原作
本間洋平作の小説。デビュー作です。1981年に「すばる文学賞」を受賞しています。
あらすじ
前作「家族ゲーム」のスピンオフとして製作されました。吉本剛に長渕剛。前作と同様、破天荒な家庭教師役です。他のキャストもほぼ同じ顔ぶれですが、吉本以外の設定は前作とは異なっています。
吉本は殿村家の2人の息子の家庭教師を引き受けます。土地成金の田舎の大金持ですが、殿村夫妻のケチさに、あきれ、いったんは出て行きますが、結局、家庭教師を引き受けます。
吉本の仕事は、長男の豊の有名私大への合格。成績はいいが、調子が落ちてきている中学生の次男の和人の成績UP。
両親の一方的な愛情しかもらってない兄弟の家庭教師は困難極まります。次男の和人は勉強しかできないので、人とうまく接することができません。
家族の問題を見抜いた吉本は、まず、人として、厳しくかつ愛情をこめて2人に指導します。
見事、2人を志望校に合格させますが、そこがゴールでいいのかを問い詰めるような結末が待っています。
キャスト
吉本剛(長渕剛)
3流大学生8年生。殿村家の家庭教師となる。いいかげんだが、時々、熱血。プロレス技が得意。

殿村和人(松田洋治)
殿村家の次男。登校拒否児。いとこである梨絵のことが好き。志望高校に受かるが、リンチを受け、不登校になってしまう。

殿村豊(三好圭一)
殿村家の長男。マザコン。無事に志望大学に合格するが、泰子とケンカし、大学に行かずに家を出て、レストランで働くことに。

殿村作造(遠藤太津朗)
和人と豊の父親。土地成金の豪農だがケチ。信楽焼が好き。

殿村泰子(白川由美)
和人と豊の母親。子どもに過保護。

殿村梨絵(二谷友里恵)
殿村興業(やくざ)の娘。和人と豊のいとこ。ツッパリグループのリーダー。

殿村寅造(レオナルド熊)
殿村興業(やくざ)の社長。作造の弟。

シゲル(石倉三郎)・純次(遠藤憲一)
殿村興業の社員。

家族ゲーム <映画版>
1983年6月に公開。森田芳光監督作品。森田監督の出世作です。主演は今は亡き松田優作。キネマ旬報ベスト・テン、第57回(1983年)日本映画ベストワンなどを受賞しました。
シニカルでシュールなホームドラマの傑作です。家族が一列に並んで食べる食事のシーンは、強烈なインパクトでした。
キャスト
松田優作・宮川一朗太・伊丹十三・由紀さおり・辻田順一

家族ゲーム
Ⅱのスピンオフの原作版。1983年8月に放映開始。全6回。
長渕剛の初主演ドラマ。「順子」の大ヒットから3年後の作品です。
出来のいい長男と比べられる次男を三流大学の七年生の吉本が家庭教師として、家族に問題を提起しながら、奮闘していく物語です。
長渕剛、作曲の主題歌「GOOD-BYE 青春」もヒットしました。
キャスト
長渕剛・松田洋治・三好圭一・白川由美・伊藤四朗

家族ゲーム 櫻井翔版
2013年4月から放送開始。キャッチコピーは「壊れるまで、キミと向きあおう。」
それまでの作品とは一味違った内容で、様々な批判もありましたが、時代に沿った内容となっていて、櫻井翔さんの鬼気迫る演技も話題になりました。
キャスト
櫻井翔・浦上晟周・神木隆之介・板尾創路・鈴木保奈美

まとめ
これまでに、家庭教師の吉本は1982年の「月曜ワイド劇場」での鹿賀丈史、1983年6月の森田監督の映画での松田優作、1983年8月と1984年4月からの連続テレビドラマでの長渕剛、2013年の連続テレビドラマでの櫻井翔。と4人の俳優さんが演じられました。
それぞれが、インパクトのある吉本で印象もそれぞれです。
ただ、このⅡでは、今とは全然、印象の違う20年以上前の長渕剛さんを拝見できるのが、見どころです。今ではトライの取締役になられた二谷友里恵さんと白川由美さんの珍しい親子共演も興味深いです。二谷友里恵さんは郷ひろみさんとの結婚前ですね。お綺麗です。きもかわで人気の遠藤憲一さんが出演されているのは、新たな発見でした。