David Coverdale

ホワイトスネイク
ホワイトスネイクはデイヴィッド・カヴァデール(ヴォーカル)のワンマンバンドと言い切ってもよいでしょう。もっと言えば、デイヴィッド・カヴァデールとその他のメンバーという感じで、実質的にはソロプロジェクトと思えるほどです。
つまりホワイトスネイクとは、デイヴィッド・カヴァデールの理想とする音楽を具現化するバンドと言えます。
それゆえに、1977年に活動を開始しましたが、理由は様々だったにせよメンバーの脱退、解雇が非常に多いバンドとなっています。
ところが、集められたメンバーはプロフェッショナルそのもので、作品はどの時代のものもちょっとマネの出来ない完成度を誇るんですね。各メンバーは実に素晴らしい活躍をみせています。

デイヴィッド・カヴァデール
デイヴィッド・カヴァデールが注目されるようになったのは、1973年にディープパープルの第三期のヴォーカリストとして加入してからで、1976年に脱退するまで絶大な人気を誇りました。
因みに、ディープパープルに参加する際の条件は、ダイエットと美容整形をすることだったという有名なエピソードが残っています。
美容整形(本人は別に隠していない)はともかく、セックスシンボルと言われていたほどのデイヴィッド・カヴァデールですから意外ですよね。
ホワイトスネイクの結成は、ディープパープル脱退の翌年1977年です。
1978年にはキーボーディストのジョン・ロードが、1980年にはドラマーのイアン・ペイスと二人の元ディープ・パープルが参加しています。
ディープパープルのメンバーが三人そろったわけですが、初期のホワイトスネイクの音楽性はディープパープルとは若干異なり、デイヴィッド・カヴァデールの志向が反映されブルースとハードロックを基本としたものでした。
そして徐々に洗練されていき、アメリカでの大ヒットにつながっていきます。
Trouble
EP「Snakebite」に続き、ビートルズのカバー曲「デイ・トリッパー」を含む1978年リリースの初のフル・アルバム「トラブル」です。元ディープ・パープルのジョン・ロードが本作から参加しています。

トラブル
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Ready an' Willing
本作をフェイバリットとするファン多数の3作目のアルバム「フール・フォー・ユア・ラヴィング」。イアン・ペイスの参加はこのアルバムからです。
全英のアルバム・チャートでトップ10入りをし、全米でも初めてチャートに入り最高90位と商業的にも成功を収めました。
シングル「フール・フォー・ユア・ラヴィング」も全英でトップ20に入っています。
本作では、1977年にリリースされたデイヴィッド・カヴァデールのソロ・アルバム「ホワイトスネイク」に収録されていた「ブラインドマン」をセルフ・カヴァーしています。

フール・フォー・ユア・ラヴィング
Slide It In
「フール・フォー・ユア・ラヴィング」は素晴らしいアルバムでしたが、翌1981年にリリースされた「カム・アンド・ゲット・イット」を最後にジョン・ロードとイアン・ペイスの名前はなくなります。待遇に不満を感じていたようですが、二人の脱退を機会にホワイトスネイクはメンバーをリセットします。
ですが、1982年リリースのアルバム「セインツ・アンド・シナーズ」は、なんと参加メンバーのクレジットがありません。アルバムリリース時には既にデイヴィッド・カヴァデールは他のメンバーを解雇していたそうです。
かなり混乱していたようですが、ホワイトスネイクは新メンバーを集めて再起をはかります。参加したのは、ジョン・ロードとミッキー・ムーディの復帰組と、ベースにコリン・ホッジキンソン、ギター&ソングライターのメル・ギャレィ、そしてドラムにコージー・パウエルという布陣です。
皆素晴らしいミュージシャンですが、特筆すべきはやはりジョン・ロードとコージー・パウエルでしょうか。
レコード会社も変わり心機一転して制作されたのが1984年リリースの「スライド・イット・イン」になるわけですが、なんとギターがミッキー・ムーディからジョン・サイクスに、ベースがコリン・ホッジキンソンからニール・マーレイに交代しています。
めまぐるしいメンバーチェンジですが、しかし、このアルバムは素晴らしい出来栄えで商業的にも大成功しました。

スライド・イット・イン
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Whitesnake
1987年にリリースされたアルバム「白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス」は邦題こそ大げさなタイトルが付けられていますが、原題はシンプルにバンド名のみです。
バンド名を冠しているだけに自信作に仕上がったのでしょうが、前作が大成功した後、メル・ギャレイ、コージー・パウエル、ジョン・ロードの三人が脱退するというまたしても緊急事態が発生しています。
しかし、このアルバムはロック史に残るであろう完成度を誇る素晴らしい仕上がりとなっていて、全米で2位アメリカだけで1000万枚を超えるというホワイトスネイクにとって最大の成功を収めました。
アルバムからは4曲がシングル・カットされどの曲もヒットしていますが、特に「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」は全米1位に輝いています。

白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス
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念願のアメリカ制覇を達成したホワイトスネイク。アルバムの内容、セールス共に申し分ないわけですが、本作のレコーディング終了後には、デイヴィッド・カヴァデールは全メンバーを解雇してしまいます。
なんとも勿体ない話ですが、この後もメンバーの入れ替えは続きます。しかし、その度に素晴らしメンバーが参加し、そのメンバーによって音楽性は変化し独自の道を歩み続けています。
メンバーチェンジをすることで成長していくことがホワイトスネイクというバンドなのでしょう。