2 Tone
1980年、いきなり日本を2トーン・ブームが襲いました!誰もかれもがモノトーン・ファッションに身を包み、夜な夜なディスコやライブハウスに通ったものです。
因みにコム・デ・ギャルソンやY'sといったブランドが全身黒一色の服を発表し「カラス族」などと呼ばれブームになるのはこの後のことです。
音楽好きの間から始まった市松模様やストライプのモノトーン・ファッションはあっと言う間に日本全国津々浦々に浸透していきました。もうその頃になると音楽とは切り離されていましたが、モノトーンといえばスカ、スカが流行ったのです。
スカとは、1950年代にジャマイカで生まれた2、4拍目を強調したリズムが特徴の音楽、及びそのジャンルです。
何故スカだったのかといえば、1979年に作られたイギリスの「2TONE」レーベルからの影響です。2トーンのスカはパンクとスカを融合したサウンドとなっており、ジャマイカのスカとは区別されています。荒々しい感じが時代とあっていたのでしょうが、なにより、2トーンからは魅力的なバンドが一斉に出てきたというのがブームになった原因のひとつだと思います。
それでは日本でも大旋風を巻き起こした「2TONE」レーベルの代表的なバンドをご紹介します。
The Specials
スペシャルズ
2TONEを代表するバンドといえば、何といってもザ・スペシャルズです。だからといって彼らのファッションはモノトーンでも2トーンでもありません。ファッションはとてもモッズ的ですね。
それはともかく、ザ・スペシャルズのファーストアルバムは1979年リリースの「スペシャルズ」で、2枚目のアルバム「モア・スペシャルズ」を翌年にリリースして解散しています。短命でしたが、最後のシングル「ゴースト・タウン」は全英1位でしたから惜しまれながらの解散でした。
最後のシングルの出来が良かったことからも分かるように2枚目のアルバムは素晴らしい作品となっているのですが、デビューが鮮烈だったからでしょうか、ザ・スペシャルズを語る際にはどうしてもファースト・アルバムが取り上げられます。しかも日本では、当時ザ・スペシャルズで踊っていた人たちにとっては、シングル・カットされ英国1位となった「トゥ・マッチ・トゥ・ヤング」よりも、「かわいい悪魔」です。
因みに、ファースト・アルバムのプロデュースは、エルヴィス・コステロがやっています。
そして「2TONE」レーベルは、メンバーのジェリー・ダマーズによって興されました。
The Selecter
ザ・セレクターの魅力が楽曲にあるのは勿論ですが、その魅力を最大限に引き出しているのが紅一点のボーカリスト、ポーリン・ブラックです。彼女の存在なしにザ・セレクターを語ることは出来ません。
ザ・セレクター
今でも忘れたころに活動しているザ・セレクター。定期的に活動していないのが残念ですが、とても良いバンドです。編集盤がやたらと出ていますが、ザ・セレクターといえば、やはり全英5位となったデビュー・アルバム「Too Much Pressure」がお勧めです。
Too Much Pressure
The Beat
Just Can't Stop It
ザ・スペシャルズ、ザ・セレクターに続く「2TONE」3つ目のバンドがザ・ビートです。ファースト・アルバムは1980年にリリースされた「Just Can't Stop It」ですが、ジャケットを見て頂くとお分かりのように、「2TONE」のロゴマークがない!
そうなんです。「2TONE」を代表するバンドととして紹介されることの多いザ・ビートですが、デビュー曲のみが「2TONE」で、それ以降は自分たちのレーベル「ゴー・フィート」を作って移籍しているんです。
「2TONE」から出たデビュー曲はスモーキー・ロビンソンの名曲「The Tears Of A Clown/涙のクラウン」で、全英6位のヒットとなっています。
Madness
ワン・ステップ・ビヨンド
そして最後にご紹介するのが、最重要スカ・バンドであるマッドネスです。日本ではホンダのテレビCMに使われお茶の間デビューを飾りました。