『お葬式』(伊丹十三)
伊丹十三DVDコレクション お葬式
お葬式あるあるネタの映画です。コメディータッチなんですが、確かに「そうなんだよねー」
と納得できる細かいネタを繋ぎ合わせて1本の作品にまとめています。
初めての身内の葬式ということで何もわからない夫婦の物語なんですが、特に
田舎では今でもこうなんじゃないかな~。最近では葬儀社任せで全てお任せすれば
問題ないんですが、それどころかもっと簡略化されたお葬式もあると聞いています。
撮影の仕方も面白い視点からのものもありモノクロを使ったりと印象に残るシーンを
うまく取り混ぜていた今見ても妙に納得、笑える作品だと思います。
第9回
『花いちもんめ』(伊藤俊也)
花いちもんめ。 [VHS]
実はわたくし自身が障がい者です。私を支えてくれている家族や、周囲の方々の苦労は
見ていて私のほうが辛くなってしまいます。この物語の主人公も私とは症状は違いますが
同じような事を感じたことでしょう。
形としてはホームドラマなんですが、扱っている題材が私自身には問題点が多く
考えさせられる作品でした。
この作品のように家族の亀裂が修復されていくような良い関係に発展してくれればよいのですが
必ずしもそうではありません。却って悪化する場合のあることも見聞きしていますので・・・
ただ映画として楽しめたのは「ボケ」た主人公の可愛らしさでした。罪がないのです。
自分もいつかはこういう時期が来るかもしれませんが、
愛される「ボケ老人」となりたいものです。
第10回
『火宅の人』(深作欣二)
映画チラシ 「火宅の人」
この作品、原作者の作家・壇一雄の自伝的同名小説だそうです。
人の人生とは色々あって当然である意味皆さんが気づいていないだけで、状況の違いこそあれ
似たようなものなのではないでしょうか?「自由奔放」なのは却って普通の生活を送っている
ごくごく普通の人たちのような気がしています。
言ってしまえばどこにでもあるストーリーだと思います。
各俳優たちの演技は申し分なく、必要なエピソードもおそらく全て使われているのでしょう。
見応えは確実にある作品です。題材としては暗いイメージのものを想像しますが、
意外とサバサバした感じが残ったのは人間の普遍的な問題が原作者の体験を通して
描かれていたせいではないでしょうか?
第11回
『マルサの女』(伊丹十三)
伊丹十三DVDコレクション マルサの女 コレクターズセット
この映画を見た人の中では震え上がった人たちも数多くいたんじゃないでしょうか?
当時の僕はまだ社会人としては駆け出しで、実体験としてこのような機関の存在を
見たことも聞いたこともありませんでした。
しかし先輩たちの中ではかなりこの作品の話でもちきりになっていたことを憶えています。
それまでは「脱税」などという言葉自体、全くの無縁だったせいかタイトルを見たときは
「なんだ?」といった感じで対して興味も持たなかったような気がします。
それでも日本アカデミー賞最優秀作品ということで映画館に足を運んでみました。
これがホントに面白い!文句なしに「痛快」そのもの。もちろん題材は犯罪に立ち向かう
査察官たちの活躍を描いたものなのですが、今まであった刑事もの、探偵ものなどとは
全く違う地味な捜査なんですが、ここまでやるか!と驚く内容でした。
とにかくおすすめの一本です。