【とどろけ!一番】鉛筆が飛び答案用紙が舞う。そしてお受験漫画はボクシング漫画へと変化する。突っ込みどころ満載だけどとっても面白い、のむらしんぼ先生の作品です。

【とどろけ!一番】鉛筆が飛び答案用紙が舞う。そしてお受験漫画はボクシング漫画へと変化する。突っ込みどころ満載だけどとっても面白い、のむらしんぼ先生の作品です。

コロコロコミック1980年2月号から連載が始まった、のむらしんぼによる受験漫画です。いくら書いても減らない鉛筆、どこかで見たことのある(作者も認めたパクリっぷり)必殺技の数々。真剣さと悪ふざけのブレンド加減がちょうど良く、パクッた部分を探しながら読み返すのもまた楽しめるのではないでしょうか。のむらしんぼ先生を応援しています!


とどろけ!一番

とどろけ!一番(3) / のむらしんぼ | 中古 | 少年コミック | 通販ショップの駿河屋

下)とどろけ!一番 / のむらしんぼ | 中古 | B6コミック | 通販ショップの駿河屋

ストーリー

進学塾の超名門・大日本進学塾に入学した一人の少年、轟一番(とどろきいちばん)が、書いても書いても減らない幻の鉛筆「四菱ハイユニ」と必殺技を駆使して試験勝負で並みいる強敵を倒していく物語です。

書いてもほとんど磨り減らない幻の鉛筆です。主人公一番はこれを持ちやすい長さである11cmに切って使用しています。特殊強化鋼と液体鉛を56.2:43.7の割合で調合したあと一番自身のハナクソを混ぜ、203度の火(アルコールランプを使用)で炙って芯を作っていました。その芯は刃物よりも鋭く、藁束を居合斬りのように斬ることができるほど。作り方次第では強力な武器にもなります。

四菱ハイユニ

ゲームセンターあら…

連載初期から中盤にかけては中学受験を舞台に学力テストでの対決を格闘技風に描く漫画でした。テストの答案を書くという、本来アクションでないものをアクション漫画として描くことができた背景には、当時『コロコロ』でのヒット作であった『ゲームセンターあらし』が、ゲームの操作をアクション漫画として描くことで漫画の表現方法を広げたことを通じ、同誌の編集者たちが「漫画にできないものはない」と考えたという背景がありました。後にはのむらも、執筆当初は必死に『あらし』を真似たと語っています。

【ゲームセンターあらし】座って遊ばないテレビゲーム!次々と繰り出される必殺技に子供達は熱狂しました! - Middle Edge(ミドルエッジ)

目に見えないほど素早く手を動かすという、二枚返しに続く基本的な秘技。同時期の同誌の看板作『ゲームセンターあらし』で同様の特徴を持つ秘技「炎のコマ」をパクリました。

二枚返しとゴッドハンドを組み合わせたダブルゴッドハンドや、ゴッドハンドで風速250メートルの嵐を起こすウルトラタイフーンゴッドハンドという技もあります。

ゴッドハンド

大人の事情で受験しまくる

また、当初の予定では受験シーズンにあわせて1月から3月までの3回で連載が終わる予定でしたが、人気が出たために連載の継続が決定し、主人公が受験において成功を収めながらも受験を続けなければならないという、苦肉の設定が生まれることとなりました。

一番の志望校である開布中学の入試で落内豪角と決勝バトルを行い、見事勝利した一番。この試験の合格は当然揺るぎないものと思われていました。しかし、戸籍上のミスで、実はまだ小学5年生だったという仰天事実が発覚し、受験はなかったことに。
気を取り直してもう一年受験生をやることになってから、苦節一年。ついに一番の念願が叶うであろう開布中学合格発表の日がやってきます。一番達は絶対に合格していると、自信満々で乗り込みます。しかしなにやら合格発表会場の様子が変です。な、なんと、今年の開布中学の合格者は「なし」でした。

開布中学の合格者は「なし」

ボクシング始めました。

物語後半になって突然「これまでの受験勉強の技は全てボクシングのためのものだった」という強引な設定で、ボクシング漫画に方針を転換させて読者を驚かせました。この路線変更によって読者からの手紙は一気に2倍の量になりました。なんとその手紙の大半は路線変更への抗議、クレームの内容で、鉛筆の削りかすや消しゴムのかすが入れられた不幸の手紙までが送られて来るようになリました。

どんでん返しのストーリーの要点はこんな感じです。ボクシングの名門の家系、轟家の子孫は何者かによって一族ごと抹殺されました。その唯一の生き残りが一番で、そのとき轟家に仕えていた多田元春塾長兄弟にかくまわれ、塾長の妹が一番を母親代わりに育てあげた・・ということです。受験戦士として育てたのは、轟家を滅ぼそうとする追っ手を逃れカモフラージュするためでした。びっくりです。

一番の出生の秘密が鍵でした

一番は実は日本ボクシング界を背負うために生まれて来た。今までの受験勉強の特訓はすべて、ボクシングのためのものだった。

ボクシング漫画への移行は、TV有吉マツコの怒り新党でも特集がくまれました。
この必殺技は手だけでなく左右の目も別々に動かすことが特徴。基本技として様々なバリエーションを生みました。

