小室哲哉のスタートはやはりここから!「TM NETWORK」
1983年に活動を開始した「TM NETWORK」ですがデビューは翌年の1984年になります。メンバーは 「小室哲哉」「宇都宮隆」「木根尚登」の三人でメンバーは結成時から変更はありません。元々、デビュー当時は、ニューロマンティックのバンドとしてアルバム作りをしていました。アルバムセールス的には結果が出ず評価が低く見られていますが、名作も実は多いんです。「TM NETWORK」は時代に合わせてテクノポップだったりプログレだったりアルバムごとのコンセプトを打ち出し曲作りをしているバンドでした。それでは、おすすめのアルバム、そしてオススメ曲をご紹介しましょう。

TM NETWORK
「Self Control」1987年(4枚目のアルバム)
このアルバムによって「TM NETWORK」はメジャーになったと言っても過言ではありません。ニューロマンティック調のアルバムを発表していたのですがこのアルバムからテクノ色を強く打ち出して来たような気がします。

セルフコントロール
オリコンチャートでは3位まで上昇したのですがシングルカットされた2曲は思ったほどチャートでの好成績は残せませんでした。しかし、初期のライヴではこのアルバムからの選曲もあり私が当時行った横浜アリーナのライブでは盛り上がりを見せていたのを覚えています。そしてこのアルバムでは大変珍しい「木根さんのグラサン無し」が見られるのは大変貴重です(笑) 又、参加ミュージシャンには「B`z」の「松本孝弘」も参加しています。それではこのアルバムからのオススメ曲を改めてご紹介しましょう。

B`z 松本隆弘
All-Right All-Night 1986年(8枚目のシングル)
アルバム発表前に発売されたこの曲はアルバムの事実上のファーストシングル的存在なのですが扱い的には「セルフコントロール」がファーストシングルとされているようです。ちょっと謎ですね。

オールライト オールナイト
この曲は、前作アルバム「GORILLA」の流れを汲む曲で位置的には前作のFANKS的な要素からの繋ぎの1曲でもあったようです。

GOLILLA
この時点では「TM NETWORK」の方向性をどちらに舵を切るのか迷っていたのかも知れませんね。本来はライヴ用に作られた為スケールが大きくカップリングにはインストロメンタルも収録されている。オリコン最高位は41位でした。
Self Control 1987年(9枚目のシングル)
アルバムのタイトル曲。この曲がアルバムからのファーストシングルカットと言われます。「夜のヒットスタジオ」に初出演時に歌ったのがこの曲だったのですが他の出演者の曲調と大幅に違ったのが印象に残っています。

セルフコントロール
テクノ感を増幅させるようなラジオボイスの部分は「木根尚登」が担当、印象的な作りとなっていますがオリコンは33位止まりでセールスには繋がりませんでした。しかし、この「Self Control」によりTMのそして「小室哲哉」の快進撃のスタートと言っても過言ではありません。シンセサイザーをベースとした音作りは「YMO」「一風堂」「P-MODEL」等のファン達も関心を寄せたのかも知れません。

イエローマジックオーケストラ(YMO)
Perfumeへと受け継がれたジャパン・テクノポップのアイコン・YMO | RENOTE [リノート]

一風堂

P-MODEL
テクノ三大バンド(個人的感想ですが)彼らの流れを汲むバンドとなったTMは新たなテクノバンドブームの火付け役となっていきました。その代表的な1曲だったと思います。
「Gift for Fanks」1987年 (5枚目のアルバム)
さて、もう一枚のオススメはやはりこのアルバムではないでしょうか?TM初のオリコンアルバム1位を獲得したBESTアルバムです。先程紹介した「Self Control」を含め尚且つ新曲を含む作りとなっています。当時、詰め込むだけ詰め込んだボリュームのあるアルバムです。

ギフトフォーファンクス
ここまでのアルバム参加メンバーも「赤い鳥」の「村上ポンタ秀一」、前回のアルバムでギターとして参加した「B`z」の「松本孝弘」、コーラスとして「渡辺美里」等現在では夢のようなメンバーが歴代のアルバムに参加していました。その集大成の1枚からオススメの曲をご紹介しましょう。

赤い鳥 村上ポンタ秀一
Get Wild 1987年 (10枚目のシングル)
ベストアルバムのトップ曲でありTM最大のヒット曲だったのではないでしょうか?

Get Wild
Apple Music 内のTM NETWORK「Get Wild 2015」
言わずと知れたアニメ「シティーハンター」のエンディングテーマです。この事によりオリコンチャートでは6位、「ザ・ベストテン」では最高位6位と一気にTMをメジャーと押し上げました。

シティーハンター
そしてこの曲はこのBESTアルバムのみ収録でオリジナルアルバムの収録がないのですが「GET WILD 89」や「Get Wild(techno overdub mix)」、「GET WILD DECADE RUN」、「Get Wild 2014」等長きにわたり多々なアレンジをされている曲です。

GET WILD 89
又、玉置成実によって2005年にカヴァーもされています。女性の声で「Get wild」はとても新鮮でした。

玉置成実 Get wild
おまけですが、2008年には「globe」によってカヴァーされることがエイベックス主催の「a-nation 08」で発表されましたが「事件」により一時「お蔵入り」となりました。その後2010年のBESTアルバムに無事収録されました。結局何かと話題のTMの代表的な1曲でした。
Apple Music 内のglobe「15YEARS -BEST HIT SELECTION-」
Come on Let`s Dance 1986年 (6枚目のシングル)
TM3枚目のアルバム「GORILLA」からのシングルカットで初期のコンサートで必ず盛り上がる1曲です。オリコンチャートでは12位のスマッシュヒットでした。このBESTに収録されさらにこの曲は人気になります。

Come on Let`s Dance
この曲にはコーラスで「渡辺美里」が参加しています。ファンク的な要素が強くイントロや間奏が長かった曲をBEST盤では短くまとめロック要素が強くなったことにより、より人気になりました。

渡辺美里
この名曲は1989年には食レポで有名な「彦摩呂」が所属していた「幕末塾」のデビューシングルとしてもカヴァーされています。テレ朝の「熱帯夜アカデミー」というバラエティー内の「マスカットリップス」というドラマの主題歌でした。現在でもTMの歴代シングルカットの中でも人気の高い1曲です。

幕末塾 Come on Let`s Dance

彦摩呂
TMは現在、2012年より再活動し2014年には7年ぶりのアルバム「QUIT30」をエイベックスからリリースし2015年まで30周年ライヴを行っていましたが、最終の横浜アリーナ公演を最後に充電期間に入っています。

QUIT 30
Apple Music 内のTM NETWORK「QUIT30」
しかし、解散ではありません。TMは充電をしながらきっと何かのタイミングで復活することを期待しています。それぞれの個々の活動も注目しながら応援したいと思います。