思いしたためていた草稿を披露した打ち合わせでした。

そして今回、2017年4月19日の打ち合わせ時点で2025年の大阪万博構想がさっぱり現実味を帯びていないことに心配した私と、ミドルエッジ代表の松ちゃんと、ライターのマツド・デラックスの三人は下北沢のカラオケ店で「万博好きやん(scan)研究所」を開設してみました。

なぜかって?それは、私がかつての大阪万博1970の盛り上がり……あの日本国民のお祭りとも言うべき熱狂や底力を直接目の当たりにした人間の一人だからです。

実は当時、父の会社が“富士グループパビリオン”の系列会社だったためにパビリオンの建設が他人事でなかったことが幸いして、山を切り開き土地を造り、会場が建設されていく大阪万博1970の様子をその時々に見てはワクワクする気持ちが長く続いていたのを憶えています。

そこはまさに現代なら自然環境破壊と言われかねない大工事が“21世紀の未来を創っている”現場だったのです。一緒になって遠目から見ていた人々も皆口々に「は~!これが21世紀が始まるっちゅうことかいな~……」と話していました。

大阪万博1970スタンプ

やがて時は流れ、いまやその21世紀!しかも四半世紀を終えて場所も大阪で再び!……だというのになんでしょうこの静けさは!?そりゃその手前の2020年に東京オリンピックを控えているのだから仕方ないのかもしれません。

だから私は考えた!松ちゃん、マツド・デラックスとともに先ずは馬鹿げた熱を発生させるためにミドルエッジのコラムで「万博好きやん(scan)研究所」を開設し、そこから2025年大阪国際万国博覧会開催を応援してみよう!と。

それには47年前の大阪万博1970について、精緻な数値データを基に様々な側面から当時の雰囲気を再現して読者の皆様と分かち合い、あの当時の熱意と底力を奮い起こしてみてはどうだ!と考えた。

……が!遠い過去に遡るより前に先ずは近づく未来。迫りくる現実に目を向けよう!と思い第一章に2025年に開催が叫ばれている大阪万博2025がいったいどのような姿となるべきかを大胆に(勝手に!)予想してみたいと思ったのであります。

だっていきなり過去の大阪万博1970の話から始めたのでは“何のために?”という目標がはっきりしなくて応援がしにくいんだもん。

とはいえ2025年に開催されるかどうかも不明な「大阪万博2025」を、2020年の東京オリンピックが開かれる3年前の現在(2017年)から考えるのだから、笑い話し的に読んでいただきたい……。いや、あえていえばその前提だからこそ好き勝手な予想をしたい。

大阪万博1970スタンプ

~第一章~

「そもそも」

私たちの世代、万博といえば1970年の大阪か1985年の筑波。若い人にとっては2005年の愛知、いずれも30年以上も前と12年前に開催されたものだが、どれも年代によって異なる夢(のようなもの)が詰まった博覧会だった。

なかでも万博といえば大阪。今から47年も前に開催されたこの博覧会は、開催地が大阪でありながら「日本万国博覧会」の名を冠されたアジアで初の国際博覧会である。

半年間の開催期間中に6,000万人以上、実に国民2人に1人以上が訪れた計算だったこの博覧会の規模と熱狂。

そして実現に至るまでの膨大な企画と計算、さらにはそれを支えた熱意と底力がこの日本にあった……。繰り返すように書いていると承知している。だがそれは現在を支える若い人たちの理解を超えているかもしれないほどのことだったからなのだ。

第一章より先のコラムは、1年間にわたり1970年の大阪万博を徹底的に(下らない視点で)読み解いて、2020年東京オリンピック閉幕後に大きく話題となるであろう(ただし2018年11月に大阪での万博開催が決定したらの話。この原稿の段階で日本側のヤル気はさっぱり不明)2025年の大阪万博に向けて、少しでも現実的に考えていただく役に立ちたいと、私たち「万博好きやん(scan)研究所」は考えている。

まっ、とりあえずは第一章として「万博好きやん(scan)研究所」が2017年時点で「2025年大阪万博の様々な姿」について、予想していきたいと思う。

※最大のライバル、フランス・パリは70年ぶりの開催に意気込んでいる※

1855年の第1回目パリ万国博覧会から1867年、1878年、1889年、1900年、1937年までのフランスで開催された計6回の万国博覧会の貴重な資料。

本資料は1992年発刊のフランス書籍。

「万国博覧会 図版による偉大なる年代記」(LES EXPOSITIONS UNIVERSELLES)

L'EXPOSITION UNIVERSELLE DE 1855

L'EXPOSITION UNIVERSELLE DE 1867

L'EXPOSITION UNIVERSELLE DE 1878

L'EXPOSITION UNIVERSELLE DE 1889

L'EXPOSITION UNIVERSELLE DE 1900

L'EXPOSITION INTERNATIONALE DE 1937

もちろんここから先、私たちは2025年に大阪万博が開催される前提で話を進めるが、2025年の万博開催地がパリに決まったとしても「万博好きやん(scan)研究所」は何らの責を負わないものとしていただきたい。それは念を押したくなるくらい、2025年の大阪万博開催が危ういからだ。

いかに日本が熱望しようとオールジャパンの一枚岩で立ち向かったとしても、開催地の競争相手がパリではいくらなんでも分が悪い。絶望的に……といっても過言ではない。

なんといってもパリは1947年を最後に70年間も開催されていない上に、日本は2005年に愛知万博をやったところなのだから……。

「わかってる!?日本!!」と思いながら、とにかく二人の協力を得て、プロローグと参りましょう。

大阪万博1970スタンプ

2025年大阪万博、その開催意義は……?

