ジャックダニエル
酒とロックは切り離せない。酒は多くの曲に歌われていますし、酒好きのミュージシャンは枚挙にいとまがありませんからね、ホントに。それで命を落としたなんてミュージシャンもこれまた多いです。ホントに、ホントに。しかし、それでこそロックンローーーール!って感じがするのも事実。困ったもんだ。
と言うことで、酒好きのミュージシャンを代表して登場して頂きましょう。キース・リチャーズ!

キース・リチャーズ
キースは言わずと知れたローリングストーンズのギタリストです。若いころは酒もドラッグも大好物で、いつ死んでもおかしくないロックスターのランキングでトップの座をずっと守っていましたからね。
そんなキースは様々な酒を愛しているようですが、イメージとしてはジャックダニエルでしょうね。
1983年に公開されたライブ映画「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」で、キースがジャックダニエルをラッパ飲みするシーンはあまりにもカッコよく印象的でした。
一度やってみたですよねぇ。ジャックダニエルのラッパ飲み。

ジャックダニエル
以前ジャックダニエルは、バーボン・ウイスキーの代名詞のように紹介されていたこともあったのですが、勿論違います。ジャックダニエルは、テネシー・ウイスキーが正解です。
他にもガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュ、モーターヘッドのレミー・キルミスター、ヴァン・ヘイレンのマイケル・アンソニーなどジャックダニエルの愛飲者は数多くいますが、フランク・シナトラの惚れ込みようはよく知られています。
シナトラは、自宅でも、ホテルでも、ステージであろうと移動中でさえもジャックダニエルを持ち歩き、1998年に亡くなった時には、ジャック ダニエルのボトルとともに埋葬されているほどです。
シナトラとジャック ダニエルの友情を記念して、数量限定のプレミアムウイスキー「ジャック ダニエル シナトラセレクト」なるものも発売されています。

ジャックダニエル シナトラセレクト
モヒート
「My mojito in La Bodeguita. My daiquiri in El Floridita(我がモヒートはラ・ボデギータで、我がダイキリはフロリディータで)」。これは文豪アーネスト・ヘミングウェイの有名な言葉です。が、これだけでは何のことやら分かりませんよね。
ラ・ボデギータもフロリディータもバハマにあるお店の名前です。
ラ・ボデギータは、1942年に創業されたハバナ旧市街のエンペドラード通り沿いにあるカウンターだけのバーです。
ヘミングウェイが愛飲し、今や世界中で愛されているモヒート発祥の店と言われています。
モヒートとはカクテルの一種で、ラム酒にライムジュース、砂糖、ソーダ水、イエルバ・ブエナと呼ばれるミントを加えたものです。因みにイエルバ・ブエナとは「良いハーブ」の意味です。
モヒートを家庭で楽しむには、ラ・ボデギータとは何の関係もありませんが、バカルディが手軽でいいです。
遠くバハマに思いをはせながら、「老人と海」でも読んでみましょうかね。

バカルディ モヒート
一方のダイキリですが、標準的なレシピはラム - 45ml、ライム・ジュース - 15ml、砂糖 - 1tspに氷を加えてシェイクします。
ヘミングウェイが愛したのはフローズンダイキリで、これは上記材料とクラッシュド・アイスをミキサーで混ぜてシャーベット状にしたもです。
が、ヘミングウェイは、ラム酒をダブルにし、グレープフルーツ・ジュースを入れて砂糖を抜いた変則的なフローズンダイキリを好んでいました。このカクテルはヘミングウェイの愛称にかけて、パパ・ダイキリと呼ばれています。
ラ・マニィ
男がとある酒場のカウンターで静かに酒を飲みながらガルマ・ザビの国葬演説を聞いている。男の名は赤い彗星の異名を持つシャア・アズナブル。この時のシャアのセリフ「坊やだからさ」は、ガンダムファン以外にもよく知られていますね。男なら誰でも一度は口にしたいセリフです。
この場面は、機動戦士ガンダムの第12話「ジオンの脅威」に出てきます。
で問題は、上の動画では残念ながら見ることが出来ませんが、この時にシャアが飲んでいるのが現在のものとはボトルの形が違ってはいますが「ラ・マニィ」です。
「ラ・マニィ」は、マルティニク島で作られている200年以上の歴史を誇るブランドのラム酒です。
ジョセフ・フェルディナンド・ピーランという人がフランスのノルマンディー地方からマルティニーク島へ移住し、1749年に設立しています。

