ロックンロール黎明期、共に切磋琢磨し、音楽の質を高めあった三人の神様たち!!

ロックンロール黎明期、共に切磋琢磨し、音楽の質を高めあった三人の神様たち!!

1950年代、アメリカの音楽界においてロックンロールが産声をあげようとしていた時に、颯爽とどこからともなく3人の創始者と呼ぶにふさわしいロックンローラーが華々しく活躍しだした。チャック・ベリー(Chuck Berry)、リトル・リチャード(Little Richard)、及び、ファッツ・ドミノ(Fats Domino)である。この3人は互いに持ち歌をカヴァーするなど、共に切磋琢磨し、ロックンロールをより高みへと導いた、言わばロックンロールの神様3人衆として現代のロックンロール信奉者やミュージシャンなどから崇められている。 3人の足跡を楽曲と共にご紹介します。


私が以前、ミドルエッジで書いた記事の中に”フィリー・サウンド”についてのものに若干、”ロックンロール”に関して言及したことがある。結果を先に言うならば、”フィリー・サウンド”も”ロックンロール”も元はアメリカの黒人たちが黒人のために、作っている黒人の大衆音楽であった”ブラック・ミュージック”から派生したものなのである。

17世紀にアメリカに宣教徒がやってきて、また、アフリカから奴隷が連れて来られて、ゴスペルとブルースという音楽形態ができる下地ができた。

ゴスペルは教会音楽、ブルースは日々の生活を歌った日常音楽である。これらの音楽は、それぞれに発展してきたが、20世紀に入って、微妙に混ざり合うようになる。

そして、1940年代までに、ブルースとゴスペルを合わせ、しかも、強いビートを持った黒人の音楽が誕生している。その音楽は、当初はレース・ミュージックと言われていたが、1949年に「リズム&ブルース」という名前で呼ばれるようなった。このリズム&ブルースに注目した白人音楽家がそれを真似て、”ロックンロール”というものを生み出し、これが世界的にヒットするようになったのである。

ロックンロール(Rock'n'Roll)とは何か??

『ロックンロール!!』で有名なおじさん!!ベイビー!!!!

ロックンロールな内田裕也

人種差別解消の一助になっと言われる”フィリー・サウンド ”をもう一度、あの人に聞かせたい!! - Middle Edge(ミドルエッジ)

ロックンロールは造語だった?!

ロックンロール(Rock'n'Roll)という言葉自体は、1950年代初頭にラジオDJであったアラン・フリードが考案し、広めた“造語”であった。

ロックンロールの特徴は黒人音楽であるR&Bの均等なエイト・ビート、ブルースの一種であるシャッフル、ジャズの一種であるスウィングなどのリズムに、ブルースのコード進行(AADAEDAEのようなコード進行)や音階(スケール)を応用した楽曲構成になっている。また、それらの特徴に白人音楽カントリー・アンド・ウェスタンの要素を少し掛け合わせたものとされている。

ちなみに、”ロックンロール”とは、もともと黒人たちのスラング「Rockin' Rollin' Wheelin'」からきていて、これはセックスの隠語だったそうです。

”ロックンロール”とロカビリー”の違いって何なの??

アラン・フリード

ロックンロールとよく似た言葉で”ロカビリー”があるが、ロカビリーとロックンロールの境界線は曖昧で、ロックンロール、ロカビリー好きの永遠の課題と言えるかもしれない。エルヴィス・プレスリーが「キング・オブ・ロックンロール」「キング・オブ・ロカビリー」と呼ばれるように、ロックンロールとロカビリーは微妙なところで同義語でもあり、異義語でもあると言える。

厳密に分けるとすれば、白人音楽のカントリー・アンド・ウェスタンの要素が特に強いものを「ロカビリー」、黒人音楽のR&B要素が特に強いものが「ロックンロール」とされている。

ロックンロールの神様3人衆!!

上記に言及したフリードのラジオ番組は黒人は勿論のこと、白人の若者たちからも絶大な支持を集め、またたく間に”ロックンロール”が広まっていったのである。この時、特に人気を集めていたのがチャック・ベリー(Chuck Berry)、リトル・リチャード(Little Rechard)、ファッツ・ドミノ(Fats Domino)であるが、ロックンロールの発明者であり神とまで言われている3人の黒人たちであった。

チャック・ベリー(Chuck Berry)

独特のギター奏法とギターを弾きながら腰を曲げて歩く「ダックウォーク」が話題となった。

チャールズ・エドワード・アンダーソン・ベリー(Charles Edward Anderson Berry、1926年10月18日 - 2017年3月18日)は、1926年にミズーリで誕生した。20代初めで結婚し子供が誕生したため、家族を養うために工場などで働くと同時に、臨時収入を得るため、地元のバンドでブルースやR&Bをプレイし始めた。