答案二枚返し

またパクってしまいました。

両手で記入し設問と問題文を同時に読む、秘儀答案二枚返し。この技だと、どんな問題でも二分三十五秒早くできるといわれている、恐ろしい必殺技です…。

当時、ライバル誌週刊少年ジャンプ(集英社)の看板作品だった『リングにかけろ』(車田正美)の演出とストーリー展開を引用(パクッた)したことも人気の急降下に拍車をかけました。これがきっかけで連載終了が決定しました。

水月拳は、水中で特訓したボクシング技です。答案二枚返しを応用して完成しました。まず左のパンチを放って真空状態を作り出し、その真空中に右のパンチを打ち込むことで通常のパンチの何倍もの破壊力を生み出します。その威力は素手で空中の風船を粉々に砕くほどです。

スーパーブロー炸裂!友情・男気・熱血ボクシング漫画『リングにかけろ』 - Middle Edge(ミドルエッジ)

作者、のむらしんぼ

作者ののむらしんぼが『コロコロ創刊伝説』で描いた連載終了の顛末によると、人気が急降下したとはいえ、まだ中の下程度の人気は維持しており、本来は打ち切りになるようなレベルではないことを前担当編集者に明かされ、のむらは「だったら続けさせて下さい」と訴えたが、「ただ生活のためだけに、ダラダラと描き続けていいのか?」と叱責されたという。

その後のむらはいくつかの短期打ち切りを経験した後に、「一番」以上の自身最大のヒット作『つるピカハゲ丸』を送り出すことになる、一方で同作で見られた「他作品の演出等を引用する癖」は『ハゲ丸』終了後再びスランプに陥った時にも見られており、後にこれが自身の凋落と家族崩壊の遠因となった

コロコロコミックの大人気漫画【つるピカハゲ丸】今は作者とキャラクター、どっちが有名!? - Middle Edge(ミドルエッジ)

主人公/轟 一番(とどろき いちばん)

昭和43年(1968年)9月24日生まれ。
名門大日本進学塾所属。と書かれたハチマキをいつもしており、常に鉛筆を3本前後に挟んでいます。書いても書いても芯が減らず鋼鉄より硬い鉛筆「四菱ハイユニ」を使って、様々な秘技を駆使して試験問題を解く超秀才。ほぼ全ての試験で満点を獲得します。満点を取れずに補習を受けたり、ライバルの策略で0点を取ったりするエピソードもあります。

好物は豚カツ(受験に勝つ)、炒り玉子(志望校に入る)、スタミナ焼肉。いとこの轟二番が、ニセ一番として登場するエピソードも。

お母さん、泣いてる場合じゃありませんよ。

戸籍のミス

ライバル/常仁 勝(つねに まさる)

一番のライバルで、常仁財閥の御曹司です。
一番と同じく名門大日本進学塾所属。開布中学に合格しますが、一番の得点が自分より上にもかかわらず前述の事情(年齢)で翌年も受験すると知り、また一番を倒すためだけに、入学許可証を破り捨てて再び受験生となりました。そして翌年一番と共に再受験に挑みましたが、入試スキャンダルに巻き込まれ、合格者はなし、結局入学はしませんでした。一番と常に試験で張り合いますが、物語後半では一番と共闘するようになり、よきサポート役となります。試験の点数は500点満点で大体490点位と極めて優秀で、常時2 - 3位に位置しているタイプです。典型的な金持ちライバルキャラですが、勝負に関しては正々堂々と戦う性格です。

ちなみに第一話では、生涯のライバルとなる常仁勝と一番の対決が読めます。テストの点で勝負するのですが、普通のテストではお互いに満点で決着がつきません。

そこで提案されたのが、なんと『主要五科目デスマッチ』というもの。塾の先生が「いかん、それだけはいかん…あまりにも危険すぎる」と怖れた恐ろしい対決方法です。その内容は、塾の創始者多田励無(はげむ)先生が「トップは常に一人でなければならない」という考えから始めたどちらか一方が破られるまで戦う恐ろしい試験です。大体試験時間を一科目10分としても約一時間はかかり、ギャラリーはその間、ただじっと見てるだけという観客的にも恐ろしい試験です。

ネオ四菱というものも存在しました。スペースシャトルから剥がれ落ちたスーパーセラミックを母のダイヤの指輪を使って加工し、これを芯にしたアンテナペンも作成しています。三段式で如意棒のように伸縮し、普段はハチマキにも隠れる短さだが、伸ばせば棒高跳にも使えるほどです。

いかがでしたでしょうか?

こちらもごらんください。後半30分頃から『とどろけ!一番』です。

鉛筆をぶっさしましょう。

眠気覚ましには

関連する投稿


“怪盗キッド”黒羽快斗の誕生日・6月21日より18日間毎日無料放送!『まじっく快斗』&『まじっく快斗1412』が放送!!

“怪盗キッド”黒羽快斗の誕生日・6月21日より18日間毎日無料放送!『まじっく快斗』&『まじっく快斗1412』が放送!!

