こまけんハレーションってなんだ!
先ずは「こまけんハレーション」という作品を知ってる?1979年にデビューした「とり・みき」の週間連載初マンガ。
コレは週間少年チャンピオンに1979年の46号~52号に全7話で掲載されていた作品。その後に出てくる「くるくるくるクリン」「るんるんカンパニー」や「バラの進さま」のルーツ的な作品と言っても間違いはないと思うんだ。
描いた本人「とり・みき」曰く
でもね、「とり・みき」にとっては「こまけんハレーション」は読み返したくないマンガのようで、「とり・みき傑作集 しまった。」(JETS COMICS・白泉社刊)にその記載があり、さらには「POPタッチの女に子が好き」なんて言っているファンには「読まない方がイイよ」的な発言まであるし、そこで合わせて書いてあったけど「下手ときているから始末におえない」って、まあ確かにその通りですね…失礼しました!
まあ、その分とり・みきの初期のマンガから好きなファンにとっては、たまらない作品になっています。さて、次からはそんな「こまけんハレーション」をイロイロ分解してその後の「とり・みき」作品のルーツを探していこうと思います。
マンガのタイトルに大きな意味が!?あるのかな?
タイトルの「こまけんハレーション」の意味だけど、先ずハレーションわかるよね?
元々は写真の用語らしくて「強い光が当たった所の周りが、白くぼやけちゃっている」という意味から転じて「周りに影響を与えちゃう」コトとして使われて、まあ悪い意味で使われることが多いよね。
では「こまけん」ってなんだ?
答え:小松左京研究会! うそ~!?いやマジです。これも、「とり・みき傑作集 しまった。」(JETS COMICS・白泉社刊)に「小松左京さん」の寄稿が有って明かされているのですが、コマケン(小松左京研究会)に入っていた「とり・みき」がコマケンに何か「コマケン」の名前を使いますよ?と訳でもなく、週間少年チャンピオンに「こまけんハレーション」を掲載し始めたってコト。
では「こまけんハレーション」と「コマケン」の共通点は!?主役の名前「大加茂梅太郎」が共通点。それはね、その当時実際に「コマケン」いた人の実在する人物の名前なんです!!
てーコトで「こまけんハレーション」と「コマケン」の関係性はメンバーの実名を勝手に使ったコトという事でした。
因みにその事実に「小松左京さん」『絶句』まっそりゃそうだ!

大加茂梅太郎
やすのり
そんな感じで?「こまけんハレーション」のタイトルの意味が分かった所で、初期の「ミッキーバード」のギャグの世界をのぞいてみましょう。
隠れ「とり・みき」探し?も楽しい。
初登場!マンガの中の「とり・みき」
「とり・みき」のマンガの中によく出てくるのが「とり・みき」って作者登場しすぎじゃない!?ってのも特徴の一つですよね。
そのスタイルは「こまけんハレーション」も同じで、つまりは作風の一つとして当初から使われているみたい。そしてマンガの「とり・みき」の恰好と言えば唐草模様の風呂敷がトレードマークですが、こまけんハレーションで最初に出てきたときは「マンガ家」やってました。
自虐的なシーンでね。

マンガに初登場!
やすのり
正解は皆さんの目でっ!
さて、それではどの位「こまけんハレーション」で出てくるかは!?それは言えませ~ん♪答えを知っちゃったら面白くないでしょ?
でも、コマの中にポンッ!と出てくる以外にしっかりとマンガに入っている「とり・みき」だけは紹介しますね。

マンガの中に普通に登場
やすのり

まんが家失格って?
やすのり
くどくたって、い~いんです!それも作風だから!?
そこに「ツッコミ」が有れば?
こまけんハレーションが初の週間連載だった「とり・みき」その中にその後のルーツを探る旅に出ていますが「独特のクドさ」も強く出ていてね、そしてそこに自分で「ツッコミ」を入れちゃう所がまたなんとも。

