1)David Bowie
「時代が変われば、ロックも変わる。」 宝焼酎純(1980年)
デヴィッド・ボウイが出演した初めてのCMが、この日本のものだったとは・・・
それだけでも光栄なことじゃありませんか!
「オヤジの飲み物」という焼酎のイメージを一新し、若者や女性にもアピールするには、この上ないキャスティング!さらに、音楽もボウイによる書き下ろしという贅沢さ!但し、歌モノではなく、演奏だけのインストゥルメンタル楽曲だったのが、少々残念ではありますが・・・。このCMに、歌詞は不要だと思ったのでしょうか。
このCM(もしくは宣伝ポスター)を見て、大島渚監督がボウイを映画「戦場のメリークリスマス」に起用したいと思った、というのも有名な話です。
2)Boy George
「東方に、宝あり。」 TAKARA CANチューハイ純(1986年)
当時、カルチャー・クラブのヴォーカリストとして、「カーマは気まぐれ」をはじめとしたヒット曲を連発していたボーイ・ジョージ。たいへんな親日家としても知られ、レコードのジャケットや、プロモーション・ビデオでも、日本語や漢字を用いることがしばしばあり、そういう意味では、日本のCMに出演するのも、自然な流れだったのかもしれません。
この西遊記をモチーフにしたCMで、彼は三蔵法師に扮しているわけですが、テレビドラマの西遊記で夏目雅子のイメージが強かったこともあり、その中性的なキャラクターが見事にハマってますね~。
オンエアされて間もなく、ボーイ・ジョージは麻薬で逮捕されてしまったため、このCMはわずか2か月しか放送されなかったという不運もありますが、そんな短い期間でも、記憶に残ってるものですね・・・
3)Sheena Easton
「日、出ヅル国ノ宝物。」 宝焼酎純(1984年)
「モダン・ガール」や「モーニング・トレイン」など、ヒット曲を多数放っていたシーナ・イーストンも、日本のCMに出てました!
好評だったのか、2種類(それぞれ違う楽曲)のCMが撮られましたが、何と言っても着物を来て歌う姿が印象的な、楽曲「ストラット」ヴァージョンが美しかった!
このCM以降は、あまりヒット曲に恵まれなくなった彼女ですが(良い作品はあったものの、売れなかった・・・)、このCMまでは全盛期だったと言えますね~
4)Duran Duran
「キャッ!と驚く軽さです。」 サントリーQ(1983~1984年)
いわゆる“ニュー・ロマンティック”ブームに乗って、日本でも爆発的な人気を獲得していたデュラン・デュラン。MTV全盛期ということもあり、そのヴィジュアルの良さを前面に押し出したPVなどでも人気が高かっただけに、きっとカッコイイ映像を使うんだろうな!と思いきや・・・2種類のCMが撮られてますが、どちらもやたらと顔がデカすぎじゃないですか(笑)!
ライトかつスムースな口当たりを売りに、新世代向けのカジュアルなウイスキーとして発売された「Q」のCMだけに、コミカルな演出で若者ウケを狙ったのでしょうか・・・?
特に、楽曲「ザ・リフレックス」を使ったヴァージョンでの2等身デュラン・デュランは、今見ても強烈ですね!
5)Wham!
「耳がサンキュー!といった。」 マクセルUDⅡ(1984年)
80年代といえば、FMラジオをエア・チェックする時代でした!というわけで、カセット・テープのCMにも、海外アーティストが数多く出演してましたね~。
中でも、このワム!のCMは強く印象に残っているのではないでしょうか?
当時はTDKやSONYの知名度の方が高かったように記憶してますが、個人的にはワム!が出演したことによって、マクセルの知名度も上がったような気がします。もちろん、このCMでワム!の知名度が上がった一面もあるのでしょうが。
あと特筆すべきは、オリジナルの楽曲の歌詞を、CM用に大幅に変えて歌っていること!いつも聴いてる歌詞と違うので、つい気になって聴き入ってしまうんですよね~
6)Stevie Wonder
「しびれます、強い男と、強い音」 TDK AR(1985年)
マクセルがワム!なら、TDKはスティーヴィー・ワンダーでしたね!これ以前にも、同じくTDKのカセットADシリーズのCMで、楽曲「That Girl」「Do I Do」「Ribbon In The Sky」を使って本人出演してましたが、筆者の年代(現在45歳)ですと、やはりこのARシリーズの方が真っ先に思い出されますね!
このARのCMで使われた楽曲「Part-Time Lover」は、ちょうどこの時期にスティーヴィーが来日公演を行ったこともあって、ラジオなどでも耳にタコができるほど、オンエアされまくっていた記憶があります。
7)Madonna
「美しく、とがる」 MITSUBISHI Hi-Fi Video(1987年)
やはりこの時期、来日公演に合わせてCM出演する、というパターンが多かったのかもしれませんね。このマドンナも、来日した1987年にビデオ・デッキのCMに出演。
今回ご紹介する楽曲「La Isla Bonita」を使ったもの以外にも、「True Blue」や「Causing A Commotion 」を使ったヴァージョンもありましたっけ。
Madonnaの「M」と、Mitsubishiの「M」、両方の頭文字の「M」を掛けたイメージで、うまく作られたCMでしたね!
8)Cyndi Lauper
「この星を、抱きしめたい。」 SAPPORO缶生(1988年頃)
シンディ・ローパーも、親日家として知られているだけあって、やはり日本のCMにたびたび出演してます!まだブレイクする前に、ニューヨークの日本食レストランで働いていたことがあるらしく、そうした経験から、日本には親近感があるのかもしれません。そういえば、東日本大震災の際には、多くの海外アーティストが来日を中止したにもかかわらず、シンディは日本のために強行してくれたんですよね。
近年も、頻繁に来日してくれているので、また何らかのCMに出てくれることを期待しましょう!
9)Bon Jovi
「Bon Jovi、丸かじり!」 AXIA GT-ⅡX/PS-ⅡX(1988年)
ボン・ジョヴィも、日本とは絆の強い洋楽アーティストです!まだ欧米でブレイクする前、日本ではデビュー当時から人気がありましたから、本人たちも日本のファンには感謝しているのでしょう。アメリカでブレイクしてからも、こうしてCMに出演してくれたのは、嬉しいことですね~。
このCMで使われた楽曲「Livin' on a Prayer」は、全米チャートで4週連続1位となり、ボン・ジョヴィの代表曲と言えるわけですが、日本ではPV以上にこのCMの印象が強いのではないでしょうか?
10)Ray Charles
「いとしのホワイトください。」 サントリーホワイト(1989年)
「国産ウイスキー第1号」ということもあってか、サミー・デイヴィスJr.をはじめ、ヴィンテージ感のある多くの一流ジャズ・ミュージシャンたちをCMに起用していたサントリー・ホワイト。
そして80年代の終わりに、レイ・チャールズが起用されたわけですが、驚いたのは、レイが自分の曲ではなく、桑田佳祐(サザン・オールスターズ)の曲を英語でカバーしたこと。結果、レイにとっては日本で最大のヒットとなり、オリコン・チャートでも3位にランクイン!
R&Bに馴染みのない若いリスナーにも、レイ・チャールズを知ってもらえたのは、このCMのおかげだったと言えますね~
以上、洋楽アーティストが出演した、懐かしい80年代のCMをご紹介しましたが、いかがでしたか?
この記事をきっかけに、当時を懐かしんでいただければ幸いです。