新しい未来のテレビ「ABEMA」にて、アニメ『まじっく快斗』(全12話)および『まじっく快斗1412』(全24話)が、6月21日から7月8日までの期間に毎日無料放送されることが明らかとなりました。


あだち充の名作を使用したポスターが全都道府県49駅に掲出中!超難題「一瞬あだち充」ゲームも話題に!!

あだち充の名作を使用したポスターが全都道府県49駅に掲出中!超難題「一瞬あだち充」ゲームも話題に!!

小学館のマンガアプリ「サンデーうぇぶり」にて開催している、あだち充作品が無料で読める「あだち充 夏祭り2024」に合わせた企画「高校球児にエール!全国49箇所高校球児応援ポスター」が実施中となっています。


懐かしのゲーム機が紙付録で復活!ファミコン40周年を祝う雑誌『ファミコン四十年生』が発売決定!!

懐かしのゲーム機が紙付録で復活!ファミコン40周年を祝う雑誌『ファミコン四十年生』が発売決定!!

小学館より、1983年7月15日に任天堂から発売された「ファミリーコンピュータ」の40周年を祝う雑誌『ファミコン四十年生』が「てれびくん」8月号増刊として発売されます。


「ビッグコミックオリジナル」創刊50周年記念!国民的サラリーマン漫画「釣りバカ日誌」ラベルのウイスキーが発売!!

「ビッグコミックオリジナル」創刊50周年記念!国民的サラリーマン漫画「釣りバカ日誌」ラベルのウイスキーが発売!!

ウイスキー専⾨サイト・WHISKY MEW(ウイスキーミュウ)にて、「ビッグコミックオリジナル」創刊50周年を記念し、国民的サラリーマン漫画「釣りバカ日誌」ラベルのシングルモルトウイスキー「『釣りバカ日誌』ラベル・ウイスキー/シークレットアイラ2013」が発売されます。



最新の投稿


『頭文字D』の世界が千葉に!名車モチーフの雑貨が揃うポップアップストアが期間限定オープン

『頭文字D』の世界が千葉に!名車モチーフの雑貨が揃うポップアップストアが期間限定オープン

人気漫画『頭文字D』のポップアップストアが、グランサックス イオンモール千葉ニュータウン店に登場。伝説のハチロク(AE86)を再現したウェットティッシュケースや、RX-7型の無線マウス、366日分のバースデーキーチェーンなど、ファン垂涎の公式ライセンスグッズが勢ぞろい。日常を彩る名車アイテムの魅力を紹介します。


昭和の大横綱「千代の富士」の肉体がスーツから甦る。NY発OVERCOATが挑む究極のパターンメイキング

昭和の大横綱「千代の富士」の肉体がスーツから甦る。NY発OVERCOATが挑む究極のパターンメイキング

ニューヨーク発のブランド「OVERCOAT」が、昭和の名横綱・千代の富士との異色のコラボレーションを発表。生前愛用したテーラードスーツから身体寸法を逆算し、伝説の肉体をパターン(型紙)として再現。特別展示や限定アイテムの販売を行うポップアップイベントを、2026年3月より東京・ニューヨークで順次開催します。


伝説の「プロレスリング・マスター」武藤敬司、その足跡を網羅。『Gスピリッツ選集』第3巻が待望の発売!

伝説の「プロレスリング・マスター」武藤敬司、その足跡を網羅。『Gスピリッツ選集』第3巻が待望の発売!

辰巳出版は2026年3月6日、プロレス専門誌『Gスピリッツ』の証言集第3弾『Gスピリッツ選集 第三巻 武藤敬司篇』を発売しました。平成の新日本プロレス黄金期を支え、日米を股にかけて活躍した武藤敬司のキャリアを、本人や関係者の貴重なインタビューで振り返る一冊。新録インタビューも追加された、全プロレスファン必携の保存版アンソロジーです。


没後30年、俳優・渥美清の軌跡を辿る。神保町シアターで「寅さん」から知られざる名作まで12本を特集上映

没後30年、俳優・渥美清の軌跡を辿る。神保町シアターで「寅さん」から知られざる名作まで12本を特集上映

東京・神保町の名画座「神保町シアター」にて、2026年3月14日より特集上映『没後30年 俳優・渥美清』が開催されます。国民的映画『男はつらいよ』シリーズの人気作をはじめ、主演を務めた貴重なラブコメディや社会派人間ドラマなど、全12作品をフィルムで上映。日本映画界に多大な足跡を残した稀代の名優、渥美清の多才な魅力を再発見する貴重な機会です。


『ドラゴンボール』亀仙人の「カメハウス」が超精巧フィギュア化!内装まで再現した豪華セットが登場

『ドラゴンボール』亀仙人の「カメハウス」が超精巧フィギュア化!内装まで再現した豪華セットが登場

バンダイスピリッツより、ドラゴンボールの聖地「カメハウス」を立体化した『ワールドコレクタブルフィギュア PREMIUM-カメハウスセット-』が登場。全高約22cmのハウス本体は室内まで作り込まれ、悟空や亀仙人など7体のフィギュアが付属。日常シーンから名場面まで自由に再現可能なファン垂涎のアイテムです。