太陽にほえろ!を14年間支えた山村刑事
露口茂さんと聞いて、フジテレビの露木茂アナウンサーと間違えてしまう方以外の皆さんは、ほぼ全員が「太陽にほえろ!」の山さんを演じる露口さんが頭に浮かぶと思います。
それほど長く、ブレずに同じキャラクターを演じ続けた、まさに演技派、プロフェッショナルな俳優さんです。
でも、俳優・露口茂さんは「山さん」だけでない数多くの作品に出演。まさに太陽にほえろ!だけでなく60〜90年代のテレビ、映画界を支えたなくてはならない俳優さん。
引退された今現在も、近況などが報じられたり、懐かしむファンが多い、まさに名優。
プロフィール
身長が175センチとは、露口さんの年代では背が高い気がします。
太陽にほえろ!のキャストの皆さんがいかに背が高かったのか、改めて実感しました。
だって、七曲署メンバーの中の山さんはどちらかというと背が低い印象が。
皆さん背が高かったんですね〜。
主な出演作は…多彩な役柄
俳優・露口茂さんの出演作を抜粋して…と調べると、あまりの数の多さに圧倒されます。
しかも、役柄もジャンルも多彩。
早々に、作品の羅列は諦めました。
ラジオドラマもテレビドラマも、もちろん映画も。出演だけでなく吹き替えもされています。
しかも活躍は60年代から始まっています。
山さんのイメージばかりを思い出していては、俳優としての幅の広さ、演技のプロの露口さんに申し訳なくなります。
1964年
今村昌平監督「赤い殺意」では主人公の人妻を強姦する強盗。しかも心臓を患っているという難役。
1965年
山田洋次監督の「霧の旗」では無実を訴えながら失意のうちに獄中で死んでいく主人公の兄の役。
1967年
今村昌平監督ドキュメンタリー映画「人間蒸発」は、蒸発した恋人を探す一般の女性と共に事件を追うレポーター役で出演。
1969年
TBS時代劇「水戸黄門」第一部では東野英治郎演じる水戸黄門の命を狙う刺客。
1971年
フジテレビ「清水次郎長」では次郎長のライバル黒駒勝蔵。
1972年
7月に1986年4月まで14年間も出演する事となる「太陽にほえろ!」がスタート。
山さん以前はどちらかというとクールなアウトローな役柄が多かった気がします。
もちろん、山さんと並行して
1973年
大河ドラマ「国盗り物語」では小説「梟の城」の主人公であり織田信長の命を狙う忍者葛籠重蔵。
1973年
「木曽街道いそぎ旅」ではいかさまを見破るのが得意な渡世人( 裏街道の銀次)
1976年
大河ドラマ「風と雲と虹と」では最終回で主役の加藤剛演じる平将門を弓矢で射殺す田原藤太。
1983年
土曜ワイド劇場「松本清張の寒流」では女に翻弄されていく銀行の支店長・沖野一郎。
など、山さんとは対照的な役柄も精力的に演じています。
確かに山さんのような刑事役、時代劇なら同心役なども多いですが、あえて敵役、弱い男、嫌われ役など山さんのイメージに捉われない役柄を俳優のサガとしては演じたかったのかもしれないと、改めて出演作を眺めて思いました。

