歴代日本アカデミー賞最優秀作品賞をまとめてみました。

歴代日本アカデミー賞最優秀作品賞をまとめてみました。

1977年度第1回日本アカデミー賞から第39回まで最優秀作品賞を取った作品を紹介させていただきます。 見逃している作品もあるんじゃありませんか?


『火宅の人』(深作欣二)

映画チラシ 「火宅の人」

この作品、原作者の作家・壇一雄の自伝的同名小説だそうです。
人の人生とは色々あって当然である意味皆さんが気づいていないだけで、状況の違いこそあれ
似たようなものなのではないでしょうか?「自由奔放」なのは却って普通の生活を送っている
ごくごく普通の人たちのような気がしています。
言ってしまえばどこにでもあるストーリーだと思います。
各俳優たちの演技は申し分なく、必要なエピソードもおそらく全て使われているのでしょう。
見応えは確実にある作品です。題材としては暗いイメージのものを想像しますが、
意外とサバサバした感じが残ったのは人間の普遍的な問題が原作者の体験を通して
描かれていたせいではないでしょうか?

第11回

『マルサの女』(伊丹十三)

伊丹十三DVDコレクション マルサの女 コレクターズセット

この映画を見た人の中では震え上がった人たちも数多くいたんじゃないでしょうか?
当時の僕はまだ社会人としては駆け出しで、実体験としてこのような機関の存在を
見たことも聞いたこともありませんでした。
しかし先輩たちの中ではかなりこの作品の話でもちきりになっていたことを憶えています。
それまでは「脱税」などという言葉自体、全くの無縁だったせいかタイトルを見たときは
「なんだ?」といった感じで対して興味も持たなかったような気がします。
それでも日本アカデミー賞最優秀作品ということで映画館に足を運んでみました。
これがホントに面白い!文句なしに「痛快」そのもの。もちろん題材は犯罪に立ち向かう
査察官たちの活躍を描いたものなのですが、今まであった刑事もの、探偵ものなどとは
全く違う地味な捜査なんですが、ここまでやるか!と驚く内容でした。
とにかくおすすめの一本です。

第12回

『敦煌』(佐藤純彌)

【映画チラシ】敦煌

さすがに現地中国各地でのロケだったのでスケールの大きな作品というのが
第一印象です。ただキャストが全て日本人ということもあり、当然セリフは日本語
中国側からの協力もあったにもかかわらず如何にも「日本の映画」となってしまっていたのが
残念でした。
それでも原作(井上靖の同名の小説)の出来の良さとしっかりとした構成と演出、各俳優陣の
演技で誰が見ても楽しめる作品だと思います。

第13回

『黒い雨』(今村昌平)

映画プレスシート 黒い雨

もう絶望しかない。モノクロのフィルムを使い、特撮もかなり使っていたのでしょうが、
やけにリアル感があり、悲惨としか言いようのない情景を現代の映像と繰り返し入れ替えながら
表現していたんですが、印象に深く残ってしまい頭から離れなくなってしまいました。
本当の苦しみはこの後、被爆後遺症を抱えたまま生きていく女性とそれを支える叔父夫婦の
淡々とした物語なのですが、その「淡々と」表現されることから余計に絶望しか残らなく
なりました。子供にはチョット刺激が強すぎると思われますが、見ておかなくてはいけない
と思わせる1本です。
それとこの作品の作成に当たり少し面白い記事があったので下記に引用させていただきます。

第14回

『少年時代』(篠田正浩)

映画パンフレット 「少年時代」

これも時代考証というのだろうか?それとも誰かの記憶の中の画像なのだろうか?「なるほど」
と思わせる教室や建物の説得力は、安っぽいテレビドラマとは違い、まず特筆したいです。
子供の頃、自分が物事をどう見て、どう感じていたのか(ふと)思い出してしまうのは
物語が子供の感覚、視点、そんなものを大事にして撮影されている感じでした。
ラストシーンには音楽も含めて驚くほどの感動を与えてくれましたね。

第15回

『息子』(山田洋次)

息子 [DVD]

普通でどこにでもありそうな物語なんです。でもなんでこんなに感動的にえがけるのでしょうか?
主役の三国連太郎の演技力や和久井映見の自然な美しさだけでは説明できない何かがあります。
やはり監督の「力量」というものなのでしょうか?そういえば山田洋次監督の作品は
いたって普通の人々の普通の出来事を映画化している作品が多いように思います。
この物語も「家族」という普通の題材をテーマとしていますが、ラストシーンにはやはり
感動させられてしまいました。

第16回

『シコふんじゃった。』(周防正行)

シコふんじゃった。 [DVD]

僕自身は相撲に興味がないのですが取り敢えず見ておこうか・・・くらいの気持ちで見始めました。
ところが中々どうして、テンポよく進むストーリー、竹中直人の爆笑を誘うそれでいてしっかりとした演技力、終わってみれば笑みを浮かべながら内容を反芻する自分がいたことを思い出します。

第17回

『学校』(山田洋次)

学校 [DVD]

もう文句なしの名作です!山田洋次監督作品の中でも1~2位を争う作品だと思います。
シンナー中毒、読み書きすらできない者、社会に適合できないハーフ、小児麻痺のため
言語が不自由な者、勉強嫌い、両親への反抗心など様々な問題を抱える生徒たち。
それらすべてを人間として平等に扱う先生たち。とにかくこの夜間中学という設定は
学校としての間口がとても大きいんです。年齢すら全く意に介してはいないのです。
そんな学校でのエピソード綴りながら進むストーリーの中で特に田中邦衛の演技は
これは本当に演技なのか?と思わせるくらいの名演でした。
「ゆけ!オグリキャップ!」のセリフのシーンも印象的でしたし、居酒屋での西田敏行
とのカラミではあの名優西田敏行を完全に食ってしまっていたと思います。
これ以上はネタバレになりそうなので書きませんが、とにかくおすすめの1本です!

第18回

『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(深作欣二)

あの頃映画 「忠臣蔵外伝 四谷怪談」 [DVD]

物語は仮名手本忠臣蔵と東海道四谷怪談をミックスした映画ならではのフィクションです。
本来、こう言った自由な発想はある意味映画という世界に許された楽しみの一つであり
これはこれで伝奇物として充分楽しめるものだと思います。
それを支える俳優陣の演技も「さすが」という出来栄えになっていたと思います。
特に渡辺えりの演ずるお梅の侍女・お槇の不気味さには舌を巻くほどでした。
しかし魂魄となって48人+1というところはホラー映画としてはやけに日本ぽくて
分かりやすく、またこれはこれでハッピーエンドなのかな・・・?という最後でした。
まぁ難しいことを抜きにすれば楽しめる作品だったと思います。

第19回

『午後の遺言状』(新藤兼人)

【映画チラシ】午後の遺言状

全体的には叙情的な演出なんですが、チョットドキドキさせられたりする場面もあり
目が離せなくなる内容となっていました。
主演の杉村春子の演技が演技という自分自身をそのまま見せている印象があります。
ことに監督の新藤兼人の実際の妻である乙羽信子はこの時期末期ガンで苦しい想いを
しながらも撮影を続けたというのはまさに「女優魂」を感じさせますね。
物語は毎年主人公が訪れる避暑地での数日間のお話なんですが、次々と起こる事件?
エピソードを十二分に楽しませてくれるものでした。

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