サイエンス・フィクションとしてのSF
おそらくSFと聞いてまず頭に思い浮かべるであろう解釈がサイエンス・フィクション(英:Science Fiction)であろう。サイエンス・フィクションという語を生んだのは、アメリカのSF雑誌『アメージング・ストーリーズ』であった。(1926年に創刊され、2005年に廃刊となっているようである)
読んで字の如くScience(科学)とFiction(空想)という要素を含んでおり、いわゆる「空想科学小説」的な側面を持つ物が多い。作者独自の架空の科学技術が登場する作品が多く、異星人との戦いや時間旅行、人造人間などを取り上げた作品もある。『アメージング・ストーリーズ』創刊以前にもこうした特色を持つ作品は存在し、例えばジュール・ヴェルヌの「海底二万里」は1870年に、H・G・ウェルズの「タイム・マシン」は1895年に発表された作品である。

映画『海底二万マイル』(1954)の1コマ
今でも根強い人気を誇る『スタートレック』のオリジナル版が日本で『宇宙大作戦』として放映

USSエンタープライズ号
『宇宙大作戦』(うちゅうだいさくせん、Star Trek)は、アメリカのSFテレビドラマで、NBC系列において1966年から1969年まで全3シーズンが放送された。
日本では、日本テレビ系列において1969年4月27日 - 1970年1月11日(29話:第1シーズン):日曜 16:00 - 16:55 (JST、日本テレビ)に放送され、次にフジテレビ系列において1972年4月16日 - 1974年3月30日(50話:第2シーズン以降):土曜 7:30 - 8:00 (JST、フジテレビ。ただし1973年7月から同年9月の間は15分繰り上げ)が放送された。フジテレビ系列では『宇宙パトロール』という題名になり、1話を前後に分けて30分番組として放送された。また、この際に一部の吹き替え声優の配役が変更された。なお、富山県では放映権がフジテレビ系列へ移行した後も富山テレビ放送へ移行せず、北日本放送が継続して放送した。
その後、劇場版やテレビ版の続編などが制作されたため、本作は『スタートレック』シリーズの最初の作品として『Star Trek: The Original Series』、あるいはそれを略した『ST: TOS』や『TOS』という通称で呼ばれるようになった。
内容は人類が宇宙に進出した遠い未来、ジェームス・T・カーク船長率いる宇宙探査船U.S.S.エンタープライズNCC-1701が毎回、未知の生命体に遭遇したり、奇想天外な事件に巻き込まれる様子を描いた、SFアクションドラマでした。
原作と制作総指揮を担当したジーン・ロッデンベリーは楽天的な未来を信じており、エンタープライズという宇宙船は地球上のさまざまな人種、さらには異星人まで乗り組み、お互いに協力し合う一種のユートピアとして描かれています。また、主人公であるカーク船長たちは何度となく異星人との戦争に突入しかけますが、最後の瞬間まであきらめずに戦争回避に力を尽くします。
今の目で見ると特撮は古くさく、粗も散見されますが、その前向きな世界観、良質な脚本、バルカン人のミスター・スポックら魅力的なキャラクターがあいまって熱心なファンを獲得しました。

エンタープライズ号のクルー達
映画版『猿の惑星』は大成功だったのにテレビ版はふるわず!!

テレビ版『猿の惑星』の1コマ
テレビ版『猿の惑星』(さるのわくせい、原題:Planet of the Apes)は、20世紀フォックステレビジョン制作のアメリカのテレビドラマ(SFドラマ)で、映画版『猿の惑星』の続編として制作され、1974年にCBSで放送されたが人気は振るわず、第1シーズン(全14話)のみで放送を終了してしまいました。
日本では、1975年5月1日から同年9月18日までフジテレビ系列局で毎週木曜 20:00 - 20:55 (日本標準時)に放送されました。
内容としては、映画版と同じく、猿の支配する未来の地球だが、年代はオリジナルの約10年後である3965年になっていて、一話完結スタイルであった。映画版との最大の違いは、人間が不自由なく言葉を話せること、その身分が奴隷だけではないこと(基本的に猿の方が上位ではあるが、少なくとも映画版よりは社会的立場が認められている)、生存可能な地域が旧米国領の大部分に跨るほど広大になっていること。さらには、「脱走」していない人間であれば「旅行」することも許されている。また、へりくだりさえすれば自由に意見を述べることも許される。人間の職人が存在する。人間が馬に乗ることは許されてはいないが、領主(猿)が目こぼしをすることもある。かつて人間が世界の支配者だった頃の文明の遺物(書籍・小型核兵器・精密機械類)が所々に残されており、猿社会の支配者層(ゼイウス議長やウルコー将軍らのような幹部クラスの猿たち)に人間が決して下等な存在ではないという共通認識がある。
舞台は”未来”ではなく、”現代”だった『600万ドルの男』

