作詞家・売野雅勇
大学卒業後は広告代理店、東急エージェンシーインターナショナルでコピーライターとして活躍する傍らでファッション誌を創刊。
1981年より作詞家として活動開始、中森明菜やチェッカーズをはじめとする錚々たるアーティストの楽曲に詞を提供。

作詞家・売野雅勇
音楽が生き生きと躍動した80~90年代
80年~90年代は実に多くのヒット曲が登場し、そしてまた「音楽を聴く」ことが楽しい時代でもあった。
お洒落なカセットレーベルにお気に入りの楽曲を詰め込む。
録音の作業は実にアナログで、ザ・ベストテンなどでアーティストが歌い始める瞬間、ラジカセをテレビに近づけて録音ボタンを押す。歌が終わると録音停止、その間におふくろの声などが入ることもしばしば。
そんな苦労の末に作り上げたオリジナルのカセットテープを擦り切れるまで聴く。
そして自分の年齢よりもちょっと大人びた歌詞を、意味も理解せずに雰囲気に酔いながら鼻歌交じりに歌ったものだ。
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小学生のころに中森明菜の「少女A」を聴き、「じれった~い~、じ~れったい~」と叫んだ私たち。
ラッツ&スターの「め組のひと」や郷ひろみの「2億4千万の瞳」を聴いて、気持ちよくサビを連呼した私たち。
そんな、私たちが無意識に口にして歌っていた数々の「詞」を生み出した売野氏の、錚々たる楽曲の一部をご紹介したい。
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売野雅勇が詞を提供した主な楽曲
河合夕子 - リトル・トウキョウ(アルバム) 1981.05
売野氏が作詞家として取り組んだ処女作。
私たちの世代、このアルバムで懐かしいのはもしかしたら「バスクリン・ビーチ」かもしれない。
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シャネルズ - 星くずのダンス・ホール 1981.03
麻生麗二名義でアルバム「Heart&Soul」に収録された一曲。
同アルバムには同じく麻生麗二名義で「スマイル・フォー・ミー」も収録されている。
井上大輔 - めぐりあい(劇場版アニメ「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇」主題歌) 1982.02
1980年から82年にかけて上映された、機動戦士ガンダムの劇場版三部作。
その第3作「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙(そら)編」主題歌の「めぐりあい」に詞を提供。
イントロが、いま聴いても切ない。
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中森明菜 - 少女A 1982.07
言わずと知れた、中森明菜の大ヒット作「少女A」。
売野氏にとってもまた、作詞家としてその名が大きく知れ渡る契機となった作品。
アイドル像としての松田聖子との違いが、幼かった私たちにも十分に伝わったインパクト大の一曲だ。
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ラッツ&スター - め組のひと 1983.04
もしかしたらこの曲、アニメ「キン肉マン」での印象が強い人が多いかもしれない。
1984年1月に放送されたキン肉マン「決戦の日きたる! の巻」で、劇中の音楽として使用された。
キン肉マンが第21回超人オリンピックの決勝戦の体重計量に臨んだ際、申請した体重を5kgオーバーしていたため、キン肉真弓に促されて申請時の体重まで落とすためにダンス用の音楽として流されたものだった。
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河合奈保子 - エスカレーション 1983.06
いまだに絶大な人気を誇る河合奈保子の「エスカレーション」。
自身最大のヒットとなる35万枚近くのセールスを記録。
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稲垣潤一 - 夏のクラクション 1983.07
昭和を代表する曲として、いまも愛されている一曲。
富士フイルムのカーステレオ専用オーディオカセットテープ『GT-I』のCMソングとしても人気に。
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チェッカーズ - 涙のリクエスト 1984.01
チェッカーズが大ブレイクするきっかけとなった一曲。
ファッションも含めて、彼らの存在感は一気に高まることに。
詞と曲と歌い手が、まさに有機的に結合した一曲。
当時、藤井フミヤの放つボイスにお洒落な色気を感じた人はとても多かったと思う。
以降、チェッカーズの数々のヒット曲は作詞・売野雅勇、作曲・芹澤廣明のコンビで生み出されていくことに。
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郷ひろみ - 2億4千万の瞳 1984.02
冒頭の「おっくせんまん おっくせんまん」。
さらには「瞳のレイザービーム」「エキゾチック・ジャパン」「男を女をハーフを」など、いまみても刺激的なフレーズに満ちている作品。
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荻野目洋子 六本木純情派 1986.10
「六本木純情派」というタイトル、そして荻野目洋子独特の声。
「Who are you ・・・遊び馴れた六本木」や「ワル気な瞳」など、刺激的なワードに満ち溢れていた一曲。
この曲で東京、六本木という「特別な場所」を想った人も多かったのでは。
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矢沢永吉 - SOMEBODY'S NIGHT 1989.04
もしかすると私たちの世代にとっての矢沢永吉はこの一曲かもしれない。
サビの「SOMEBODY'S NIGHT」からは、いまでも問答無用のYAZAWAを感じる。
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GEISHA GIRLS - 少年 1995.05
ダウンタウンの番組内で立ち上がった企画だったため、イロモノ路線と思いきや詞は売野雅勇が提供し曲は坂本龍一が提供した本気の作品。
ダウンタウンがやたら真面目に歌う姿自体が笑いともなっていたが。
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中谷美紀with坂本龍一 - 砂の果実 1997.03
この曲をすでに成人してから聴いた人も多いだろう。
「生まれてこなければ・・・」「空っぽの大人に・・・」の一節など、衝撃的な詞とメロディーを憶えている人もいるのでは。
売野雅勇氏にとって、作詞家キャリア15年で出会った中谷美紀への作品提供は、数ある作品のなかでも代表作として位置付けられている。
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本記事では作詞家・売野雅勇氏が手掛けた作品の一部を紹介したが、売野氏が手掛けた楽曲は膨大にあり、80年代を代表する作詞家であったことは明らかである。
下記リンクから、その数々の作品を確認してもらいたい。
売野雅勇 - Wikipedia
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