1970年代の番長ブームを牽引した二大学園ケンカ漫画「男組」と「愛と誠」

1970年代の番長ブームを牽引した二大学園ケンカ漫画「男組」と「愛と誠」

1970年代の学園ケンカ漫画はサンデーは「男組」、マガジンは「愛と誠」な時代でした。1970年代はいい悪いは別として、とにかくスケールが大きく熱い無茶な漫画が多かった。二大学園ケンカ漫画「男組」と「愛と誠」を振り返ってみましょう。


学園ケンカ漫画・番長漫画の傑作「男組」 己の信念を賭けて闘う男達を描いた。

『男組』(おとこぐみ)は原作・雁屋哲、作画・池上遼一による漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)において1974年から1979年まで連載された(1977年に休載期間あり)。後に劇場映画化されている。

戦後30年頃の日本を舞台に、己の信念を賭けて闘う男達を描いた少年漫画。
高校生ながら、強大な権力を使い悪の限りを尽くす神竜剛次と、その勢力を倒すために立ち上がった父親殺しの罪を持つ男・流全次郎の対決を中心に、戦争とも言える大掛かりな抗争劇が繰り広げられる。また「男の生き様とは」をテーマに読者に強いメッセージを投げかけている場面も見られる。

1970年代の日本では漫画界においても空手やカンフーなどの格闘技ブームがあり、本作はそのなかでも中国武術を本格的に取り上げた作品として評価されている。後のさまざまな学園漫画に影響を与えた。

出典 男組 - Wikipedia

『週刊少年サンデー』(小学館)において1974年から1979年まで連載された『男組』

関東にある私立青雲学園は、神竜剛次という生徒によって無法地帯と化し惨憺たる状況下にあった。この現状に耐えかねた校長は、関東少年刑務所から一人の囚人を特待生として招き入れ、神竜を打ち倒すよう要求する。

父親殺しの罪状を持つ男・流全次郎は、これに承諾するものの、神竜の圧倒的に強大な勢力に打ち勝つためには青雲学園の生徒一人一人が戦う気持ちを持たなければならないことを生徒たちに諭す。

また、流も少年刑務所内の仲間「五家宝連」の力を借りて、様々な作戦を図り正義のために戦い続ける。物語はやがて、二人の対決に止まらず、「影の総理」と呼ばれる日本社会に潜む大きな闇に迫ることになっていく。

学園ケンカ漫画・番長漫画の傑作「男組」

『流全次郎』(ながれ ぜんじろう)は人間はいつか平等で平和な、支配・被支配の関係のない社会を作ることができるという理想を持つ

流全次郎「今、戦うことが大事なんだ!今、戦わない人間が後で戦うはずがない!戦わないための言い訳なんて無限に考え付けるものなんだ。」

流全次郎は陳家太極拳の使い手。

流全次郎の宿敵「神竜剛次」の刀の上に乗って回し蹴りという超人的な技。

『神竜剛次』(じんりゅう ごうじ)は「大衆は豚だ」という信念から、優秀で高貴な人間が支配し、劣った大衆は秩序で縛りつけられるという選民主義体制を打ち立てる

高校生ながら、強大な権力を使い悪の限りを尽くす神竜剛次。

神竜剛次「この世の90%以上を占める大衆・・・奴らは豚だ!100年たっても、1000年まっても、豚のままだ!」

神竜剛次は学園漫画『うる星やつら』に登場する面堂終太郎のモデル。

神竜剛次は学園格闘漫画『魁!!男塾』に登場する藤堂豪毅のモデルでもある。

神竜剛次「愚かな大衆が自由勝手にふるまっているからだ!大衆は下劣だ!欲深で愚かなブタだ!」

自分の欲望を満たすことしか考えないきたならしい豚だ!

神竜剛次「おまえたちの父親はブタだ!」

極度に選民主義な神竜剛次「ブタどもには秩序を与える主人が必要だ!」

かなり似ています。

この当時の劇画は、ゴルゴ13系の顔は流行っていたので、当然組み込まれていますね。

おそらく神竜剛次のモデルは三島由紀夫だと思います。違うかな?

流全次郎に敗れる神竜剛次

この二人は宿敵同士ですが、ホモな感じいっぱいです。心はひとつです。

人間の光の側面・希望を見続けた流全次郎。人間に対する絶望・闇を見続けた神竜剛次。

最終的には、神竜は流全次郎に勝ちを譲って、「人間に対する希望」に賭けようとした・・・

「影の総理」と呼ばれる日本社会に潜む大きな闇

終盤、権力の前に次々と仲間が倒れ、ラストは無数の銃口が狙う中、主人公は成功の望みの全く無い無謀な特攻を仕掛けるシーンで終わる。

東大卒・電通という異色の経歴の原作者の「雁屋哲」さんは、本作「男組」でブレイク。1983年(昭和58年)にグルメ漫画『美味しんぼ』で一斉を風靡する。

電通在籍中に漫画原作者としての活動を始め、1974年(昭和49年)の退社後、フリーとなって本格的に活動を開始した。初期は男性向け雑誌、少年誌などで劇画をメインに原作を手掛け、映画化された作品もある。

