ウルトラマンが生まれるまで・ウルトラシリーズの初期設定

ウルトラマンが生まれるまで・ウルトラシリーズの初期設定

ウルトラマン、ウルトラセブンなどが生まれるまでの設定の紆余曲折やデザインイメージの変遷などをおさらいしてみましょう。


放送前、出版社や報道各社に配布された資料にはゼットンとゾフィーの写真と、ゼットンは宇宙人に操られているということしか書かれてなかったそうです。

そのため、誤った推理からゼットンを操る宇宙人=ゾフィーになってしまった。

身長が2メートルあるのに体重が50キロというのもガリガリに痩せすぎですよね。

(講談社の雑誌「ぼくら」と「少年マガジン」に掲載されたウルトラマンの記事をまとめた「ウルトラマン画報」より)

宇宙人ゾーフィはウルトラマンの敵の怪獣で、ゼットンをあやつる。

当時は家庭用ビデオ等の普及が十分じゃなかったので、放送を見た記憶や他の人からの見聞きだけで雑誌が作られていました。

そのため現代では信じられないような誤情報が流されてしまっていたのです。

60年代から70年代はメディアの情報の精度が低く、こういうこともデマが広がりやすかった原因でしょう。

宇宙人ゾーフィは力はないが頭は良い。ゼットンをあやつって大暴れする。

1968年に秋田書店から刊行された「怪獣ウルトラ図鑑」

宇宙恐竜ゼットンは、宇宙人ゾーフィに操られている・・・という誤情報が掲載されている。

アルファベットの最後「Z」と50音の最後「ん」を合成した「Zん」=ゼットンが名前の由来。

初期の円谷作品を支えたデザイナーの成田亨氏の「ゼットン」のデザイン決定稿

60年代から70年代前半頃はビデオ映像はおろか、写真資料もロクにない時代。
記憶に基づいてイラストが書かれると、こうなってしまうのは、しかたがない。

ゾフィーの解説は徐々に訂正されていくが、イラストはあいかわらず適当・・・

帰ってきたウルトラマンが放送を開始した1971年。
小学2年生8月号に、(発売は7月)、ウルトラマンの兄ゾフィーが誌面で紹介されます。
体のラインと、胸のブレスター(当時の呼称)の位置が異なります。
情報不足、ビデオが無い時代なので、憶測のイラストでした。

小学2年生8月号に、(発売は7月)、ウルトラマンの兄ゾフィーが誌面で紹介されます。憶測のイラストなので間違いが多い。

小学2年生9月号付録 ウルトラ怪獣じてん
ゾフィーって誰?という幼年層の読者の問いの答えです。
「ゼットンに負けたウルトラマンを迎えにきたウルトラマンの兄」でした。
まだこのイラストではブレスターの位置が違います。

ゾフィーは「ゼットンに負けたウルトラマンを迎えにきたウルトラマンの兄」。ゾフィーが走って助けに来る・・・

(上)ゼットンに光線技で倒されたウルトラマンのカラータイマーは、外見上は無傷。

(下)ところが赤い玉の中では、カラータイマーは物理的に割れている。

これは倒れたウルトラマンのカラータイマーをゼットンが叩き割る場面が、残酷すぎるとカットされたため。

カラータイマがゼットンに叩き割られるシーンは残酷すぎるとしてカットされた

実物と絵がぜんぜん違うウルトラ怪獣(当時本編写真がなくイラスト対応)

宇宙人というより、漫画版タイガーマスクに出てきそうな覆面レスラーみたい・・・

凶悪宇宙人ザラブ星人

本物の「凶悪宇宙人ザラブ星人」

ジェロニモンは本編撮影時に講談社・円谷プロともにスチールを撮り逃しています。
アトラク仕様に改修後の写真がごく一部で使用された例はありますが、当時の紙媒体のほとんどがジェロニモンの写真を掲載できていない状態でした。小学館も例に漏れず、1971年度初期まではイラストで対応しています。

ジェロニモン

1972年ごろ、写真のない怪獣にはフィルムのコマ焼きで対応する手法が確立されてくる。

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