Loggins and Messina

Kenny Loggins
ケニー・ロギンスはアメリカのミュージシャンで、日本では、特に映画「フットルース」や「デンジャー・ゾーン」などの主題歌で知られているかと思います。
音楽出版社に勤める傍らABCレコード所属の作曲家として活動していたケニー・ロギンスのミュージシャンとしてのデビューは、旧友ジム・メッシーナとのデュオ、ロギンス&メッシーナとしてのものでした。

Jim Messina
「ダニーの歌」、「ママはダンスを踊らない」、「愛する人」、「放課後のロックンロール・パーティー」などのヒット曲で知られるロギンス&メッシーナは、1971年11月にファースト・アルバム「シッティン・イン.」をリリースし、1976年に解散するまでに2,000万枚以上のアルバム・セールスを記録しています。
Celebrate Me Home
ロギンス&メッシーナ解散後、ケニー・ロギンスは1977年からはソロとして活動を開始しファースト・ソロ・アルバム「未来への誓い」を発売します。

未来への誓い
以前のフォーク ロック寄りのサウンドから洗練されたソフトロック へと音楽性が変わってきている好アルバムとなっています。
今聴いてもモダンですね。
Nightwatch
1978年発売のアルバム「ナイトウォッチ」は全米7位となる大成功を収めました。
本作の目玉はなんといってもシングル・カットされ全米5位となった「二人の誓い」です。この曲は、メリサ・マンチェスターとの共作で、本来はメリサ・マンチェスターとデュエットする予定でしたが、契約上の問題でスティーヴィー・ニックスとのデュエットになっています。
しかし、結果的にはこれが良かったのかもしれませんね。
また、次いでシングル・カットされた「イージー・ドライヴァー」も全米60位となっています。

ナイトウォッチ
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Keep the Fire
1979年に発売された「キープ・ザ・ファイア」は、基本的にはそれまでの流れをくむ穏やかなロック・アルバムといっていいでしょう。ただプロデューサーをトム・ダウトに変えたことから、今までよりももっとロックなアルバムにしたかったのかもしれませんね。
前作に引き続き本作でも共作しているマイケル・マクドナルドの影響(推薦?)があったのかもしれませんが。
マイケルといえば、もう一人のマイケル、マイケル・ジャクソンがコーラスで参加しているのも今となってはファンには嬉しく大変貴重ですね。

キープ・ザ・ファイア
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High Adventure
1982年発売の「ハイ・アドヴェンチャー」はファンの間では人気の高いアルバムで、当時一世を風靡していたAORの作品として認知されています。
プロデュースをデヴィッド・フォスターが行い、TOTOのスティーヴ・ルカサー、デヴィッド・ペイチ、マイケル・マクドナルド、デヴィッド・サンボーン、の他、なんとジャーニーのスティーヴ・ペリーとのデュエットまであるという豪華版です。
また、「サンライズ・パーティー(全米17位)」、「ハート・トゥ・ハート(全米15位」、「愛のハートライト(全米24位)」の3枚のシングルがヒットしています。

ハイ・アドヴェンチャー
Vox Humana
ケニー・ロギンスにとって大きな転機となったのが1984年の映画「フットルース」の同名主題歌が全米1位を獲得したことでしょう。一躍押しも押されぬ時の人となりました。
「フットルース」の勢いそのままに、翌1985年にデヴィッド・フォスター、マイケル・オマーティアン、デヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ルカサー、スティーヴ・ポーカロ、ネイザン・イーストといっった凄腕ミュージシャンを配して制作されたのがアルバム「ヒューマン・ヴォイス」です。
本作からはシングル「ヒューマン・ヴォイス」、「フォーエヴァー」がヒットしています。

ヒューマン・ヴォイス
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Back to Avalon
前作「ヒューマン・ヴォイス」はAOR好きの間では現在でも支持者の多いアルバムでしたが、何と言っても一般的には「フットルース」の成功が強烈で製作者が放っておくはずもなく、ケニー・ロギンスのもとには次々とサントラの依頼が舞い込むことになります。
中でも「トップガン」の主題歌「デンジャー・ゾーン」が全米2位とこれまた大ヒットを記録しました。1987年位は「オーバー・ザ・トップ」のオリジナル・サウンドトラックに「心の夜明け」を、1988年には「ボールズ・ボールズ2/成金ゴルフマッチ」のオリジナル・サウンドトラックに「ノーバディーズ・フール」を提供しています。
映画関係の仕事が続いた後の1988年に80年代最後のオリジナル・アルバム「バック・トゥ・アヴァロン」が発売されます。

バック・トゥ・アヴァロン
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大成功を収めたとはいえ80年代はケニー・ロギンスにとって戦いの歴史そのものだったのではないでしょうか。
成功したいという思いとスターダム・システムに流されまいとする思い。プロデューサーを変え、ヒット曲をあえてオリジナル・アルバムに収録しなかったりと熱い思いがみてとれます。
90年代にもサウンドトラックを手掛けていますが、余裕を持って音楽活動を楽しんでいるようにみえます。
これからも洗礼された音楽を1曲でも多く聴かせてもらいたいものです。