ストーカー 逃げきれぬ愛とは?


高岡早紀の連続ドラマ単独主演、第1作目としても話題になりました。まだ「RIKACOの旦那」としてボンヤリとした存在だった渡部篤郎の知名度を上げた作品でもあります。
とにかく渡部篤郎の顔が怖すぎ!高岡早紀も、ストーカーに追い詰められていくにしたがって、ここまでとは!と、息を飲むほどの美しさで観るものを魅了しました。
主なキャスト
岸本海 高岡早紀

ゴルフ場内のショップ店員。レッスンプロの田所との不倫している。帰り道に偶然出会った三枝から、身も凍るようなストーカー行為を受ける事になる。
三枝辰也 渡部篤郎

総合病院に勤務する眼科医。偶然の出会いから、海に好意を抱き、その思いは常識をはずれた狂気じみた愛へと変貌していく。
単なるマザコン(おいたちからくる恐れにも似た感情)の変質者!では片付けられないくらいの陰湿さを見せる。
吉川智子 井上晴美

海の親友。良き理解者でもあります。三枝の正体に気づきますが・・・。
田所雅彦 神田正輝

海の不倫相手のプロゴルファー。
ストーリー

主人公の海はゴルフ練習場のショップに勤務している。レッスンプロの田所と不倫をしていた。
クリスマスイブの日、クリスマスローズの花束とイヤリングをもらう海。別々に帰宅する道すがら、偶然、田所が奥さんに大きな花束を買うのを見てしまいショックを受ける。
ボンヤリ歩いていると、歩道に散らばり歩行者に踏みつけられたクリスマスローズの花びらを、這いつくばって拾う眼科医の三枝が目に飛び込んできた。
「私ので良かったら」と、田所からもらったクリスマスローズを三枝に渡す海。そして、「メリークリスマス♪」と三枝に声をかけ、家路についた。これが後に親友や妹、大切な人たちを巻き込み、自身を恐怖に陥れ苦しめるストーカー、三枝との出会いでした。
主題歌は坂本龍一 featuring Sister Mの「The Other Side of Love」
父親は坂本龍一、母親は矢野顕子という恵まれた音楽環境で育った坂本美雨が、Sister Mとして父と組んだユニット。話題性十分だった彼女のデビューシングル。引き込まれるような歌声が、ミステリアスなドラマと完全にマッチングしていましたよね!
私的、激恐シーン3選!
エレベーターに智子を閉じ込めてめっちゃ喜ぶ!

三枝の弱点が彼の母親だと考えた智子は海に「明日会いに行く」と告げ自宅マンションに帰る。
2人の会話はもちろん三枝の仕掛けた盗聴器により筒抜け。制裁をくだすとばかりに、自宅マンションのエレベーターを操作しエレベーター内に智子を閉じ込める。
そして「アリア」を流し続け正気を失うくらい追い詰めます。怯え、泣き叫ぶ智子を見て狂喜乱舞する三枝。アリアのメロディに合わせて指揮棒を振る真似をしながらバカ笑い・・・。めっちゃ怖いです!
笑顔で拉致監禁!

最後に一目見だけ会いたい、としおらしく電話をかけ、海をおびき出すことに成功!
背後ろからクロロホルムを染み込ませたハンカチを鼻と口に使う技(?!)がなんだか懐かしい。拉致を遂行できた幸せで満面の笑みを見せる三枝。観ているこちらはまったく笑えません!
海の入った風呂の残り湯にまで入る!置き土産までする!



懐かしくもう1度観たい方、初めての方は
あとがき・・・
ストーカー 逃げきれぬ愛は、世間的に「ストーカー」「ストーカー行為」というものが認知され始めた時期に重なり、実に興味深く観た作品でした。
渡部の陰湿かつ的確(?)な周囲を巻き込むストーカー行為と、彼のなんとも言えないイヤ~な表情が毎回恐ろしかったです。高岡早紀演じる海も、本当に気の毒ではあるんですが、なんだかんだ自分も悪いんじゃない?と感じるような「思わせぶり」も多々見られ、ちょっとイライラしたりもしました。
暗く、ドロドロした、恐ろしい部分ばかりが強調されなかったのは、主題歌のThe Other Side of Love、坂本美雨の透明感溢れる伸びやかな歌声があったからかな?とも思うんです。CS放送での再放送ばかりでなく、DVD化して欲しい作品です!