三国志には「正史」と「演義」が存在する
私たちが吉川英治の小説や横山光輝の漫画で好きになった「三国志」。
これは一般的に「三国志演義」と呼ばれているものです。
まずはその成り立ちの違いから。
「三国志演義」は劉備たちの生きた時代から約1100年も後の時代、明の時代に書かれた歴史「小説」です。
小説なので多少の虚実や作り話が織り交ざり、事実7虚構3割と言われます。
対して実際の歴史となると陳寿の書いた歴史書、正史に認定されている
通称『三国志』と南北朝の時代に裴松之という人物がそれに入れた注釈が
虚構の無い(とされる)普通の歴史となります。
史実「三国志」と小説「三国志」
三国志 - Wikipedia
三国志正史
三国志 - Wikipedia
三国志演義
三国志 - Wikipedia
魏が正当な「正史」、蜀を正当とする「演義」
史実をドラマティックに脚色した演義
正史と演義で決定的に異なるのは、正史が曹操を正当な支配者としているのに対し、演義は劉備を正当であるとしている点です。
史実では三国時代のきっかけとなったのは曹操であり、革命者・軍学者などの面をでも曹操が人物、劉備は一勢力に過ぎません。
ではなぜ演義では劉備を英雄化するのでしょう。
これについては小説として支持を得やすい対立構図としての「判官びいき」ということでしょうか。
民衆とすれば、曹操という巨大な存在に立ち向かった劉備を格好よく描くことでスカッとしたかったのでしょう。
ギャップ① 「趙雲」
ギャップ② 「曹操」
ギャップ③ 「孔明」
その他「正史と演義の違い」の一部
演義における主な脚色部分
http://giennoyabou.web.fc2.com/neko/5c.htm
いかがでしょうか。
当然のことながら「演義」が多くの大衆の心を惹きつけたのには、それなりの脚色があったということなのでしょうね。
もし「正史」に興味がある方は陳舜臣の「秘本 三国志」をおススメいたします。