チェイス

Chase
チェイスは、1970年にビル・チェイス(1934年10月20日~1974年8月9日)を中心に結成されたシカゴやブラッド・スウェット&ティアーズと並ぶブラス・ロックの雄です。
ブラス・ロックというだけにメンバーに管楽器が入っているのでが、チェイスの場合はトランペットばかり4人というのが特徴的です。

写真を見ているだけでも流石に迫力がありますね。
メンバーの人数も当然多くなり、デビュー当時は以下の9人でした。
【メンバー】
ビル・チェイス(Tp)
テッド・ピアースフィールド(Tp)
アラン・ウェア(Tp)
ジェリー・ヴァン・ブレア(Tp)
フィル・ポーター(Kb)
エンジェル・サウス(Gt)
デニス・ジョンソン(bs)
ジェイ・ベリド(perc)
テリー・リチャーズ(Vo)
となっています。
デビューは1971年、デビュー曲の「黒い炎」が大ヒットしたことで、アルバムも全米最高22位となり、26週間もチャート・インするという成功を収めました。
追跡

追跡
チェイスを代表する「黒い炎」ですが、豪快で男っぽい曲ですよね。

黒い炎
ギリシャの神々
ファースト・アルバムの成功を経て、ギリシャ神話を題材にした意欲作が1972年発売の2ndアルバム「ギリシャの神々(エニア)」です。
このアルバムからメンバーに変更があり、
ビル・チェイス(Tp)
テッド・ピアースフィールド(Tp)
アラン・ウェア(Tp)
ジェリー・ヴァン・ブレア(Tp)
フィル・ポーター(Kb)
エンジェル・サウス(Gt)
デニス・ジョンソン(bs)
ジェイ・ベリド(perc)
GG・シン(Vo)となっています。
ただ、メンバー変更があったとはいえ、前作同様トランペットを大きくフィーチャーしている点では変わりはありません。注目すべきは、LPレコードのB面すべてを使った組曲7「ギリシャの神々」です。プログレッシヴ・ロック的なアプローチで聴く者を圧倒します。
残念なのは、収録中にプライベートを大切にしたいなどの理由によりメンバーが次々と離脱してしまい、本作の発表後に結成から2年と経たずにバンドは解散してしまいます。

ギリシャの神々(エニア)
復活
チェイス解散から2年後にリーダーのビル・チェイスはメンバーを一新してグループを再結成します。そうして発売されたのがサード・アルバム「復活」です。原題は「PURE MUSIC」ですが、まさしく復活です。内容的にはジャズ色が更に強まっています。
メンバーは、
ビル・チェイス(Tp)
ジェイ・ソーレンバーガー(Tp)
ジョー・モーリセイ(Tp)
ジム・オァッツ(Tp)
ウォーリー・ヤーン(Kb)
ジョン・エンマ(Gt)
ダーティニァン・ブラウン(bs)
ウォルター・クラーク(perc)
ジム・ピートリック(Vo)となっています。
ボーカルのジム・ピートリックは後にサバイバーを結成します。

復活
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精力的にライヴを行っていたチェイスでしたが、なんと!1974年8月9日にツアー中の飛行機が墜落してしまい、ビル・チェイスと新加入のメンバー、ウォーリー・ヤーン、ウォルター・クラーク、ジョン・エンマの4名が亡くなってしまいバンドは消滅してしまいました。
さぁこれからという時に、なんとも残念でなりません。
サバイバー
後日談として、飛行機事故の際に難を逃れたジム・ピートリックとベースのデニス・ジョンソンが結成したバンドがサバイバー(生存者)です。なんとストレートなバンド名なのでしょう。
サバイバーといえば、映画「ロッキー」のテーマだった「アイ・オブ・ザ・タイガー」の大ヒットで知られていますが、残念ながら「アイ・オブ・ザ・タイガー」の頃には2人ともバンドから脱退していました。

EYE OF THE TIGER
それにしてもサバイバー(生存者)とは!
豪快に音を鳴らしていたチェイス。もうこのようなバンドは出てこないのでしょうね。ご冥福を祈ります。