Dolly Parton

ドリー・パートン
おそらく、いえ、絶対と言い切って間違いないと思いますが、ドリー・パートンという人は性格の良い人です。彼女の笑顔が全てを物語っています。しかも、人格者です。間違いありません。
素晴らしい人柄を持ったドリー・パートンという人はとにかく幅広く活躍を続けています。簡単に紹介すると、女優として数多くの映画に出演しています。コメディ映画「9時から5時まで」やミュージカル映画「テキサス1の赤いバラ」は日本もヒットしましたのでご記憶のある方も多くいらっしゃるでしょう。
テレビでは自身の名を冠したバラエティ番組「Dolly!」など様々な番組に出ていますが、顔が親しみやすいからでしょうか、バラエティとかコメディによく出ており、エミー賞のバラエティ番組助演女優賞にノミネートされるなど高い評価を得ています。
ミュージカルでは、映画化された「9時から5時まで」の音楽を担当したほか、「Backwoods Barbie 」では、ドラマ・デスク・アワード音楽賞、作詞賞およびトニー賞オリジナル作曲賞にノミネートされています。
アーティストとしての活動以外のビジネスも盛んに行っており、先ず、年間300万人以上の来場者があるテーマパーク「ドリーウッド」などを運営するドリーウッド・カンパニーの共同所有者をやっています。さらに、NBCと共にテレビ映画を製作するディキシー・ピクシー・プロダクションの経営者でもあります。
他にもレストランを経営していたり、面白いところではレブロンからオリジナルのカツラが販売されていたとか。しかも商品名を変えて今でも売られているそうですよ。

映画『9時から5時まで』
更には、ドリー・パートンは、慈善活動も盛んに行っています。ドリー・パートンの資産から設立されたドリーウッド基金を通じて、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアの地域で、生まれてから幼稚園に入るまでの間、子供たちに毎月1冊ずつ本を送っているのだそうです。登録された子供たちだけとはいえ、その数、毎月約85万人といいますからスゴイですね。
他にも病院やがんセンターを建設するために資金調達のためのチャリティ・コンサートを計画しているとのことです。
いや、これは、とても簡単に紹介することは出来ませんね。
そして、勿論ミュージシャンとしての活動には華々しいものです。13歳の時には既に数曲のシングルをレコーディングしています。18歳で作曲家として最初の商業的成功をおさめ、1967年、21歳の時にポーター・ワゴナーとののデュエット・シングル「The Last Thing on My Mind 」をリリースし、この曲は、カントリー・チャートのトップ10に入るヒットとなっています。
ふたりのコンビは1974年まで続き、いくつものアルバムがヒットしています。
Here You Come Again
ドリー・パートンの単独でのデビュー・アルバムは1967年にリリースされた「Hello, I'm Dolly」です。それ以降、アルバムは全米のカントリー・チャートのトップ10に実に41枚もランクインしており、シングルもカントリー・チャートで第1位を25曲も獲得しています。世界中でシングル、アルバム、デジタル・ダウンロードを合わせると売り上げ枚数は1億枚を超えるという、カントリー史上最も成功している歌手といえます。

Hello, I'm Dolly
カントリー・シンガーとして成功していたドリー・パートンの転換期といえば、1977年のヒット曲「Here You Come Again 」と、この曲を収録した同年発売の同名アルバム「Here You Come Again」です。ポップスの主流路線で制作された「Here You Come Again」は、カントリー・チャートとポップ・チャートの両方でヒットしました。これ以降ドリー・パートンは1980年代半ばまでポップスとカントリーの両方で数多くののヒット曲を出すことになります。

Here You Come Again
それにしてもチャーミングなドリー・パートンの歌声ですね。癖になってしまいそうです。
9 to 5 and Odd Jobs
映画「9時から5時まで」のテーマ曲「9 to 5 」が収録されていることで知られている1980年リリースのアルバム「9 to 5 & Odd Jobs」です。ドリー・パートン最大のヒット曲ですので「9 to 5 」ばかりが注目されてしまいがちですが、他にもアニマルズのカバーで知られる「朝日のあたる家」や、ウディ・ガスリーの「Deportee」、マール・ハガードの「 Dark As A Dungeon 」といった魅力的な曲をドリー・パートンの可愛らしくも素晴らしい歌声で聞ける好盤です。

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Trio
この時代のドリー・パートンを代表するもうひとつの曲、1983年にビージーズのバリー・ギブがプロデュースし、ケニー・ロジャースとのデュエットで全米1位の大ヒットとなった「Islands in the Stream 」です。
「Islands in the Stream 」が代表曲といったものの、80年代もドリー・パートンは絶好調で、1981年「The House of the Rising Sun 」、1982年「Single Women 」、「Heartbreak Express 」、「Hard Candy Christmas 」、1983年「Potential New Boyfriend 」、1984年「Save the Last Dance for Me 」、「Downtown 」、「Tennessee Homesick Blues」、1985「年Real Love 」、「Don't Call It Love」、1986年「Think About Love 」と数え上げるときりがないほどヒット曲を連発しています。
そして、新たな転換期を迎えることとなるアルバム「トリオ」がリリースされます。

トリオ
1987年にリリースされたアルバム「トリオ」は、タイトルが示すようにエミルー・ハリス、リンダ・ロンシュタットとの女性3部コーラスのアルバムです。カントリー娘の夢の競演とでも言いましょうか、それぞれが実力も実績もあるミュージシャンですから内容も話題性も十分で、当然のようにミリオンセラーとなり、カントリー・チャート5週第1位。総合アルバム・チャートでもトップ10にランクインしています。
シングル・カットされた「To Know Him Is to Love Him 」は1位となり、アルバムはグラミー賞のカントリー・デュオ/グループ賞を受賞しています。
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このアルバムを機に、ドリー・パートンはカントリーへと回帰していきます。
And then after that
そして、近年では2~3年おきとなっていますが、その後もアルバムをコンスタントにリリースしています。現時点での最新作は2014年にリリースされた42枚目となるアルバム「Blue Smoke 」ですが、このアルバムはなんと全米初登場第6位、そして全英では2位になるという素晴らしい成果をあげています。
それにしても、いくらキャリアが長いとはいえ、グラミー賞を8回受賞し、アカデミー賞には主題歌賞にソングライターとして2回ノミネートされ、CMAアワードが10回、ACMアワードは7回、アメリカン・ミュージック・アワードでは3回受賞しているのですから驚きです。しかも、今なお人気が衰えていないなんて驚異的ですね。
それでは最後に、ドリー・パートンの代表曲のひとつで、最近ではホワイト・ストライプスがカバーし 、日本では以前オリヴィア・ニュートン=ジョンが歌って大ヒットした「ジョリーン」をご紹介して終わりたいと思います。