『600万ドルの男』のオープニング画面
『600万ドルの男』(ろっぴゃくまんドルのおとこ、The Six Million Dollar Man)は、1973年から1978年までアメリカ合衆国のABCネットワークで放送されたテレビドラマシリーズで、3本のパイロット版と、5シーズン108話が制作された。
日本ではNET(現テレビ朝日)系列で、1974年7月20日「土曜映画劇場」でパイロット版「サイボーグ大作戦」放映、同年7月25日〜同年12月26日に『サイボーグ危機一髪』のタイトルで続きの23話が、1975年7月8日〜同年9月23日に『600万ドルの男』とタイトルを変更して残りの9話が放映された。その後、関東地区ではテレビ朝日で1978年8月27日〜同年9月24日及び1979年5月13日〜1980年1月13日に、再放送と共に26話分の新エピソードが放映された。
宇宙飛行士のスティーブ・オースチン大佐がテスト機の墜落事故で右腕、両足、左目を失しなってしまうが、NASAのメディカルスタッフによって人工の腕、足、目を移植されサイボーグ(バイオニックマン)として復活する。そのサイボーグ(バイオニック)手術で備わった特殊能力を駆使してさまざまな難事件に関わっていくというストーリーであった。
人工組織移植に関わる手術費用が600万ドルかかったため、「600万ドルの男」という原題がついている。尚、日本では当初「サイボーグ危機一髪」という邦題がついていたが、途中で「600万ドルの男」に改題されている。
スーパーマンの女性版だった『ワンダーウーマン』

『ワンダーウーマン』の画像
『ワンダーウーマン』 (Wonder Woman)は同名のアメリカン・コミックスのヒロインを主人公とした、実写版のテレビドラマ。第1シーズンが1976年から1977年までアメリカABC系で放送され、第2・第3シーズンはタイトルを『The New Adventures of Wonder Woman』と改めて、1977年から1979年までCBS系で放送された。
日本(関東地区)では、フジテレビで第1シーズンが『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』のタイトルで1977年から1978年まで、第2・第3シーズンが『紅い旋風ワンダーウーマン』のタイトルで1980年から1981年まで放送された。
大元のワンダーウーマンは、1941年、ウィリアム・モールトン・マーストンの原作で、DCコミックス社のアメコミのヒロインとして誕生したが、他のスーパーヒーローに比べ映像化はなかなか行われなかったが、初登場は1973年開始のスーパーマンやバットマンが共に活躍するABC放送のアニメ、『Super Friends』であった。
翌1974年、ABCは当時プロ・テニス・プレーヤーだったキャシー・リー・クロスビーを主役とし、90分枠の実写版『Wonder Woman』を制作・放送(日本未放映)。設定を現代に移し、コスチュームや武器も現代風のデザインにした内容だったが、評判は今一つに終わった。
1975年、ABCは設定を原作通りとし、元ミス・ワールドアメリカ代表のリンダ・カーターを主演とした、『The New Original Wonder Woman』(『奇想天外! 空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』)を制作(日本では1977年6月18日、テレビ朝日系の「土曜映画劇場」で放映)。これをパイロット版とし、翌1976年から60分枠の『Wonder Woman』(『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』)として連続放送化がなされた。
1977年から1978年の第2シーズンでは、放送系列がABCからCBSに移り、設定が再度現代に変更され、『The New Adventures of Wonder Woman』(『紅い旋風ワンダーウーマン』)と改題して放送された。物語自体はABC版の続編となっていて、トレバー少佐役だったライル・ワゴナーが、少佐の息子を演じているが、不老長寿のダイアナは本人のままである。ダイアナが現代の情報機関のエージェントとなったために、スパイ・アクション的な色彩が濃い。1978年から1979年の第3シーズンでは、ダイアナが普段も眼鏡をかけないことが多くなり、よりファッショナブルな装いになった。内容も、SF色が強くなり、当初の設定からの変貌が目立つようになる。その結果、シリーズはこのシーズンをもって打ち切りとなった。
なお、今年(2017年)の8月に映画として日本に帰って来る予定になっている。
元は『600万ドルの男』の1エピソードだったが、人気のために番組として製作された『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』

