市川準の監督デビュー作!映画『BU・SU』性格ブスの女を18歳の富田靖子が無表情で熱演!!

市川準の監督デビュー作!映画『BU・SU』性格ブスの女を18歳の富田靖子が無表情で熱演!!

映画『BU・SU』は、1987年に公開した市川準が監督デビューした作品です。ひねくれてしまった性格ブスの女の子が成長していく物語です。当時18歳だった富田靖子が主演を務めました。


BU・SU

1987年公開の日本映画。CMクリエイターとして活躍していた市川準の映画監督デビュー作。
1987年のキネマ旬報ベスト・テン第8位、読者選出第2位。2004年第6回ファーイースト映画祭招待作品。

どつぼにはまらない青春なんて、なんの価値もないのだ。

BU・SU

富田靖子が主演!!

この映画は、主演を務めた富田靖子が18歳の時の作品であり、彼女は横浜映画祭主演女優賞・高崎映画祭ベストアイドル賞を受賞しました。

そして、富田が演じる麦子は、上京して芸者見習いの生活を送る傍ら学校に通うひねくれた性格ブスの高校生でした。

映画では、麦子が様々な出会いと経験を経て、次第に成長し、自分の殻を破り自立して素直になっていく姿が描かれています。全編を通して笑顔をみせない富田ですが、彼女の魅力が伝わる作品になっています。

一番美しい頃の富田靖子が、性格ブスという設定で、過剰な黒髪の量に無表情で暗さを強調。

あらすじ(ネタばれ)

麦子は、母と二人して向き合うように生きて来ながら、母親とすなおに接することができなかった。

18歳になる森下麦子は片田舎で生まれ育ち、性格のひねくれた暗い女の子だった。

そんな“心のブス”を治すため上京し、置屋を営む叔母・胡蝶のところで鈴女という名前をもらい芸者見習いをしていた。

田舎で心閉ざす日々を送った鈴女は、大都会東京の華やかさ、芸者の夜の世界、転校先の高校生活を経験するが、そのどれもが彼女の心を重くした。

やがてボクシング部のヒーロー・津田邦彦に思いを寄せる。しかし、彼には京子という校内でも評判のきれいな彼女がいた。

その頃、鈴女を可愛がってくれた売れっ子芸者の揚羽が駆け落ちした。

ショックは大きかったが、もう逃げるのはやめようと決めた鈴女は、半ば押しつけられた秋の文化祭での役割を引き受け、「お七」を踊ることにした。胡蝶の厳しい特訓が始まった。しかし、一人では仕掛けが難しいのでネクラ派の友人二人に手伝ってもらうことにした。

すぐさま邦彦が駆け寄り、鈴女の手を取ってグラウンドへ連れ出した。そしてファイヤー・ストームに火をつける。

炎の中に浮かぶ鈴女の踊る姿。生まれて初めての解放感に彼女の表情は明るかった。

麦子の家庭環境と心の弱さ

自殺未遂シーン。

何がしたいのかわからない麦子

麦子は、これといった目標もなく、何をやっても中途半端、今いる場所にも何となく違和感を感じていました。また、学校にもなじめないまま、芸者見習いにも身が入らず、結局、町をふらふらする日々を送っていました。そして、おばさんが痛いことを口にしますが、その中に優しさが込められていました。

「いいから学校なんてもうやめちまいな。故郷から逃げて、この蔦谷からも逃げて、逃げて逃げて逃げまくればいいよ。そうやって逃げてるうちに何か見つかるかもしれないねェ」

女性として自覚していく麦子

女性というものを知り、自覚する麦子。

麦子を成長させることになった『お七』について

舞台の「八百屋のお七」では、江戸の町に火を点けることはできませんでしたが、麦子はファイアーストームに火を点けることで、「八百屋のお七」を見事完結させます。

そして、ずっと思いつめたような顔をしていた麦子が、最後に母親と海岸で「東京はいろんな人がいる」と笑っているシーンで終わります。

主題歌は名曲、原由子の『あじさいのうた』

エンディングでは原由子の『あじさいのうた』が起用され、曲と共に富田靖子の白黒写真が映し出されました。

映画の製作話

【映画に関する映像】

映画『BU・SU』は、大人になりかけの10代が抱え込むコンプレックスの塊りがよく表現されていて、青春時代に何をしたいのか分からなかった自分と共感するものがあります。是非ご覧ください。

BU・SU [DVD]

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

懐かしの名作が勢揃い!特製クリアしおりが貰える書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が開催!!

藤子・F・不二雄による名作の数々を紹介する書店フェア「藤子・F・不二雄 S(すこし)★F(ふしぎ)な世界」が、8月7日(木)より全国のフェア参加書店にて順次開催されます。


最新の投稿


ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂が、『鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブ~Autumn Season~』を11月13日にビルボードライブ大阪、16日にビルボードライブ東京にて開催する。今回は、1975年にリリースされた1stソロアルバム「BAND WAGON」の発売50周年を記念したプレミアム公演となる。


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。


吉田沙保里  強すぎてモテない霊長類最強の肉食系女子の霊長類最強のタックル その奥義は「勇気」

吉田沙保里 強すぎてモテない霊長類最強の肉食系女子の霊長類最強のタックル その奥義は「勇気」

公式戦333勝15敗。その中には206連勝を含み、勝率95%。 世界選手権13回優勝、オリンピック金メダル3コ(3連覇)+銀メダル1コ、ギネス世界記録認定、国民栄誉賞、強すぎてモテない霊長類最強の肉食系女子。


消えた回転寿司チェーンの記憶──昭和・平成を彩ったあの店はいまどこに?

消えた回転寿司チェーンの記憶──昭和・平成を彩ったあの店はいまどこに?

昭和から平成にかけて、全国各地で親しまれていた回転寿司チェーンの数々。家族の外食、旅先の楽しみ、地元の定番──いつしか姿を消したあの寿司屋は、なぜ消え、どこへ行ったのか。本記事では、現在は閉店・消滅した地域密着型の回転寿司チェーンを、当時の特徴やSNSの証言とともに記録として振り返る。


【歌謡曲】ありえないシチュエーション!歌詞がおもしろくて笑ってしまう歌謡曲5選!

【歌謡曲】ありえないシチュエーション!歌詞がおもしろくて笑ってしまう歌謡曲5選!

昭和の歌謡曲には、現代ではお蔵入りしてもおかしくないほど、ありえないシチュエーションを描いた詞が数多くあります。その中には、残酷な人物像や露骨な情景描写もあり、思わず笑ってしまうような歌詞もありました。今回は、筆者の独断と偏見で、歌詞がおもしろくて笑ってしまう歌謡曲を5曲ご紹介します。