【第10位】Cover Me / Bruce Springsteen

Cover Me / Bruce Springsteen
ボスことブルース・スプリングスティーンが放ったヒット・ナンバーで、最高7位を記録。大ヒット・アルバム『Born In The U.S.A.』からのセカンド・シングルでした。元々は、ディスコ・クイーンの異名を持つドナ・サマーに提供しようと思っていた曲とのことですが、プロデューサー兼マネジャーだったジョン・ランドーが「ヒットしそうな曲だ!」と言って(笑)、スプリングスティーン本人にレコーディングさせたのだとか。
【第9位】Cruel Summer / Bananarama

Cruel Summer / Bananarama
後にストック・エイトキン・ウォーターマンのプロデュースで、「ヴィーナス」などのメガ・ヒットを放つことになるバナナラマ。この頃までは、まだニュー・ウェイヴのグループという印象がありましたね。この曲は、前年の83年に全英8位のヒットとなりましたが、一年遅れで映画『カラテ・キッド(ベスト・キッド)』の挿入歌に使われたことで、84年にアメリカでもブレイクしたのでした!ユーロ・ビート路線に転身する前の、こうした楽曲もいいですよね~。ちなみに、90年代にはエイス・オブ・ベイスがカバーしたことでも知られている曲です。
【第8位】The Glamorous Life / Sheila E

The Glamorous Life / Sheila E
The Glamorous Life - Wikipedia, the free encyclopedia
パーカッショニストとして、ジョージ・デュークやハービー・ハンコックらのバックで活躍していたシーラ・Eですが、プリンスの目にとまり、「他のアーティストのバックでやるんじゃなく、今度は君が自分のアルバムを作る番だよ!」と言われ、殿下の全面バックアップによりソロ・デビューすることになったのでした。プリンスに説得されるまで、自分では歌いたいと思っていなかったなんて、勿体ないですね!
当然ながらプリンス色が濃厚なナンバーなわけですが、シーラならではのラテン調のパーカッションが特徴的で、この曲は全米最高7位を記録。その後も、プリンスのツアーでドラムやパーカッションを叩くことも多く、殿下とはきってもきれない関係だったようですね~。
【第7位】The Warrior / Scandal Featuring Patty Smyth

The Warrior / Scandal Featuring Patty Smyth
The Warrior (song) - Wikipedia, the free encyclopedia
よくパティ・スミスと間違われるのですが、全くの別人であるパティ・スマイスをヴォーカルにフィーチャーした、スキャンダルのヒット曲。パット・ベネターやブロンディなどでお馴染み、マイク・チャップマンのプロデュースによる楽曲で、全米最高7位を記録、カナダではNo.1ヒットになってます。
そんな人気が高まる中、メンバー間の争いなどにより、84年ツアー後にスキャンダルは解散してしまい、パティ・スマイスはその後ソロとして活動することに。
2004年以降、再結成してはいるものの、オリジナル・メンバーだったドラマー、ベーシスト、キーボーディスト、は既に死去しているため、現在は全く別のバンドとみなした方が良さそうです。
【第6位】What's Love Got To Do With It / Tina Turner

What's Love Got To Do With It / Tina Turner
What's Love Got to Do with It (song) - Wikipedia, the free encyclopedia
邦題「愛の魔力」として知られるこの曲は、ティナ・ターナー初の、そして唯一の全米No.1ヒットとなりました。アイク&ティナ・ターナー解散後(アイクと離婚後)、しばらく不遇の時代を送っていた彼女ですが、この前にリリースした「Let's Stay Together」と、この曲によって、見事復活!当時44歳のティナですが、ミニスカートにハイヒールで歌い踊る、まさにセクシー・ダイナマイトは健在でしたね!
【第5位】I Just Called To Say I Love You / Stevie Wonder

I Just Called To Say I Love You / Stevie Wonder
I Just Called to Say I Love You - Wikipedia, the free encyclopedia
邦題「心の愛」として知られるこの曲は、アメリカやイギリスをはじめ、世界各国のチャートでNo.1を記録する大ヒットとなりました。元々は日本のグループ、ブレッド&バターに提供された楽曲とのことですが、スティーヴィーが先にこの曲を映画『ウーマン・イン・レッド』主題歌としてリリースしたいということになり、ブレッド&バターは急遽発売を中止したとの逸話があります(その後、「特別な気持ちで」としてリリース)。
普通のラブ・ソングと思われがちですが、実は「ネルソン・マンデラの奥さんが、反アパルトヘイト運動で獄中にいたマンデラ氏に電話している」シチュエーションを歌った、少々政治色のある歌詞だとも言われています。そう考えて聴くと、また違った感動がありますね。
【第4位】She Bop / Cyndi Lauper

