ビュッフェ?バイキング?いまではすっかり定着した感のある「食べ放題」について。

ビュッフェ?バイキング?いまではすっかり定着した感のある「食べ放題」について。

「食べ放題」といえばビュッフェ?バイキング?昔と違って、一般に広く取り入れられるようななった「食べ放題」の形態。ビュッフェ、バイキングなどの呼称とともに確認してみましょう。


定額料金で多種類の料理の中から希望する品を好きなだけ食べる事が出来る「食べ放題」

好きなものを好きなだけ、という響きは実に心地よいモノであります。
ついつい、普段よりお腹いっぱいになるまで頑張って食べてしまいますよね。

食欲旺盛な年代には嬉しい「食べ放題」

「食べ放題」は一定料金で指定された範囲から好きなものを好きなだけ食べる事が出来るシステムで、時間制限がある場合とない場合とが存在します。

近年は、本格的な料理を手頃な価格で楽しめるために高級ホテルが集客の目玉として積極的に取り入れるようになっています。
そのため、人気の食べ放題ランキングなどのコンテンツを盛り上がり、口コミなどを介して人気が集中するケースもしばしばみられるようになっています。

この「食べ放題」、ビュッフェやバイキングなどの呼び方がありますよね

みなさんも「食べ放題」と呼ぶよりは、ビュッフェやバイキングといった呼称を用いることが多いのではないでしょうか。

業態別にみると焼肉、しゃぶしゃぶ、お寿司といった飲食業では「食べ放題」や「バイキング」の呼称を用いており、「ビュッフェ」の名称は主にホテルレストラン等のオードブルやデザートを含む多種類の西洋料理を提供する店舗で使用されているようです。

ただし、日本では鉄道車両を「ビュッフェ」と呼んできた歴史があり、食べ放題形式を指してこの用語が使われるようになったのは比較的最近のことです。

「バイキング」の呼称について

日本初の食べ放題レストランの店名が「バイキング」であったことに由来

1958年8月1日、帝国ホテル第二新館にオープンした「インペリアルバイキング」が好評を博し、これを模倣した後発店が定額食べ放題のシステムを「バイキングスタイル」と表現したため、バイキングはビュッフェレストランの代名詞となりました。

帝国ホテル内のレストラン「インペリアルバイキング」

発想のヒントはデンマークの「スモーガスボード」(スウェーデン語で「オープンサンドイッチ」を意味するスモーガス(smorgas) と、「テーブル」を意味するボード(bord) の合成語)。
これは「好きなものを好きなだけ食べる」というスタイルで、後に帝国ホテルコック長となる村上信夫氏がこの料理内容を研究しました。

様々な温かい料理と冷たい料理を一つのテーブルに並べてビュッフェ形式で提供するスウェーデン起源のスカンジナヴィア料理。

スモーガスボード

この「スモーガスボード」スタイルを帝国ホテルが日本で展開するにあたり、「北欧と言えばバイキング」という発想と、当時帝国ホテル脇の日比谷映画劇場で上映されていた「バイキング」(1958年)という映画の中の豪快な食事シーンが印象的だったことから「バイキング」と命名しました。

【懐かしいアニメ】小さなバイキング「ビッケ」 - Middle Edge(ミドルエッジ)

「ビュッフェ」の呼称について

そもそもの「ビュッフェ」は立食や、立食用テーブル、軽食を意味する英語なので、食べ放題に限定されるものではありません。
「食べ放題」そのものでなく、「セルフサービス」の意で用いられているようです。

立食形式のセルフサービス「スタンディング・ビュッフェ」、席が用意されている「シッティング・ビュッフェ」、中華料理のターンテーブルでおなじみの「オンテーブル・ビュッフェ」に大別されています。

軽食を注文できるビュッフェ車両。
幼いころ「ビュッフェ」と聞くと新幹線を連想する人が多かったことと思います。

かつては新幹線にも「ビュッフェ」がありましたね

憧れだった新幹線や特急電車の食堂車・ビュフェ車 - Middle Edge(ミドルエッジ)