東のオリンピック開催後に西の万博……こんな巨大な計画が二度も企画されるなんて偶然なわけはない。きっと今度の万博の計画には他に「何か」あるはず……。が、とりあえずここでは2025年大阪万博の開催意義を考える。

東京オリンピックは日本オリンピックではない、東京だ!……って、それはどこの国の都市で開かれようが例外なく当然の話なのだが、いずれにせよ東京に大きな経済効果が集中するはず……。では大阪(西日本)の経済の活性化はどうするのか?

おそらく単純な話で、東京オリンピック後に想定される日本の経済停滞に大阪万博2025をカンフル剤とする……というものではないだろうか?

そして大阪万博2025の跡地やインフラをなるべく再利用してカジノ構想へとつなげて更なる経済効果の安定化を図る……といった「何か」だ。

少なくとも1964~1970年の日本の立場や状況、台所事情と現在は大きく異なると考えるべきなのだろう。

ところで万博が本当にカンフル剤となったのか?
一例として、1970年当時の大阪で寿司店をやっていた友人の父親を挙げてみたい。

大阪万博1970スタンプ

その結末はさておき、1970年に開催される前から急激に伸び始めて大阪万博の半年間にピークを迎えた経済効果は、小さな寿司店にさえそれほどのインパクトを与えたのだ。

それはデザイン事務所から広告関係、街の商店に至るまで……。
もちろん効果は一時的でない方がいいに決まっている。

だとすれば短期の東のオリンピック、半年間の西の万博。そこから長期的に日本初のカジノのアンテナショップ的オープンという連続する構想が立ち上がるのも無理はない。

そして出来るだけ大きく長く続く消費と生産。さらには流通による経済的活性化、来日外国人からの外貨獲得。
これがオリンピック閉幕後に訪れるであろう不景気、さらに進んでいるであろう少子化と確実に進む高齢化で税金の問題を抱えた日本の対策……いや開催意義ではないだろうか?とにかく1970年とは少々意味が違うのは明らかだといえる。

大阪万博1970スタンプ

ちょっと外貨獲得の可能性を見てみよう

1970年の日本人口は1億466万5千人。1970年の万博開催期間3月15日~9月13日(183日間)に会場を訪れた人々は延べ6,421万8,770人。内、外国人は約170万人。(この時代はまだ成田空港が開港していないにも関わらず)

この年、日本は海外への出国日本人数よりも訪日外国人数が上回った

ところが1970年以降、訪日外国人数が出国日本人数を上回ったのは実に45年後の2015年、ついこの間なのである。

「最近、外国の人をよく見かけるようになったね」などといっても……

この効果を考えて現在の大阪市近圏を見れば空港が関西・伊丹・神戸と三つも集中しているのだから海外からの玄関口としては申し分ない。国際と名の付く博覧会は是が非でも日本で、大阪で開催していただきたい。(こりゃ大阪万博とカジノ構想がセットになるわけだ)

ここまで何度”大阪”と書いてきたか分からないが、経済的活性化は何も大阪に限った事ではない。

大阪万博1970スタンプ

隣接する兵庫県・京都府・奈良県・和歌山県にとっては直接的な大問題なのだ

えっ?それってどれくらい大きい問題なのですか?……

ここでもう一つ、大阪万博1970の開催地となった大阪府吹田市の当時の人口を例にして、万博がいかに大きなイベントであったかを感じていただきたい。

1960年代に千里ニュータウン開発と、それに伴う大阪市内からの鉄道網の整備で人口が急増した吹田市。吹田市ホームページによると、1960年に116,765人だった人口が1970年には259,619人となっている。(10年間で人口が142,854人増……、たった10年間で倍以上の人口増加ってだけでも凄い)

一方、大阪万博1970の一日当たり平均来場者数はおよそ350,922人。ただでさえ人口急増で活況を呈していたであろう吹田市に、毎日その総人口の1.35倍に当たる人々が“万博来場者”として半年間、訪れ続けていたのだ。

例えるなら大阪市のベッドタウン吹田市に、毎日毎日「甲子園球場を7.4回埋め尽くす」人波が押し寄せていたということだ

しかもその内、外国人来場者が一日当たり約9,300人。

大阪万博1970スタンプ

更に言うならば吹田市の面積36.09㎢に対して、大阪万博1970の会場面積は3.3㎢。つまり市全体のわずか9.1%に当たる土地に、市の総人口の1.35倍に当たる人々が訪れていた半年間。

……このおそるべきとも言える活況、想像出来ますか?

万博来場者はもちろん大阪と大阪万博だけを楽しんだ訳ではないでしょう。近隣で食事もすれば宿泊もしたでしょうし、万博以外の観光やショッピングも楽しんだはず。更には万博の準備期間に近隣圏で働いた人々の数をも加えて考えたら、それはやはり隣接地域に莫大な経済効果をもたらしたであろうことが容易に想像出来るのです。

どうです?大きな問題なんですよ!大阪万博2025!!

もちろんこの数字が47年も前のモノだとは分かっている。
しかし、たとえ来場者数がこの半分であったとしてもオリンピックをはるかに凌ぐ数字なのだ。

当研究所所員一同(3人)は8年後の大阪に再びこんな活況が生まれたら……と、皆さんと共に考えてワクワクしたいのです!

開催地がパリになったら一体どうなるのやら……

大阪万博1970スタンプ

さて、次回のコラムでは大阪万博2025を「テーマ」から考えてみましょう!

木原浩勝Twitter

木原浩勝氏がワシントン・ポスト誌に語った日本アニメのこと、宮崎駿監督のこと。 - Middle Edge(ミドルエッジ)

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