見つめあっていますが?
やすのり

セルフツッコミ
やすのり
いつまで続くのさ?このクドさも面白い!?
逆に「手抜きなんじゃないのコレ」なシーンも「こまけんハレーション」らしさ、そして「とり・みき」らしさなんでしょうけど?
つながり部分からみて、最後のシーンまで3ページ!も使ってのクドい表現もあって「初週間連載で結構きつかったか?」なんて思わせる所も。まあ、事実は分からないけどね?
因みにこの下を見て欲しいんだ。のちのマンガにも登場する「バラ之進先生」お気に入りの「榊くん」とのすれ違いのシーンですが…長い長い!
まあ、最後は「榊くん」と「梅太郎」の倒錯のシーンに?流れていく訳ですが…

「くどい」んだけどね
やすのり

まだまだ続く
やすのり

そしてこーなる
やすのり
こんな感じで、手抜きなのかシーンを変えるための秘策か?そんな所も楽しい「こまけんハレーション」なのです。
他にも「こまけん」以降につながるシーンが!
おもちゃのピアノでノリノリ

ピアノが
やすのり
さて、上の写真を見てピーンときませんか?おもちゃのピアノで乗りに乗りまくっている「可ん志」彼もその後の「とり・みき」作品で出てくるキャラですが、それは置いといて、このシーンは「るんるんカンパニー」でも見たこと有ると思います、あの秋田兄弟が激しくひきまくるシーン。やっぱり「とり・みき」作品ですね~♪
キャラが実在しちゃうなんて
さて「とり・みき」のマンガで良くある出来事と言えば「実在の人物」が登場しちゃってるコト「こまけんハレーション」の中では、最初に書いたけど、連載当時コマケンのメンバーの「大加茂梅太郎さん」が登場していますね。
そして、先に書きました「とり・みき傑作集 しまった。」(JETS COMICS・白泉社刊)にある「小松左京さん」の寄稿によると、当人の小松左京さんをはじめ、小松家の長男までキャラクター化されたとか、そして、他の関係者も次々にキャラクター化されたけど、それを怒るどころか喜ばれ、出番が少なくなる事を逆に怒ったりしていたらしいよ。
そんな感じでキャラクター化する手法も、初期のマンガから使っているなんて、まさに「こまけんハレーション」はとり・みきマンガのルーツだね♪
おしまいに
こまけんハレーションから見えてくる「とり・みき」の世界いかがだったでしょうか?
本当に初期のマンガで、最初にも書いたけど「とり・みき」にとって初の週間連載マンガ、それも週刊少年チャンピオン新人まんが賞に佳作入選してデビューして、さほど時間を空けずにスタートしたマンガだからこそ、真の「とり・みき」が入っていると言ってもいいんじゃないかな?とも思えます。
コレを読んでいただいた方が、どのマンガから「とり・みき」のマンガを読み始めたかはわかりませんが、機会が有れば「こまけんハレーション」を読んでみる事をお勧めします。
まあ、今では中古でしか買えないと思うけど…
では、掲載されていた本をご紹介!

しまった。
やすのり
「とり・みき傑作集 しまった。」(JETS COMICS・白泉社刊)ですがコレっ!
中古でもなかなか出会えない、かもしれない?この本ですが「こまけんハレーション」の連載が始まる直前に1話完結?で掲載されていた「こちら学園探偵局」も載っています。
まあ、1話完結と言いながらも主役の梅太郎は「こちら学園探偵局」でも主役をやっているので、ルーツというか?エピソードもの?なマンガもあります。
そして本文の中でも紹介したけど、あの「小松左京」の寄稿や「とり・みき」が語る「こまけんハレーション」の解説のようなもの?なんかも載っているしね♪

コレが目次だよ!
やすのり
最後の最後に
デビューから約5年間で各誌に書かれていた、まさに!「とり・みき」の傑作をより集めているからファンとしては、是非とも手に入れて直接読んでみて?
そうすれば、さらに深く「とり・みき」の世界を堪能できると思いますよ?もし、この記事を読んでもっと知りたい!という気持ちになっていただければ幸いです。
因みに私はオススメしていますが「とり・みき傑作集 しまった。」(JETS COMICS・白泉社刊)の中で「とり・みき」はPOPなタッチに変わっていった後のファンに向けて「買うとソンします」と言っていますが、すでに発行された本の中だしね。
最後までお読みいただきありがとうございます。