「食べ放題」の提供方法

「食べ放題」専門の業態もあれば、朝食メニューのシステムとして用いられるケース、ケーキなどを中心としたデザートバイキングや、野菜類のみ食べ放題のサラダバーを行っているケースなど多種多様。
提供方法としては「ビュッフェ形式(セルフサービス)」と、都度メニューを注文する「オーダー形式」があります。

人件費など運営コストをコントロールする「ビュッフェ形式」、食材の消費ペースをコントロールする「オーダー形式」

とくにビジネスホテルや温泉ホテルの朝食がビュッフェ形式で実施されるのは運営コスト管理の一環です。

一方、コストの掛かる料理や食材の消費ペースをコントロールする場合は、客にプレッシャーを与え自制を促す、またオーダーから提供まで一定の時間を要することで満腹感をコントロールするという目的で、オーダー形式が採用されます。

関連する投稿


有名人の最期の地となったホテル~~アジア・オセアニア編~

有名人の最期の地となったホテル~~アジア・オセアニア編~

世界各地の名だたるホテルで、有名人が静かに、あるいは衝撃的な形で人生の幕を下ろした。名声とともにその人生を終えた著名人たちデビッド・キャラダインやレスリー・チャン、新井将敬、加藤和彦、沖雅也、テレサ・テンなどの足跡と、彼らの最期の舞台となったアジアやオセアニアの高級ホテルについて紹介する。


雑誌「クロワッサン」で漫画家・吉田戦車による「弁当を作る男」が連載開始!!

雑誌「クロワッサン」で漫画家・吉田戦車による「弁当を作る男」が連載開始!!

マガジンハウスが発行する雑誌「クロワッサン」(毎月10日・25日発売)の1138号(3月25日発売、特集:片づく仕組み。)にて、漫画家・吉田戦車による「弁当を作る男」の漫画連載が開始されます。


「船越英一郎の昭和再生ファクトリー」で、なぎら健壱の昭和探訪(東京・佃島編)&令和に遺したい古き良き昭和ラブホが特集!!

「船越英一郎の昭和再生ファクトリー」で、なぎら健壱の昭和探訪(東京・佃島編)&令和に遺したい古き良き昭和ラブホが特集!!

全国無料放送のBS12 トゥエルビで毎週木曜よる9時~放送中の「船越英一郎の昭和再生ファクトリー」1月16日放送分にて、「なぎら健壱の昭和探訪 東京・佃島編」と「令和に遺したい昭和遺産・古き良き昭和のラブホテル特集」の2本立てが放送されます。


食漫画の金字塔「孤独のグルメ」の誕生30周年を記念する展覧会・イベントが渋谷PARCOで開催決定!!

食漫画の金字塔「孤独のグルメ」の誕生30周年を記念する展覧会・イベントが渋谷PARCOで開催決定!!

渋谷PARCO・B1F「GALLERY X BY PARCO」にて、大人気食漫画「孤独のグルメ」の誕生30周年を記念する展覧会「孤独のグルメ博」が開催されます。会期は2025年1月9日から1月20日の12日間。


どむぞうがリーゼントヘアに!“バーガー界の絶滅危惧種”ドムドムハンバーガーのファンブック第2弾が発売決定!!

どむぞうがリーゼントヘアに!“バーガー界の絶滅危惧種”ドムドムハンバーガーのファンブック第2弾が発売決定!!

宝島社より、“バーガー界の絶滅危惧種”ドムドムハンバーガーのファンブック『ドムドムハンバーガーFANBOOK 2 努夢象 黒リーゼントver. ボールチェーンぬいぐるみ』『ドムドムハンバーガーFANBOOK 2 努夢象 金リーゼントver. ボールチェーンぬいぐるみ』が発売されます。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。