「雁屋哲」さんは1983年(昭和58年)にグルメ漫画『美味しんぼ』(作画花咲アキラ)の連載を開始した。

「雁屋哲」さんは「男組」も『美味しんぼ』もトレンドを先取りしたり、時代背景・世相・文化を読みきったマーケティング志向で原作を作っている感じはしますね。

純愛物の先駆け「愛と誠」 1973年3・4合併号から1976年39号まで週刊少年マガジンに連載

『愛と誠』(あいとまこと)は、梶原一騎原作・ながやす巧作画の漫画(劇画)。1973年3・4合併号から1976年39号まで週刊少年マガジンに連載された。映画化、テレビドラマ化、ラジオドラマ化などもされている。

年誌に連載された純愛物の先駆けとなり一世を風靡。ヒロイン・早乙女愛が幼き日の太賀誠を回想して語った「白馬の騎士」や、その早乙女愛への報われない愛を貫く優等生・岩清水弘のセリフ「きみのためなら死ねる」などが流行語になった。

1973年2号少年マガジン『愛と誠』新連載告知広告

太賀 誠(たいが まこと)
信州・蓼科でフーテン・タイガーと異名をとる札付きの凶暴な不良の高校1年生(後に2年生)。
幼い頃、園児であった早乙女愛の命を救ったことにより眉間に三日月キズが残り、そのことが原因で一年近い病床生活で同学年より一年遅れての進級となったことと、眉間のキズに対する負い目から粗暴な性格となり、やがては家庭不和となり両親が離婚。誠を残して蒸発し、以後完全な愚連隊として地元の不良のボスとしてケンカに明け暮れていた所、早乙女愛と運命的な再会を果たす。

以後早乙女愛の願いにより早乙女家が身元引受人となり、早乙女家の援助を受け、愛と同じ名門・青葉台学園に転入するも眉間のキズが原因で味わってきた自分の苦しみを味わわせるため、わざと問題を起こして愛を窮地に立たせようと目論む。

太賀 誠(たいが まこと)

早乙女 愛(さおとめ あい)
早乙女財閥のブルジョア令嬢。青葉台学園中等部3年生(後に高等部1年生)。秀才でスポーツ万能(女子バレー部と女子体操部を掛け持ちし、主将を務める。機械体操の名手)。清潔で可憐さわやかなイメージで中等部・高等部を通じて全生徒から憧れの的であり、学園の明星、清純天使と謳われた青葉台学園のアイドル的存在。

早乙女 愛(さおとめ あい)

岩清水弘「君のためなら死ねる!」は流行語になった。

岩清水弘(演:中島久之)「君のためなら死ねる!」

高原 由紀(たかはら ゆき)
花園実業高校2年生。花園スケバングループの影の大番長。新宿一帯を取り仕切る暴力団・高原組組長の養女。普段はツルゲーネフの『初恋』を持ち歩く文学的美少女(運動神経も抜群)であるが、裏では悪の花園を支配する女王的な存在。

投げナイフの名手であり、標的には決して血をみせずとも、精神的にショックを与える百発百中の腕の持ち主。

高原由紀

多岐川裕美さんは1970年代を代表する女優ですね。

松竹映画『続・愛と誠』(1975年)の高原由紀(演:多岐川裕美)

高原由紀は常にツルゲーネフ著の「初恋」を持ち歩いています。

テレビドラマ版「純愛山河 愛と誠」(1974年)の高原由紀(演:海野まさみ)

ナイフは「初恋」の本の中に仕込まれている。ナイフは威嚇に使う。

松竹映画『続・愛と誠』(1975年)の高原由紀(演:多岐川裕美)

誠と高原由紀の直接対決「権現橋の戦い」 テレビドラマ版は原作をリアルに表現しました。

誠「文学少女の高原由紀が影の裏番長だとは、驚き桃の木山椒の木」

テレビドラマ版「純愛山河 愛と誠」(1974年)の高原由紀(演:海野まさみ)

ナイフは「初恋」の本の中に仕込まれている。

高原由紀(演:海野まさみ)「今はじめて、私は本気であいつを殺すことにしたよ!」

精神的なショックを与えるくらいのナイフ攻撃で済まそうとしていたが、誠を殺すことにした高原由紀

出血多量で死んでしまう・・・

恐れずに突っ込んでくる誠。ナイフが全身に刺さりまくる。

恐れずに突っ込んでくる誠。ナイフが全身に刺さりまくる。

高原由紀のトドメのナイフが誠の心臓に刺さらないため!死なない誠。

学ランの下に鎖帷子を仕込んでいた。まさに準備万端な誠。

誠「ふふふ・・・こういう仕掛けよ!鎖帷子といってな、苦労して手に入れた年代モノよ!」

高原由紀を捕まえた誠は反撃する

テレビドラマ版「純愛山河 愛と誠」は中途半端なところで打ち切りとなりました・・・

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