『天空のエスカフローネ』概要
『天空のエスカフローネ』は、1996年4月2日から9月24日までテレビ東京をキー局として全26話が放送されたテレビアニメです。1993年(平成5年)4月6日から放送された『疾風!アイアンリーガー』と連続した火曜日18:00~18:30枠のサンライズアニメの最終作でもあります。
最初は『天空のエスカフローネ』は、「マクロスシリーズ」のような世界観を予定していたのだそうですが、ファンタジー、運命、科学、恋愛など様々なテーマを複雑に絡めたストーリー展開になっていったのだそうです。
『天空のエスカフローネ』あらすじ紹介
高校一年生の神崎ひとみは陸上部に所属し、占いを趣味とする元気な女の子です。
ある日、ひとみは部活動の練習中に不思議な幻覚=ビジョンを観てしまいます。それは、空に地球が浮かび、巨大なロボットが戦いあう、異世界の光景でした。
同じ陸上部の憧れの先輩・天野が留学してしまうことを知ったひとみは、タロット・カードによる恋占いの結果をもとに告白を決意します。「もし、十三秒の壁を破れたら……私のファースト・キスお願いします!」と祈るのです。夕闇迫る校庭で天野先輩に自分の気持ちを伝え、ひとみは百メートルを全力疾走。けれどその時、彼女の目の前に剣を構えたバァン・ファーネルという少年と巨大な竜が出現し、バァンはすさまじい戦いを繰り広げます。
なんということでしょう。夢かと思っていたバァンは異世界の住人だったのです。驚くひとみは天野と、部のマネージャーで親友の内田ゆかりと共に裏山の社に逃げますが、バァンが竜の尾に刺し貫かれるビジョンを見たひとみは、バァンに自分のビジョンの内容を伝え、バァンを勝利させます。
しかし息つく暇もなく、竜の腹の中からとりだしたドラグエナジストから光の柱が出現し、ひとみとバァンを飲み込んでしまうことに。天高く舞い上げられた二人は異世界、惑星ガイアへと転移してしまいます。その地で、彼女は自国(ファーネリア)を滅ぼされた若き王、バァンと、彼の乗る人型機械(ガイメレフ)「エスカフローネ」、陰のある騎士アレンたちと共にガイア全土を取り巻く戦いへと巻き込まれていくことになってしまったのでした。
登場人物
★ 神崎 ひとみ

神崎ひとみ
神崎ひとみは、鎌倉北高校の高校生で陸上部の短距離選手として活躍しています。 大会で通用する唯一の一年生でもあります。ずっと憧れていた先輩の天野が外国に行ってしまうと聞き、「100メートルで13秒を切れたら、わたしのファーストキス!お願いします!!」と告白しますし、思い切りがとても良い少女です。
基本的に明るく前向きだが少々短気で、一つの事に集中すると周りが見えなくなってしまうことも。
タロットでの占いやダウジングといった特技を持っており、他の者には見えない敵や未来のビジョンを見てしまうこともあります。祖母の形見であるペンダントを大事にしており、祖母の「大切な人を信じる、信じれば想いは必ず届く」という言葉をいつも胸に抱いています。
★ バァン・ファーネル

バァン・ファーネル
★ 天野進
本名バァン・スランザール・デ・ファーネル。 天空の竜に守られしファーネリア国の王子で、試練“竜退治の儀”を果たして王となり、ガイメレフ・エスカフローネと血の契約を結ぶことになります。無口で不器用ですが、敵に背を向けることは決してないまっすぐな少年です。時にそのまっすぐさ故に王としての使命、戦うことの苦しみや命の重さに悩むことも多いです。そして本質は優しく少しとぼけた性格をしています。
人間の父と竜神人の母の血を引く混血で、背中に白い翼を生やすことができます。
声を務めているのは、関智一。まっすぐで時に激情的になるバァンは、関智一らしさを全面に出したピッタリのキャラクターでしょう。バァンを演じた時は24歳。デビューして4年目の作品です。
天野進は鎌倉北高校陸上部に所属する高校2年生の17歳。ひとみがずっと片想いをしている憧れの先輩です。イギリス留学が決まっていたのですが、目前でひとみが消失するという事件のため、留学を延期します。その容貌は、アストリア王国の騎士、アレン・シェザールとそっくりなのです。
声を務めているのは三木眞一郎。声優界一のカーマニアとして知られており、車のことになると目の色が変わるそうで、最近始まった自身の番組ではドライブしながら他の声優をおもてなしするという「三木眞一郎のおもてなしドライブ」が始まりました。

アレン・クルゼード・シェザール
アレン・シェザールは、アストリア王国の貴公子で騎士です。ガイメレフ「シェラザード」に搭乗しており、ヒロイン神崎ひとみの憧れの先輩である天野先輩にそっくりなのが特徴。
気さくで有能で実力はあるのですが、少年時代は父親が家族を捨てて己の道を走り、一度は盗賊業に身を落としていたこともありました。けれど侍大将バルガスとの出会いによって改心し、王国で12人しかいない誉れ高き「天空の騎士」に任命されるまでに成長します。
一方で、王国の第一王女マレーネと恋仲となり、道ならぬ恋に陥っていた時期も。
声を務めるのは、天野先輩と同じで三木眞一郎。愛に悩む騎士アレン・シェザール役を熱演しています。
★ メルル

メルル
メルルはファーネリア王国イリニ村出身の猫族の少女です。戦災孤児で、幼い頃バルガスに助けられたことで王宮に召されており、バァンの侍女で、バァンのためなら身を挺することも厭わない深い献身と恋心を寄せています。突然現れたひとみに対して激しいライバル心を燃やしていましたが、次第に打ち解けていきます。
声を務めているのは大谷育江。代表作は世界中で有名な『ポケモン』のピカチュウ。他、、『名探偵コナン』(円谷光彦)、『ONE PIECE』(トニートニー・チョッパー)など、ヒット作に出演しています。
★ バルガス

