Alcoholic Drinks

お酒が似合うロック・ミュージシャンって結構いますね。一昔前には、お酒、タバコ、ドラッグはロック・ミュージシャンのトレードマークのような時代もありました。
最近ではドラッグは勿論のこと喫煙家でさえ肩身の狭い思いをする時代ですが、いまでもお酒をこよなく愛するミュージシャンは後を絶ちません。
しかし、違法ではないとはいえ、飲みすぎて死亡してしまったミュージシャンも珍しくはありませんし、死なないまでもアルコール中毒に陥ったミュージシャンは古今東西数知れず。
その一方でアルコールで喉が焼け、かえって魅力的な声になったというケースも多々ありますね。ミュージシャンと言うのはハードな職業ですから、リラックスするためにも気分転換の一杯が必要なのでしょう。
それにしても60~70年代に活躍した酒好きミュージシャンたちは豪快でした。
と言うことで、お酒の好きなミュージシャンを集めてみました。お酒にまつわるエピソードと共にお楽しみください。
Southern Comfort

ジャニス・ジョプリン
さて、最初に登場して頂くのはジャニス・ジョプリンです。1960年代を代表する女性歌手のひとりで、今でも絶大な人気を誇っています。20歳の頃から麻薬の常習者となっていたジャニス・ジョプリンですが、その頃から麻薬と同時に大量のアルコールを摂取していたようです。特徴のある歌声は、タバコとお酒の影響がありそうですね。
何となく以外な感じがしますが、ジャニス・ジョプリンのお気に入りはリキュールです。「サザン・カンフォート」というアメリカを代表する銘柄を好んでいたそうです。ビールか何かをガブガブ飲んでいるイメージがありますが、カクテルが好きだったのですね。
人気絶頂の1970年10月4日にハリウッドにあるランドマーク・モーター・ホテルで、オーバードースにより亡くなっています。27歳という若さでした。
ジャニス・ジョプリンの大ヒット曲ですが、う~ん、さすがにお酒好きが歌っているだけあって聴いているとお酒が飲みたくなりますね。
それにしても素晴らしい!名唱です。

サザン・カンフォート
Screw Driver

ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)
ハード・ロックといえばレッド・ツェッペリン。イギリスのロックバンドです。1968年にデビューし、1980年に解散するまで文字どおりロックの歴史を塗り替えたまさしく伝説のバンドで、当時も今も絶大な人気を誇っています。そのバンドを支えていたのがドラムスのジョン・ボーナム。独自のグルーヴ感があり、ヘビーでありながら繊細さも併せ持ったプレーはバンドの核でした。
天才ドラマーのジョン・ボーナムですが、お酒による失敗談は数知れずあります。ホテルに泊まっていてメンバーを驚かそうと壁に穴を開けて入ったところ別の人の部屋だったとか。
そんな愛すべき酔っ払いが好んだのは「スクリュードライバー」でした。これも意外な感じがしますね。ジョン・ボーナムだったらビールか何かをガブガブ飲んでいるイメージがありますが、やっぱりカクテルが好きだったのですね。
彼がアルコールを手放せなくなったのは、妻や子供を愛しており、ツアーで長い間会うことが出来ない寂しさからだそうです。徐々に酒量は増え、依存度は高くなり、そして1980年9月24日、シングルで16ショット相当(約473 ml)のウォッカを飲み干し、場所を変えて更に飲み、更に場所を変えて更に更に飲み、酔いつぶれたあげくに吐瀉物を喉に詰まらせ窒息死してしまいました。
ドラムスを失ったレッド・ツェッペリンは、バンドの継続不可能と判断し解散してしまいます。

スクリュー・ドライバー
Jameson

ロリー・ギャラガー
元ザ・スミスのジョニー・マーを初めとして、ロリー・ギャラガーに大きな影響を受けたギタリストは数えきれません。レコード・デビューは1969年のアルバム「Taste」で、3人編成のバンド、テイストとしてのものでした。デビュー当時は同じく3人編成だったためかクリームの再来と言われていましたが、実際はクリームより先にテイストを結成していたのだそうです。
ロリー・ギャラガーといえば、火の出るような熱いプレイが有名ですが、ジョニー・マーは「当時、Gジャンやチェックのシャツなど普通の恰好をしてステージに出ていたことが最高にクール」だったとロリー・ギャラガーのことをインタビューで答えています。
さて、さて、そのロリー・ギャラガーは、アイルランドの生まれだけあって好みのお酒もアイリッシュウィスキーの「ジェムソン」です。熱い心を持ちつつも気取らないロリー・ギャラガーらしいですね。
1967年に行われた野外コンサートにテイストとして参加したロリー・ギャラガーとティム・ローズのバンドで参加していたジョン・ボーナムは1曲だけですが共演しています。ジョン・ボーナムは当時既にロリー・ギャラガーの大ファンだったことから共演が実現したのだそうです。
その後の打ち上げでは、スクリュー・ドライバーとジェムソンで乾杯したのかもしれませんね。

ジェムソン
Jack Daniel's

レミー・キルミスター(モーターヘッド)
70年代のロック界でお酒と言えば「ジャック・ダニエル」でしょう。ジャック・ダニエルを好むミュージシャンは数えきれません。エリック・クラプトンのように、好きすぎてアルバムのジャケットに一緒に写っていたりもしますし、キース・リチャーズはジャック・ダニエルをステージでラッパ飲みしているところが映画に出てきたりもします。
しかし、ジャック・ダニエルといえばシラフでいる事がないというほどの酒好きのモーターヘッド、中でもベースのレミー・キルミスターです。
レミー・キルミスターが愛飲していたのは代名詞となっていたコーラのジャック・ダニエル割りです。間違えないでください。ジャック・ダニエルのコーラ割りではなく、コーラをジャック・ダニエルで割るのです。かなり濃いそうですね。
モーターヘッドですから、じっくりとお酒を飲みながら聴くというよりも、飲んで飲んでテンションを上げていくといった感じでしょうね。

ジャックダニエル
Nondrinker

トム・ウェイツ
いよいよ真打の登場です。「酔いどれ詩人」の異名をとるトム・ウェイツをご紹介しましょう。彼が作る曲はいかにも場末の酒場の香りがします。そして何といってもあの独特の声。いかにも酒焼けといった感じですが、その声は年を重ねるごとに迫力を増しています。ファースト・アルバムの頃に比べるともう別人のようです。
日本でも比較的知られているトム・ウェイツの代表曲といえば、1976年リリースの3枚目のアルバム「スモール・チェンジ」に収録されている「トム・トラバーツ・ブルース」でしょうか。もう既に迫力というか風格すら漂っていて、声の力に圧倒されます。この曲はロッド・スチュワートのカバーでも有名ですね。
素晴らしい曲ですね。さすがに酔いどれ詩人と言われるだけあって、お酒を飲みながら聴くには最高です。さて、そんなトム・ウェイツは、どんなお酒が好みだと思いますか?曲から連想するとウィスキーでしょうか。しかし、お酒が最も似合うミュージシャンですが実はお酒が飲めないのだそうです。意外ですよね。人は見かけによらないということでしょう。
如何でしたか?思わずお酒を飲みたくなっていませんか?
お酒は人生の友とも言いますし、飲み方を間違わなければ確かに最高の友だと思います。音楽との相性も良いですしね。但し、くれぐれも飲みすぎにはご注意ください。