映画「ロッキー・ホラー・ショー」について

物語のあらすじ(途中まで)
●物語の始まりを告げるオープニングソング
●ブラッドとジャネットは婚約しました
友人の結婚式に出席したブラッド(バリー・ボストウィック:Barry Bostwick)とジャネット(スーザン・サランドン:Susan Sarandon)。式の終了後、花嫁の投げたブーケを取って次は自分が結婚する番だと浮かれるジャネットにブラッドは思い切ってプロポーズをします。ジャネットはプロポーズを快諾し二人は晴れて婚約しました。
●トラブル続きのドライブ、助けを求めに二人は城へ行きます
二人は婚約した事を恩師であるスコット博士(ジョナサン・アダムス:Jonathan Adams)に報告するために夜更けにも関わらず車を走らせます。悪天候のなか順調にドライブをしていましたが途中で道に迷ってしまいました。しかもタイヤがパンクしてしまい二人は途方に暮れますが、道中に城があった事を思い出します。城まで行けば電話を借りて助けが呼べると考えた二人は車を降りて悪天候のなか城へ向かいます。城に到着すると窓には明かりが見えて中に人がいる事を確信した二人はこれで助かると安堵します。
不気味な使用人と奇妙な参列者達のパーティー、そして主役の登場
城の扉のチャイムを押すと、中から不気味な使用人リフ・ラフが出てきます。リフ・ラフに窮状を伝えるとリフ・ラフは二人を城の中へ入れました。城の中ではパーティーが行われている最中で、リフ・ラフは二人に電話を貸すどころか無理やりパーティーに出席させます。パーティーの出席者達はどこか奇妙でジャネットは不安になりブラッドに一緒に城を出るように促します。
二人がゆっくりと退場しようとすると背後からこのパーティーの主役で城の主であるフランクン・フルター博士が登場しました。厚化粧にド派手な女性用下着を身に付けた博士に二人は呆然とします。ブラッドは博士に電話を貸してもらえるよう懇願しますが、博士はお構いなしにパーティーを楽しみ一通りパーティーを楽しむとさっさと会場を後にしてしまいました。
●創造物ロッキーのお披露目会、思わぬ乱入者に会場は盛り上がりますが・・・
パーティーが一段落すると二人は博士の実験室に連れていかれます。困惑する二人をそっちのけに博士はスピーチを始めました。博士は今夜この実験室にて自身が製造した人造人間ロッキー(ピーター・ハインウッド:Peter Hinwood)が完成した事を報告します。今夜のパーティーはロッキーのお披露目会だったのです。
ロッキーの出来映えに博士が浮かれていると、かつて博士の恋人だったエディ(ミートローフ:Meat Loaf)がバイクに乗って乱入してきました。お披露目会は一層盛り上がりましたが、エディの乱入を快く思わない博士は斧でエディを殺してしまいます。そして博士はロッキーを実験室の隣に設けられたスウィートルームのような部屋へ誘い実験室から去ってしまいました。
●博士の餌食になったブラッドとジャネット、ジャネットには変化が表れます
博士がロッキーとベッドへ行ってしまうと、ブラッドとジャネットは別々の部屋に案内され二人は仕方なく泊まる事になりました。二人が部屋で休んでいると、ジャネットの部屋にはブラッドの変装をしてブラッドの部屋にはジャネットの変装をした博士が侵入してきました。変装している事に気付いていない二人は博士を受け入れてしまいます。しかし行為の途中で変装がバレてしまい二人は激怒しますが、時既に遅し二人は博士の誘惑に負けてしまいました。
行為が終わった後、ジャネットは傷心を抱いたまま何故か実験室へ向かいます。実験室にはリフ・ラフにいじめられてケガをしたロッキーがいました。ケガを介抱するだけのつもりがジャネットはロッキーに対して抑情する事ができず、ロッキーと行為に及んでしまいます。
●恩師スコット博士の思わぬ訪問
フランクン・フルター博士の城に偶然にもスコット博士が訪ねて来ました。思わぬ再会に喜ぶブラッドでしたが、フランクン・フルター博士は出来過ぎた偶然を不審に思います。スコット博士は異星人の研究をしていてフランクン・フルター博士は異星人として調査の対象になっていました。スコット博士が訪問した理由は甥のエディを探しに来ただけで、城にブラッドとジャネットがいる事を当然知りませんでした。
●最後の晩餐~物語はクライマックスへ
ブラッドとジャネットそしてスコット博士はディナーに招かれ、重苦しい雰囲気の中で食事をします。話題がエディの話になるとフランクン・フルター博士はテーブルクロスを引っ張りました。するとテーブルの下にはエディの死体が置いてあり周囲は騒然とします。思わずロッキーに抱きついたジャネットを見たフランクン・フルター博士は熱り立ってジャネットを責めます。フランクン・フルター博士の怒りは収まらず止めに入ったブラッドとスコット博士そして最愛のロッキーを石像に変えてしまいます。
(※この後、物語はクライマックス~エンディングと進行しますが
是非観ていただきたいので、ここから先のあらすじは割愛します。)
「ロッキー・ホラー・ショー」がロック界に与えた影響について
映画「ロッキー・ホラー・ショー」が公開された年は1975年です。1970年代前半イギリスはグラムロックが流行していました。フランクン・フルター博士のキャラクターや映画で使用された音楽等は当時の流行を反映した物だったと思われます。映画で使用された音楽や登場人物達の奇妙なメイクや衣装はその後のロック界に大きな影響を与えました。1980年代入るとイギリスではニューロマンティック、アメリカではLAメタルとして発展していきます。


●「ロッキー・ホラー・ショー」の影響を受けた日本人アーティスト達
ROLLY氏はこの映画の影響を受けたアーティストの一人で、日本で行われたミュージカルの「ロッキー・ホラー・ショー」では、フランクン・フルター博士役(1995~2000年)とエディ役(2011~2012年)で出演しています。

THE YELLOW MONKEY のギタリスト菊池英昭氏とドラマーで弟の菊池英二氏はかつてKILLER MAYというバンドで活動していました。
KILLER MAY はメンバー全員がフランクン・フルター博士のコスチュームという一度見たら忘れられないバンドでした。1986年にデビューして3枚のアルバムを発表しましたが1989年に解散しました。

時を経ても変わらない魅力
現在、LGBT(レズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)といわれるセクシャルマイノリティー(性的少数者)の人達の人権について注目されるようになりました。映画が公開されたのは1975年で当時はLGBTに対する偏見は今よりも激しかったと思われます。登場人物にセクシャルマイノリティーが登場したこの作品は時代を先駆ける物でした。そして人権の平等が叫ばれる今日において時代が作品に追いついたのかもしれません。映画は公開当初全く評価されませんでした。しかし一部の熱狂的なファンから少しずつ支持されて今日に至っています。
「ロッキー・ホラー・ショー」は一部グロテスクな表現がありますが、極上のロックミュージカル映画です。まだ観た事がない人はこれを機に是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。

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