バルガス
バルガスはファーネリア王国の侍大将です。ガイア三剣豪の一人であり非常に腕が立ち、バァン・ファーネルとアレン・クルゼード・シェザールの剣の師匠をつとめています。ガイメレフ相手に生身の体で互角に戦うほどの強さを誇ってもいますが、ザイバッハ帝国軍がファーネリア王国に侵攻してきた際に孤軍奮闘するもののアルセイデス1体を倒すも戦死することになります。
声を務めているのは、玄田哲章。アニメでも洋画吹き替えでも厳ついキャラクターを担当することが多く、その低音にとてもマッチしています。声を聴けば、担当しているアーノルド・シュワルツェネッガーを思い浮かべる方も多いでしょう。
★ アストン・サラ・ミラーナ

アストン・サラ・ミラーナ
アストン・サラ・ミラーナは、アストリア王国の第三王女です。才色兼備で勝気なお姫様で、王家の娘でありながら、人の役に立ちたいと医術を学ぶなど勉強家で努力を惜しみません。アレンに対し一途な想いを寄せており、一時的にひとみとライバル的な関係になりますが、その後友人になります。アレンがアストリアを離れると王女としての身分を捨てて後を追いかけるのです。
声を務めたのは、飯塚雅弓。本作ではひとみの親友役も同時に演じています。声優としての代表作に『ポケットモンスター』シリーズ(カスミ)、『魔術士オーフェン』(クリーオウ)などを演じています。
★ ドライデン・ファッサ

ドライデン・ファッサ
ドライデン・ファッサは、アストリア王国の豪商メイデンのドラ息子で、ミラーナの婚約者でもあります。飄々とした性格で、学者に負けない知識を持っていると豪語するほどの自信家。何が何でも権力に固執しようとする父親を疎んじています。
声を務めているのは、小杉十郎太。デビュー作は『機動戦士Ζガンダム』のヘンケン・ベッケナー。他、『NINKU -忍空-』の巳忍の橙次役、007のダニエル・グレイグの吹き替えを担当しています。
★ フォルケン・ラクール・デ・ファーネル

フォルケン・ラクール・デ・ファーネル
フォルケンの本名は、フォルケン・ラクール・デ・ファーネル。 ザイバッハ帝国軍の軍師で、バァンの兄でもあります。元・魔道士でした。王位継承の儀式である“竜退治の儀”の途中で行方不明になり、その後ザイバッハ帝国の軍師としてバァンの前に現れ、エスカフローネを狙うようになります。竜退治の儀で戦った竜に右腕を食いちぎられ、保護されたザイバッハ帝国において機械の義手を与えられました。元来はバァン同様白い翼を持っていたが、いつの間にか黒く変わっています。
声をと勤めるのは、中田譲二。代表作に、『巌窟王』のモンテ・クリスト伯爵、『ケロロ軍曹』のギロロ伍長、『HELLSING』のアーカードなどがあります。若い頃は刑事ドラマに出ていたとか!ちょっと観てみたいですよね!
★ ディランドゥ・アルバタウ、セレナ・シェザール

ディランドゥ・アルバタウ、セレナ・シェザール
本名はディランドゥ・アルバタウ。 ザイバッハ帝国のガイメレフ部隊、「竜撃隊」を指揮する少年で、画像からうかがえるようにエキセントリックで残虐非道な性格をしています。部下を嬲ったり、殺しを楽しむ人間ですが、隊員たちからは死してなお彼を守ろうとするほどの人望も集めていました。ナルシストで、自分の顔に傷をつけたバァンを執拗につけっています。実体は、運命改変の実験のため連れ去られ、性別さえも含む姿と記憶を変えられたアレンの妹セレナです。
声を務めているのは、高山みなみ。『名探偵コナン』をはじめ、少年役が多い声優。時に本作のディランドゥのような鬼畜なキャラクターを演じていたりもします。
菅野よう子・溝口肇による音楽に注目!
本作は菅野よう子・溝口肇による音楽が特徴です。溝口肇はドラマの曲も多いですが、アニメの音楽は本作が3回目。菅野ようこもまだ4回目で、二人は初めてタッグを組むことになりました。
ロボットアニメとして高い質の戦闘シーンに加え、作画補助としてCGが実験的に使われたことや、フルオーケストラ(ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団、ローマ歌劇場)による音楽も話題を呼んだ作品で、今なお人気のある楽曲も多いです。
主題歌、エンディング曲も未だ人気!
前述していますが、当時16歳の坂本真綾が主題歌を歌っています。この作品で菅野ようこと出会った坂本真綾は、以降、自身の歌で菅野ようこと組んでいくことになります。まだ高校生だったというのに、演技力だけでなく歌唱力も抜群だった彼女。主題歌も未だに好きな曲上位にランキング入りしているファンも多いです。
さらに『劇場版』公開も!
本作は2000年に劇場版にもなりました。少しキャラクターも加わったほか、TVアニメとキャラクター設定が変わったものの、TVアニメ同様に人気を博しました。こちらも主題歌を坂本真綾が歌っています!
その人気は海外にも!
海外にもメディア展開された『天空のエスカフローネ』。未だにファンも多いようで、コスプレしている方、歌を歌っている方が海外でも多くいるようです。動画もいっぱいありますので、楽しまれてください。
まとめ
坂本真綾の代表作にもなっている本作。キャストも今ではベテラン揃いで滅多に観れないキャスティングになっていて、声優陣の声を聴くだけでも必聴の作品です。劇場版と共に、久しぶりにご覧になられてみませんか?