『ガンプラり歩き旅』その8 ~ガンダム強化スーパー合体メカ登場!~

『ガンプラり歩き旅』その8 ~ガンダム強化スーパー合体メカ登場!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする新企画連載の第8回は、一時期は、映画版とガンダムメカマニアの間では存在を抹消されていた、テレビ版でのガンダム強化合体スーパーメカ、Gアーマーの登場です!


妥協の産物の、かぶせ式コアブロックだけど、いざ装着してみると、やはりこれもアニメイメージに非常に近い

Gアーマーの名シーンといえば、上でも書いた「スレッガー中尉の特攻殉職シーン」であり、ここも当然、映画版だとコア・ブースターと差し替えられているのだが。
ここでの、対ビグ・ザム戦の大まかな決着の流れから解説すると以下のようになる。
まずは、ビグ・ザムに向かって迂闊に近付けないアムロのガンダム。そこでスレッガー機が突破口を開くが、ビグ・ザムが、なぜか足の爪に装備していた対空防御(笑)によってスレッガー機が撃墜。しかし、その突破口を使ってガンダムがビグ・ザムに直接攻撃を仕掛けて倒す、と、こうなる。

Gファイター。皆勘違いしてるけど、映画版でコア・ブースターの出番に差し替えられたGメカ形態は、ほとんどがこのGファイター状態であって、Gスカイはあんま出番はなかった

この流れは、劇場版『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』(1982年)だと、コア・ブースターが登場するため、ただただ、スレッガーが突破口を開こうとして、いきなり突撃特攻をしただけにしか見えないのだが。
元のテレビ版だと、そもそもGアーマーはガンダムを格納して運搬するサポートメカでもあるという前提が最大限生かされ、驚異のビグ・ザムを倒せる戦力はガンダムしかないと的確に判断したスレッガーが、ガンダムを格納した状態のGアーマーでビグ・ザムへ向けて特攻を仕掛け、自らは犠牲になりながらも大破したGアーマーからガンダムを放出して、ビグ・ザム接近戦空域に送り込むことに成功。そこでガンダムが白兵戦でビグ・ザムを討つという、人間ドラマとメカニックギミックと戦術論が、見事に融合した名シーンなのである。

というわけで、あえてGファイターとGスカイを並べてみる。ちなみにGファイターのキャタピラ収納機能は、さすがに当時のプラモでは再現できなかったので、今回は2つキットを買って、片方をキャタピラ無しGファイターで固定制作!

富野監督は、伊達にロボット嫌い、玩具CM嫌いのロボット漫画監督ではないのだ。
嫌いであればこそ、業務として与えられた「玩具販促」を、どこまでハイレベルでやってみせながら、玩具屋の商魂を満たしつつ利用するのかの戦略の巧さである。
ガンダム以降の、ポストガンダムを狙ったリアルロボットアニメが、ことごとく失敗に終わったのは「実は冨野監督は、しっかりとロボット玩具のCMの役目も果たしつつ、高度な人間ドラマを撮ったから」という前提をガンダム大ヒットの分析に組み込まなかった人材しかいなかったからである。

なので、Gファイター、Gスカイ、Gブル3機のそろい踏みまでは再現可能! テレビじゃ絶対、富野監督がやらない絵面

閑話休題。
そういう、大人の事情やら、玩具会社のスキルの違いやら、CMを任されたカントクの才能とかが、山ほど詰まった素敵メカ・Gアーマー。
もう何が素敵かって、この1/144 Gアーマーの箱には、でかでかと「G・アーマー」と商品名が書かれてる脇に、「ガンダムパワーアップ」「変化合体精密設計」とのサブテキストが書かれていて、筆者が持っていたキットが当時品であったというのもあってか、懐かしのバンダイ万歳マークとワンフレームに収めて撮影してみると、うん、素敵なまでに、この箱の横には「童友社 宇宙戦車 アトラス」とか「アオシマ できるホビー 合体ロボット マッハバロン」とかを並べたくなってくる。
少なくとも、80年代の田宮MMシリーズやハセガワ製スケールモデルの棚の隣には、置いてはいけない気配がガンガン伝わってくるのだ(そりゃガンプラを毛嫌いするスケールモデラーさんも多かっただろうなぁと、察するしかない)。

今、格納庫から出撃するGアーマー!

肝心のキット内容の方は、これまで積み上げてきた「SFスケールモデルとしてのガンプラ」「アニメ劇中のギミックを全部再現する、アクションとプロポーションを完全再現するガンプラ」のスピリッツはハイテンションで維持されつつも、どうにもこうにも「玩具仕様にするしかない処理」に苦しんだ形跡が各所に伺える。
現代のガンプラならば、Zガンダムの変形もVガンダムの合体変形も再現できるほどの、超精密ハイテク組立てフィギュアと化している技術力と、アニメのデザインとギミックに辻褄が合わなければ、即座にデザインの方を“リファイン”や“解像度を高くする”という魔法の呪文を使う事とで、再現可能な立体にすることが可能である(実際、1/144 Gアーマーは、2005年にHGUCで発売されている)。
また、Gアーマーというメカ自体、ウルトラマンシリーズにおけるガラモンのように、各ブランドの技術アピールのフラッグアイテムにもなっており、GFFやMIAなど、既存のガンダムフィギュアシリーズでは、それぞれにデザインを今風にリファインしては「全形態を再現!」仕様で(しかし、だいたいのアイテムでは差し替えや、アニメとは違うギミックが使用されて)発売されている。

水中から発射された、グラブロのミサイルを避けて飛ぶGアーマー!