地上最強の美女 バイオニック・ジェミー Season1 DVD-BOXの表紙
『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』(ちじょうさいきょうのびじょバイオニック・ジェミー、原題:The Bionic Woman) は、ユニバーサル作成のSFテレビドラマ。1976年から1978年にかけて第3シーズンまで制作され、第1・第2シーズンはABC、第3シーズンはNBCで放送された。
元はテレビドラマ『600万ドルの男』の1エピソードだったが、人気のために番組として製作されたスピンオフ作品。日本では日本テレビ系で、第1・第2シーズンが1977年1月から10月、『地上最強の美女たち! チャーリーズ・エンジェル』を間に挟み、第3シーズンが1978年3月から8月にかけて放送された。
主演のリンゼイ・ワグナーは、本作で1977年、エミー賞主演女優賞を受賞した。
元プロテニスプレイヤーのジェミー・ソマーズ(リンゼイ・ワグナー)は、スカイダイビング中の事故により瀕死の重傷を負う。婚約者であるスティーブ・オースティン大佐(600万ドルの男)は、科学情報局(OSI)に頼み込み、彼女に自分と同じバイオニック移植手術を施させた。
両足、右腕、右耳をサイボーグ化された彼女は生命の危機からは脱したものの、移植の拒絶反応から、スティーブのことを含めて全ての記憶を失ってしまう。しかし彼女は、自分を救ったOSIのためにバイオニック・パワーを使った諜報活動を志願するのだった。
女性エージェントということで、『600万ドルの男』のハードな雰囲気とは異なるシリーズとなった。例えば、美人コンテストにミス・カリフォルニアとして出場したり、アメリカ先住民族風の女子プロレスラーになったり、修道院のシスター姿になったりするなど、コスプレ的潜入捜査が多いのもその表れである。また、表向きの職業はベンチュラ空軍基地内の小学校教師であるため、児童たちとの交歓シーンもあったが、途中でこの設定は放棄された。コミカルなエピソードも少なくなかったが、一方では核兵器開発競争に警鐘を鳴らす、『ジェミー 地球壊滅を救え!』のように重厚なものもあった。
あの映画『スター・ウォーズ』の影響により作成された『宇宙空母ギャラクティカ』

宇宙空母ギャラクティカ [DVD]セットの表紙
1977年に大ヒットした『スター・ウォーズ』の影響により、『ナイトライダー』のグレン・A・ラーソンが築いた本格的なスペース・オペラ『宇宙空母ギャラクティカ』は、1978年からアメリカABCテレビで放映された。
『スター・ウォーズ』『スパイダーマン1&2』の特殊効果を手掛けるジョン・ダイクストラなど一流のスタッフが携わり、当時としては破格の巨費を投じられた超大作で、今なお多くのファンから支持されているためか、幾度か新たなTVシリーズや映画などの企画が浮上した。そしてついに全米屈指のSF専門局《Sci-Fi(サイ=ファイ)チャンネル》で2003年12月8、9日に放送されて大反響を呼んだのが、「バトルスター ギャラクティカ 序章」である。このミニシリーズ版を受けて、2005年1月14日から同チャンネルでシーズン1が放送。2007年11月からは全米放送がシーズン4に突入することが決まっているロングラン・ヒット・ドラマで、米エンタテイメント情報誌“Entertainment Weekly”は2007年5月、「この25年間で最高のSFドラマ・ベスト25」の第2位に本作を選出、アメリカ最大のTV誌“TV Guide”が2006年の最優秀ドラマ10本の1本に選出し、「SFドラマだけでなく、現在放送中のあらゆるドラマの中で最高傑作!」と絶賛するなど、 SFファンのみならず、米メディアをも魅了し、今なお多くの注目を集めている。
物語は12の惑星から成る植民地に住む、地球人ではない別の人類(吹替版では「12惑星連合」と呼称)。彼らは1,000ヤーレン(=1,000年)もの間、機械生命体「サイロン」との戦争を続けていた。
しかし、遂に和平交渉会談実現の運びとなり、各植民星の代表は、宇宙空母の艦隊旗艦「アトランティア」に集結する。だが、それはサイロンの罠だった。サイロンは総攻撃を開始、「アトランティア」は撃沈され、アダマ司令官率いる宇宙空母「ギャラクティカ」の母星・カプリカはじめ、各植民星は絶滅の危機に瀕する。
唯一生き残った宇宙空母「ギャラクティカ」は、民間の残存宇宙船と共に220隻の艦隊を組み、生存者を乗せ、植民星の宙域から船出する。目的地は、自分たちと祖先を同じくする人々が住む13番目の星、伝説の惑星「地球」であった。
SFのその後
SFはその後、時代の変化や科学技術の発展により、従来のサイエンス・フィクションは大きな転換期を迎える。題材となる科学が発展したことにより、サイエンス・フィクションにもリアリティや整合性が求められるようになり、それに伴って新たに「ハードSF」というジャンルを生み出していくことになる。
サイエンス・フィクションは、その後も出版形態も含めた様々な変化を辿り、米ソ対立の冷戦期には、核戦争やそれによって滅びを迎えた世界を描いた作品が現れるようになった。
こうした時代背景による変化は現在まで続いており、既存の他ジャンルとの融合をはかったり、近現代の科学技術を題材に取った作品も少なくない。その他こうした変化の中から派生したジャンルも存在し、近年では「サイバーパンク」と呼ばれるジャンルがそれにあたる。