She Bop / Cyndi Lauper
She Bop - Wikipedia, the free encyclopedia
大ヒット・アルバム『She's So Unusual』からのサード・シングルで、全米最高3位を記録。ブルー・エンジェルというバンドでメジャー・デビューしたものの陽の目をみることなく、自己破産するなど苦労の多かったシンディですが、30歳過ぎてからソロ・アーティストとして見事遅咲きの成功を手に入れたのでした!見た目が奇抜で、声もキュートなので、デビュー当時はとても30歳過ぎてるとは思えませんでしたよね~
シンディは上半身裸になって、暗いスタジオの中でこの曲をレコーディングしたのだとか。そして、自分で自分をくすぐって、そのときの笑い声をそのまま収録してしまったそうです。いかにもシンディらしい、自由奔放なエピソードですね!
【第3位】Drive / The Cars

Drive / The Cars
Lyric Of The Week: The Cars, “Drive” When music... - American Songwriter
ザ・カーズのヒット・アルバム『ハートビート・シティ』からのサード・シングルで、全米最高3位を記録。バンドのフロント・マンであるギター兼ヴォーカルのリック・オケイセックが書いた楽曲にもかかわらず、ベーシスト兼ヴォーカルのベンジャミン・オールが歌っているのが意外といえば意外なのですが、それがまた良い味を醸し出していますよね~
ちなみにリック・オケイセックは、このプロモーション・ビデオに出演している女優ポーリーナ・ポリスコワと後に結婚することになるわけですが、そういえばこのビデオで、彼女と一緒のシーンに出てるのはベンジャミンではなくリックだったんですね~
【第2位】Missing You / John Waite

Missing You / John Waite
Missing You (John Waite song) - Wikipedia, the free encyclopedia
元ベイビーズ、バッド・イングリッシュ、のジョン・ウェイトがソロになって放った全米No.1シングル(この前の週の1位でした!)。なんでも、当時MTVでVJをつとめていたニーナ・ブラックウッドについて歌ったものだそうです。余談ながら、当時のMTVのVJなら、筆者的にはマーサ・クインの方が好きなんですけどね(笑)
また、2007年には、アリソン・クラウスと一緒にこの曲を再レコーディングし、カントリー・チャートにもランクインさせてます。

MTV Original VJs
VJs
【第1位】Let's Go Crazy / Prince And The Revolution

Let's Go Crazy / Prince And The Revolution
Let's Go Crazy - Wikipedia, the free encyclopedia
今年4月に57歳という若さで亡くなり、全世界に衝撃が走ったのも記憶に新しい、プリンス。思えば、この1984年に映画およびそのサントラである『パープル・レイン』が大ヒットしたことで、世界的な人気を獲得したのでした。
前シングル「When Doves Cry(ビートに抱かれて)」に続いて、この曲も2曲連続で全米No.1となり、もう誰も止められないプリンス旋風が吹き荒れたわけですが、それも天才プリンスならではの、白人・黒人の壁を突き破る多彩な音楽性があったからこそ。この曲も、かっこいいギターのリフやソロを弾きまくっているので、ブラック・ミュージックが苦手なロック・フリークにも受け入れられたのだと思います。
ちなみにこの週のチャートを眺めてみると、前述の第8位シーラ・Eだけでなく、38位のチャカ・カーンもプリンスの楽曲でチャート・インを果たしているほか、元プリンス・ファミリーであるジャム&ルイスがプロデュースしたSOSバンドが68位に、元プリンスの彼女でもあったヴァニティが75位にランクインするなど、プリンスと関連のあるアーティストが続々とチャートを賑わすようになってるのも、特筆すべき点ではないでしょうか。まさに"ミネアポリス・サウンド"が、ここから80年代のミュージック・シーンを牽引していこうとしているように見えますね!
以上、今回は1984年9月のヒットチャートを振り返ってみましたが、
いかがでしたか?
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The Billboard Hot 100 | Charts | Billboard JAPAN