しかし、こと「アニメの各シーンで登場したGアーマー各形態の再現」に関しては、なんだかんだ言いつつ、このガンプラブームピーク時(ガンプラブーム社会現象を象徴する、千葉県松戸でのガンプラ購入将棋倒し事件が、翌1982年の年頭1月に起きる)の1/144(と1/250)の当時版Gアーマーが、最初にして頂点だとも言い切れる。
Gスカイ時とGブル時のコア・ファイター、コアブロックこそ差し替え式(Gブルのコアブロックは逆かぶせ式?)だが、それ以外はGアーマーAパーツ、Bパーツ、ガンダムAパーツ、Bパーツ、底面キャタピラの、基本5ブロック構造をアニメ設定を極力なぞりながら、全ての形態を再現しているのは流石というしかない(第32話『強行突破作戦』で登場した、“GアーマーBパーツを、前後逆に穿いたガンダム”は、アドリブすぎる運用であったためか、再現は出来ないが)。

セイラ「アムロ! いくわよ! ガンダム・ボルトアウト!」
アムロ「了解」

内蔵する1/144ガンダムは、元々のガンプラ第1号ガンダムの金型製とはまた違ったものではあるが、そこで新規金型のガンダムを用意する理由が、AパーツとBパーツで分離できるようにするためと、下半身をBパーツに収納する際に、つま先を可能な限り伸ばさないと、内部で干渉してしまうからであり、多少各部のエッジがシャープになっていたり、顔の目つきも鋭くなっていたりといった改修はあるが(それゆえ、通常の1/144が蓄えていた“安彦っぽさ”は軽減されている)、基本コンセプトや造形スタンスそのものには変化は見られない。

Gファイターの2連装ビームキャノンの破壊力は、ガンダムのビームライフルをしのぐ!

Gメカ各形態も、Gファイターの時にキャタピラが収納されないので(というか、このキットの合体や変形のシステムの多くは、そのキャタピラユニットパーツが他のパーツを連結して成り立つ構造が多い)、どこか「空飛ぶ戦車」チックになってしまっているが、それ以外は概ねアニメ設定に準じたイメージで各形態が完成する。
キャタピラユニット部は、4か月前に発売した1/144ガンタンクのノウハウが活かされていて、ゴムパーツ製のキャタピラを動輪にぐるりと巻く方式。また、GアーマーBパーツの両サイドの主翼付可動部分は、Gファイター時とGアーマー時の、それぞれ180度逆の位置で固定できるように、接続部が工夫されている。

ゴッグ対策で、ベルファストの街に出撃するGブル。うん、戦車にしちゃでかすぎるぞ!

キットのランナー色分けもそこそこ優秀だが、ホワイトベース同様に赤ランナー部品の色味が安っぽいことと、本来ミディアムブルーで塗られるべき武装やノズル部分と、本来キャラクターブルーで塗られるべきメインボディ部分とが、その両方のちょうど中間のブルーグレー色のランナーで一括にまとめられていること、白いランナーはあるが、そのランナーの部品の殆どは、ガンダム用のパーツで占められていること、Gアーマーのビジュアル的に絶対外せない「機首の白」が白ランナーには無く、Aパーツメインボディで一体化され、ブルーグレーランナーに組み込まれていること、そもそもトリコロールカラーの一端を担うべき黄色のパーツが、全部白ランナーに放り込まれていること、等々から、今回もホワイトベースに引き続き全塗装を決意。
基本的には、キャラクターブルー、キャラクターレッド、イエロー、ミディアムブルー、クールホワイト、艶消し黒で、各部を塗り分けた。

今回は、同梱されているガンダムやコア・ファイターに別の使い道も思いつき、またキャタピラ収納状態のGファイターも、独立して別個に作りたかったため(AパーツとBパーツを連結するキャタピラユニットを使ってAパーツとBパーツを繋げないと、Gファイター形態にならない)、当時品とは別個に、最近再販されたもう一つを購入して、Gファイター単独形態を別に作っておいた。

というわけで、もう一度3形態揃ったところを別角度から。合体ロボット強化パーツって、オトコノコの夢だよなぁ!

ガンプラの驚くべきところは、36年前の商品が、36年前の値段のままで再販されるところにもあることはガンプラマニアには有名だが、ずっと現役でスパンを開けながらも再生産され続けているので金型の摩耗も激しいのか、砲身の可動や回転可動軸部分などは、今年の再販版よりも金型が新品だったころの当時品版の方が、保持力が高いという結論に今回は至った。

なんにせよ、意外とガシガシ変形させたり合体させたり遊べるのは、実はイマドキのハイエンドなキットではなく、こっちの方だというのが現実論。
まぁ、金型が劣化しているので、プラのへたりやヒケはひどいんですけどね(笑)
キャタピラユニットさえ破損しなければ、各形態、結構ピシッと決まってカッコいいです、ハイ。

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