1955年、シカゴを訪れた際、ブルース・シンガー、ギタリストであったマディ・ウォーターズから勧められ、チェス・レコードと契約し、後にロックンロール最初の曲の1つと呼ばれるようになる「Maybellene」をレコーディングし、ヒットさせ、翌年、「Roll Over Beethoven」が誕生した。その後、「School Day (Ring! Ring! Goes the Bell)」、「Rock And Roll Music」、「Sweet Little Sixteen」、「Johnny B. Goode」、「Carol」など、ロック史上最も重要な曲をいくつも世に送り出している。

ベリーのサウンドとスタイルは、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズ、ジミ・ヘンドリックスら多くのミュージシャン――この世の全てのロックンローラーと言ってもいいだろう――に影響を与え、ジョン・レノンはかつて、「ロックンロールに別の名前を付けるとしたら、“チャック・ベリー”だ」と表したぐらいである。

2017年3月18日、ミズーリ州セントチャールズの自宅で亡くなった。90歳だった。地元の警察によると、意識がないとの通報により12時40分に駆け付け、救命措置を施したが、回復することはなく、13時26分に死亡が確認されたという。ご冥福をお祈り致します。

チャック・ベリー

リトル・リチャード(Little Rechard)

リトル・リチャード(Little Richard、1932年12月5日 -  本名:リチャード・ウェイン・ペニマン(Richard Wayne Penniman))はジョージア州メイコンの黒人の家庭に生まれるが、同性愛者であるため、実の父親に疎んじられて白人の家庭へ養子に出される。 体が小さく細身だったので愛称の「リトル・リチャード」と呼ばれていた。
彼の祖父はセブンスデイ・アドヴェンチストと呼ばれるキリスト教宗派の牧師で、当然彼は幼い頃から厳格な教育の元で育てられました。ところが、そんな厳しいしつけのわりには、彼の父親はウイスキーの密造で逮捕されており、孫の彼自身もそんな家庭環境に反抗するかのような近所でも有名な悪ガキだったという。彼の心の中では、幼い頃から「聖と俗」の激しい葛藤が繰り返されていたに違いない。

幼い頃より皿洗いの仕事をしながら歌い続け、ついに1955年、スペシャルティ・レコーズからデビュー。「トゥッティ・フルッティ (Tutti Frutti)」、「のっぽのサリー (Long Tall Sally)」、「ルシール (Lucille)」、「リップ・イット・アップ (Rip It Up)」、「ジェニ・ジェニ (Jenny, Jenny)」、「グッド・ゴリー・ミス・モリー (Good Golly, Miss Molly)」といったヒットを飛ばす。エネルギッシュな歌唱法で、草創期のロックに決定的な影響を与えた。激しいアクションでピアノを弾く姿も話題となった。

リトル・リチャード

ファッツ・ドミノ(Fats Domino)

ファッツ・ドミノ(Fats Domino, 1928年2月26日 -, ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ)は、R&Bとロックンロールの歌手、作曲家、ピアニスト。本名は、アントワーヌ・ドミニク・ドミノ。1950年代から1960年代初期にかけてアメリカで最も売れた黒人歌手のひとりである。ストライド奏法とブギウギの影響を受けた独自のブルース調のスタイルでピアノを演奏し、白人の演奏家や歌手にも多大な影響を与えた一人として数えられている。
彼のヒット曲は、"Blueberry Hill"、"Ain't That A Shame"、"Walking To New Orleans"、"I'm Walkin'"、"Blue Monday"などミリオンセラーになった曲だけでも23曲に上る。また、多くのミュージシャンたちが彼の曲をカヴァーしているが、エルビス・プレスリーもその一人であった。

ファッツ・ドミノ(Fats Domino)

ロックンロールの終焉

このようにロックンロールの旋風が50年代末まで吹き荒れていたが、何せ50年代のアメリカにはまだまだ人種差別の風潮が色濃く残っていて、1958年頃から白人中産階級により黒人音楽をルーツに持つロックンロールが一般向けのラジオ放送で演奏される事を嫌悪し、ロックンロール追放運動が起こり、一方で保守的な黒人キリスト教徒からも神聖であるべきゴスペルが教会から持ち出され商業的に味付けされる事への反発が起き、不買、不売、焚盤など一種迫害にも近い「ロックンロール狩り」が全米各地で発生する。同時に音楽産業の変化に伴う「ロックンロール産業」の商業化とあわせ、主要ミュージシャンが徴兵・死亡・懲役などで次々とシーンを去ったことからアメリカでのロックンロールは次第にその勢いを失い、残った主なミュージシャンもヨーロッパにその活動の舞台を移していった。しかし、後に、「イングリッシュ・インベージョン」と言って、ヨーロッパに移り、進化したロックンロールは、特にイギリスからアメリカに反転攻勢をかける原因のひとつになったと言わざるをえないのである。

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