赤い殺意

霧の旗

人間蒸発

大河ドラマ「国盗り物語」

木曽街道いそぎ旅

大河ドラマ「風と雲と虹と」

松本清張の「寒流」
露口さんの魅力は山さんだけじゃない!
「太陽にほえろ!」放送当時、ませた小学生だった私(haco)は
落としの山さんに出逢い、そこから露口さんをお父さんのように慕うようになりました。
同世代でそんな露口さんに憧れたファザコン女子…結構いると思います。
物静かで冷静で、優しくて、なんでも解決して必ず助けてくれる、こんな頼れる大人は他にいない!と思っていました。
でも当時はあまりに自分が子供すぎて、他のドラマの敵役や人間の弱さを演じる露口さんを観れませんでした。「山さんじゃない!」と思ってしまったのです。
あ〜今思うとなんという失礼な、なんという勿体ないことをしていたのでしょう(涙)
役者の顔は数え切れない
特に昭和の俳優の仕事でいわゆるスターという人は、大概「ヒーロー」で「二枚目」で。
勧善懲悪なら必ず「勝つ人」「良い人」「正しい人」でしたよね。
逆に悪役俳優さんという方々がいて、その人が出てくると「あーもう、犯人わかった」とか「また逮捕されちゃうのね」とか思うのでした。
でも、露口さんはそのどちらも出来る…本当に全方向俳優さんです。
役柄にしたら数え切れない人物を演じてこられたと思います。
その魅力を今になってもっと、もっと観たかったと思います。
そんなわけで動画を探してみました!
現代はありがたいことに、探せばいくつかの作品の露口さんをネットで拝見できます。
俳優・露口さんを愛する人々
太陽にほえろ!に関するものが多いですが、リンクさせていただきます。
露口さんに関するブログやツイッター
山村精一(山さん)<露口茂> | LOGIC'Sネットワーク発信基地(?) - 楽天ブログ
太陽にほえろ!のファンサイトですが、太陽ファンの皆さんの愛と情熱を感じるサイトです。
貴重な山さん(露口さん)のインタビューもあります。
久しぶりに私の「太陽熱」も復活しそうです!
露口さんを手に入れる?
やっぱり気になる引退(勇退)後の露口さん
1995年頃を機に実質、芸能活動をやめられた露口さん。
今年、85歳になられます。
考えてみると63歳頃にご出演されなくなったことになります。
63歳?! 若すぎますよね。
まだまだご活躍されるお姿を見たかったなあと今更ながら残念です。

2013年『週刊女性』のGW特大合併号(5月14、21日合併号)
さらに遡ると2001年、2009年に「週刊文春」の取材に応じていらっしゃいます。
2009年には「オファーがあれば」と復帰もありえそうなお応えでしたが、2013年には「もうない」とさらりと引退宣言。
となると、もはや取材にも応じるお気持ちはないのかもしれませんね。
俳優として演じることに徹していた露口さん。
素人にはわからない俳優としての「こだわりの引き際」があったのかも知れません。
その潔よい引き際が「硬派」で「らしく」て格好良いとすら感じます。
勝手な想像ですが、日本の映画やドラマの制作現場も、ストーリーや演出、キャスティングが時代とともに変わり、露口さんが納得出来る芝居づくりの環境とはだんだん違ってきたのではないでしょうか?
それにしても、露口さんのことを調べていると、インタビューやバラエティー出演など無縁というか、あまりお好きでないのがひしひし伝わってきてます。
何しろ、調べても本当に数少ない情報しかありません。
それも露口さんらしいですね。

放送当時の新聞のトピック記事
「太陽!」のブログ記事一覧(4ページ目)-加山到のハマッ子雑貨飯店
趣味のゴルフは引退後も奥様と続けていらっしゃるようで、どこかのインタビューで読みましたが、コツコツ続けるのがお好きだそうなので、今もお元気でゴルフを楽しんでいらっしゃれば良いな〜と願ってます。
(今のところですが)最後の作品はジブリ
露口さんのドラマ「シャーロックホームズ」の吹き替えでもファンが多いですが、おそらくお仕事としてはジブリ作品「耳をすませば」が最後のようです。
露口さんといえば「山さん」はもう誰もが認める当たり役。
でもなぜか、このバロンの声を聞くと「あ〜露口さんだ」と思うのです。
そしてこの猫のバロンが不思議と露口さんと重なるのです。
映像に露口さんの姿がなくても、声だけで励まされるっていうか…。
また、この予告編のセリフがいいんですよ〜。
「いざ!お供つかまつらん!」その声に妙に励まされるのです。
1月27日!露口さんの声がもう直ぐ聞けます!
この記事を書きながら露口さんをワクワクと思い出していた矢先、1月27日の金曜ロードSHOW!で「耳をすませば」が放送される事を知りました。
別にいつでもDVDでもBDでも観たけりゃみれるのですが、やっぱり地上波で放送されるのを観るのって「みんなで観ましょう!」って気分になって嬉しいというか盛り上がるのです。
紳士的で懐の深い「猫の男爵バロン」の声が聞けるのがとっても楽しみです。
金曜ロードSHOW!『3週連続冬もジブリ』特設サイト
忘れられない名優としてこれからも…
はじめに書いたように、完全にファザコン小学生でした。
今は当時の山さんの年齢をとっくに超えてしまいました。
でも、露口さんの作品を見るとやっぱり当時のファザコンファンに戻るのです。
どの作品を見ても、たとえ敵役であっても格好良い素敵なおじさまなのでした。
これからも露口さんの作品を見てはタイムトリップして若返らせていただきます(笑)
そして、何か思い切って始める時や、勇気がいる時は
バロンの「いざ!お供つかまつらん!」の声を思い出して一歩を踏み出そうと思います。
これからも忘れられない名優として
露口さん!よろしくお願いいたします!