映画からファッションを知ろう
その昔、ファッションは映画から学んでいたという時期がありました。流行は映画が生みだしていた時代です。各家庭にテレビがまだ普及していない頃の話ですが、そこまでいかなくとも映画からファッショの影響を受けたり、映画の衣装を担当したことで売れっ子のファッション・デザイナーになったりということは近年でもあります。
例えば、1961年公開の映画「ティファニーで朝食を」の衣装はジバンシィが担当しています。オードリー・ヘプバーンがジバンシィの服を気に入っていたということですが、他にも「麗しのサブリナ」、「おしゃれ泥棒」、「シャレード」などでもジバンシィの服を着たオードリー・ヘプバーンを見ることが出来ます。当時はオードリー・ヘプバーン人気もあって女性はこぞって同じ服を着たそうですよ。

ティファニーで朝食を
衣装を担当した映画が話題となり、ファッション界の帝王と呼ばれるまで上り詰めたファッション・デザイナーといえば、ジョルジョ・アルマーニが思い浮かびますね。
1980年の映画「アメリカン・ジゴロ」がそれですが、当時ジョルジョ・アルマーニはまだ無名に近い存在だったのです。

アメリカン・ジゴロ
現在では、ファッション誌やインターネットで流行を簡単に知ることが出来ますので、わざわざ映画館に足を運んでまでファッションの動向を知ることは少なくなってしまいましたが、それって寂しくもありますね。簡単に情報が収集できるということは便利ではありますが、味気ないです。
さてそんな中、伝説といっても良いファッション・デザイナーを取り上げた映画がいくつも作られています。映画で流行のファッションを知るのではなく、流行を作り出したファッション・デザイナーを映画で知るというのは、ファッションに興味がある方にとっては非常に面白いと思います。
アイザック・ミズラヒ
最初にご紹介するのは、NYの新進ファッション・デサイナー であるアイザック・ミズラヒのドキュメント映画「アンジップト」です。酷評された春夏コレクションから試練を乗り越え、秋冬コレクションを成功させるまでの苦悩と奮闘をとらえています。
シンディ・クロフォード、リンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベルといった世界的に活躍するスーパーモデルたちも出演し、ハイクラスなファッションの世界が活き活きと描かれています。
セレブたちの裏側の世界がリアルに分かって興味がつきません。

アンジップト
コレクション準備期間中はモノクロの画面がフィナーレの大成功を納める頃にはカラーに変化していく変化も見物。
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ココ・シャネル
今も昔も人気のブランド「シャネル」、そのデザイナーであるココ・シャネルをモデルとした映画は1981年の「ココ・シャネル」をはじめとして、2008年「ココ・シャネル」、2009年「ココ・アヴァン・シャネル」、2009年「シャネル&ストラヴィンスキー」と流石に人気があるだけに映画もいろいろと制作されています。
今回ご紹介すのは2008年のアメリカのテレビ映画「ココ・シャネル」です。シャネルを演じるのはシャーリー・マクレーンです。シャーリー・マクレーンといえば、「アパートの鍵貸します」や「あなただけ今晩は」などで知られ、1983年の「愛と追憶の日々」ではアカデミー主演女優賞を受賞している実力派です。
シャネルの「私は流行をつくっているのではない。スタイルを作っているの」という名言もシャーリー・マクレーンが発すると流石に説得力があります。

ココ・シャネル
Amazon | ココ・シャネル [DVD] | シャーリー・マクレーン, バルボラ・ボブローヴァ, マルコム・マクダウェル, セシル・カッセル, ヴァレリア・カヴァッリ, ブリギッテ・クリステンセン, ジャン=クロード・ドレフュス, マリーヌ・デルテルム, アニー・デュペレー, ヴァンサン・ネメート, オリヴィエ・シトリュク, サガモール・ステヴナン, クリスチャン・デュゲイ | 伝記 | DVD 通販
カール・ラガーフェルド
シャネルとくれば、次はやはりカール・ラガーフェルドですね。1983年にシャネルのデザイナーに就任し低迷していたシャネルを復活させました。シャネル以外にもフェンディ、クロエ、自身のブランドのデザイナーを兼任しそれぞれ大成功させ、カリスマデザイナーとしてモード界の頂点に君臨しています。
それほどのデザイナーであるにも関わらず、ガリアーノの服が着たいためにダイエットをしたり、クロムハーツのリングを全部所有している程のクロムハーツコレクターでもあったりと、他のデザイナーの作品に興味を持っているとところが面白いですね。
「ファッションを創る男 -カール・ラガーフェルド-」は、そんなカール・ラガーフェルドの仕事とプライベートに密着したドキュメント映画です。

ファッションを創る男 カール・ラガーフェルド
イヴ・サンローラン
トップデザイナーとして40年にもわたり20世紀のファッション業界をリードした「モードの帝王」ことイヴ・サンローラン。帝王だけあって映画も2010年のドキュメンタリー映画「イヴ・サンローラン」、2014年には「SAINT LAURENT/サンローラン」などが制作されていますが、ご紹介するのは2014年のピエール・ニネ主演による「イヴ・サンローラン」です。
成功の陰で孤独と重圧に押しつぶされそうになっているイヴ・サンローランの繊細で複雑な内面を見事に描いています。
また、ピエール・ベルジュ-イヴ・サンローラン財団が所有する衣装の数々はこの映画の大きな見どころとなっています。

イヴ・サンローラン
バレンチノ
最後にもう一人、バレンチノをご紹介しましょう。イヴ・サンローランが「モードの帝王」ならバレンチノは「皇帝」です。そう言えば、ジョルジョ・アルマーニは「ファッション界の帝王」でしたね。
これだけでファッション業界は、恐ろしいところだという感じが伝わってきます。美しく、カッコイイ服を生み出すことが如何に大変であるかということでしょう。
映画は、ファッション業界の裏側と天才デザイナー・ヴァレンチノの姿を描いたドキュメントで、常に自己主張をし続ける個性的なアーティストたちだけがヴァレンティノとコラボすることが出来るという強烈な世界を描き出しています。

バレンチノ 最後の皇帝
世界で活躍するファッション・デザイナーは、みんな個性が強く波乱に富んだ人生をおくっていますね。将来デザイナーを目指している方は是非とも本編を観られることをお勧めします。