ラ・マニィ
しかし、まぁ、なんでまたシャアはこんな酒を飲んでるんでしょうね?ジオン公国の人々はラム酒が好きなのかな?
今でもそれほど知られているとは思えない「ラ・マニィ」を1979年の放送で登場させるとは!細かいっちゃ細かい。マニアックっちゃ、マニアックですね。
カナディアンクラブ
シカゴ暗黒街のボスといえば、そうアル・カポネですね。「犯罪王リコ」「民衆の敵」「暗黒街の顔役」「スカーフェイス」「アンタッチャブル」などなど多くの映画のモデルにもなっています。
1920年から1933年までアメリカ合衆国で施行された禁酒法。その間に大ボスに成りあがったアル・カポネ。彼はカナダから原酒を買い求め、それを粗悪なウイスキーで水増しして大儲けをしました。
そのアル・カポネが好んでいたのは「カナディアンクラブ」のオリジナルボトルです。
カナディアン・クラブはハイラム・ウォーカー(現在はペルノ・リカールグループ傘下)が製造しているカナディアン・ウイスキーのひとつです。
グレーンウイスキーに小麦とライ麦を使ったモルトを合わせ、ホワイト・オーク樽で熟成させた、雑味の少ない軽い仕上がりが特徴と言われています。

カナディアンクラブ
2011年(けっこう最近!)に、カナディアンクラブの工場の地下に「カポネの部屋」と呼ばれていたスピーク・イージーが発掘されています。
密売はマズイですが、ウイスキー工場に自分の部屋を持つというのは酒好きにはたまらんでしょう。出来ることなら真似てみたいものです。
アブサン
CMの最高傑作。日本一、いえ、世界一と言ってもいいかもしれない。1983年に放送されたサントリーローヤルのCMのことです。
このCMには様々なシリーズがあるのですが、中でもランボー編と呼ばれているものが素晴らしい。因みにランボーとは、シルヴェスター・スタローンではなく、19世紀の天才詩人アルチュール・ランボーのことですね。
時代に合わせたということでしょうが、ランボーをニューロマンティック風にしたところなんか最高ですよ。
映像も音楽も素晴らしいですよねぇ。映画を見ているようです。
しかし、ローヤルのCMではあるのですが、アルチュール・ランボーが実際に好んだのは、ローヤルではなくアブサンだったそうですよ。
ご存じの方も多いとは思いますが、アブサンとは商品名ではなく、スイス発祥でフランス、チェコ、スペインを中心にヨーロッパ各国で作られている「ニガヨモギ」「アニス」「フェンネル」「メリッサ」「ヒソップ」といったハーブを主とした薬草系リキュールのひとつです。
銘柄は400種類以上もあり、使うハーブやベースとなる酒によって味わいは様々です。アルコール度数は高いものだと80度と言いますから、かなり強い酒です!

アブサン
さて、ランボーですが、アブサンの飲み過ぎによって、原料である「ニガヨモギ」の毒性に当たり発狂したとされています。これは真似しない方がいい!何事も、ほどほどにと言うことですね。
もっとも、現在のアブサンは「ニガヨモギ」の代わりにアニス(松脂)で作られているので、いくら飲んでも発狂することはありません。が、アルコール中毒にはくれぐれもご注意ください。
お酒は何を飲むかで、その人の個性が伺い知れて面白いですね。拘りを持って飲むというのが良い!大人はこうでなくてはいけません。
と言うことで、これからは自分の人生とじっくりと向き合いながらお酒を飲むことにしましょう。
では、とりあえずビール。(これがイカンっちゅうに)