『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔!退廃的な近未来社会を描いたサイバーパンクSF作品

『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔!退廃的な近未来社会を描いたサイバーパンクSF作品

『ブレードランナー』(1982年)はサイバーパンクSFというジャンルを世に知らしめたエポック・メイクな作品です。本作が提示した猥雑でアジア的な近未来世界のイメージは1980年代にSF界で台頭したサイバーパンクムーブメントと共鳴し、小説・映画は元よりアニメ・マンガ・ゲームなど後の様々なメディアのSF作品にも決定的な影響を与えました。ブレードランナーのストーリーをおさらいしましょう。


『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔

『ブレードランナー』(原題:Blade Runner)は、1982年公開のアメリカ映画。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(原題:Do androids dream of electric sheep?)を原作としている。

SF映画の金字塔として評され、1993年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。全米週末興行収入成績初登場第2位(1982年6月25日-27日付)。

本作が提示した猥雑でアジア的な近未来世界のイメージは1980年代にSF界で台頭したサイバーパンクムーブメントと共鳴し、小説・映画は元よりアニメ・マンガ・ゲームなど後の様々なメディアのSF作品にも決定的な影響を与えることとなった。

出典 ブレードランナー - Wikipedia

『ブレードランナー』(1982年)SF映画の金字塔

『ブレードランナー』はサイバーパンクSFの傑作:退廃的な近未来世界のイメージと遺伝子工学の進化によるレプリカント(人造人間)の登場

80年代にサイバーパンク作品が台頭してくる

典型的なサイバーパンク作品では、人体や意識を機械的ないし生物工学的に拡張し、それらのギミックが普遍化した世界・社会において個人や集団がより大規模な構造(ネットワーク)に接続ないし取り込まれた状況(または取り込まれてゆく過程)などの描写を主題のひとつの軸とした。

さらに主人公の言動や作品自体のテーマを構造・機構・体制に対する反発(いわゆるパンク)や反社会性を主題のもう一つの軸とする点、これらを内包する社会や経済・政治などを俯瞰するメタ的な視野が提供され描写が成されることで作品をサイバーかつパンクたらしめ、既存のSF作品と区別され成立した。

サイバーパンク作品では、人体へのコンピュータや機械・臓器などの埋め込み(サイバーウェア、インプラントなどと言う)によって機能や意識を拡張する人体改造的な概念や、サイバースペース等と呼ばれるネットワーク空間(仮想空間、仮想社会)などを小道具として登場させる作品も多く、また代表作の幾つかでは退廃的で暴力的な近未来社会を舞台として疲弊しきったテクノロジーを描いていたため、単にそのスタイルのみを真似てこれに倣うフォロアー的な作品がサイバーパンクを名乗ることがあるが、これらのガジェットは要素の一部に過ぎず、パンク思想やメタ視点等の最も中核的な部分を扱うことのない作品は、あくまでフォロワーに過ぎない。

『ブレードランナー』はサイバーパンクSF作品の傑作:退廃的な近未来世界のイメージと遺伝子工学の進化によるレプリカント(人造人間)を通じて、生命についての哲学的な命題を扱った

一方、1990年代に入りインターネットの商用利用解禁や、ITバブルによるパーソナルコンピュータや携帯電話などの普及によってこれらが身近なものとなり陳腐化すると、サイバーパンク・ムーブメントの存在感や刺激は相対的に後退し、沈静化する。

しかしこれは言い換えれば、90年代以降は、サイバーパンクの着想が大衆的に広く浸透し、あえてジャンル化する意義が見いだせないほど当たり前なものになった時代でもあるということである。さらにインターネットの普及、ユビキタス社会の進展により、サイバーパンク的な感覚は着実に現実に浸透しつつある。

レプリカント(人造人間)のヒロイン「レイチェル」と人間の主人公「デッカード」の恋愛も描かれる

『ブレードランナー』のストーリー

日本語が多い理由は、リドリー・スコットが来日した際に訪れた新宿歌舞伎町の様子をヒントにしたとされている。このことが日本人観客の興味をひくことになり、これらのシーンへのオマージュ・議論が生まれることになった。

2019年、地球環境の悪化により人類の大半は宇宙に移住し、地球に残った人々は人口過密の高層ビル群が立ち並ぶ都市部での生活を強いられていた。

リドリー・スコットが来日した際に訪れた新宿歌舞伎町の様子などは作品作りのヒントになっている

超高層ビルの間を飛び交うエア・タクシー

一方、遺伝子工学の進化により、人間にきわめて酷似したレプリカント(人造人間)が次々に製造され、人間の代替として宇宙開拓の最前線に投入され、過酷な労働を強いられていた。

それに反発した6匹のレプリカントが脱走し、スペースシャトルを奪って地球に逃亡してきた。そのうち2匹が事故で死に、残る4人が人間に紛れてどこかに棲息しているという。

ハリソン・フォード演じる主人公、リック・デッカード

人間そっくりなレプリカントを処刑するという自らの職に疑問を抱き、ブレードランナーをリタイアしていたデッカード

レプリカントは、外見上は本物の人間と全く見分けがつかないが、過去の人生経験が無いために「感情移入」する能力が欠如していた。

ところが製造から数年経てば彼らにも感情が芽生え、人間に反旗を翻す事態にまで発展した。

しばしば反乱を起こし人間社会に紛れ込む彼等を「処刑」するために結成されたのが、専任捜査官“ブレードランナー”である。

リック・デッカード 本作の主人公 ブレードランナー(演:ハリソン・フォード)

近未来的な高層ビルが立ち並ぶ景観の中に猥雑でアジア的な日常風景が溶け込んでいる

リック・デッカード(演:ハリソン・フォード)

デッカードは優秀な能力ゆえに元上司ブライアントから現場復帰を強要される。

デッカードはまずネクサス6型を開発したタイレル社まで足を運んだ

タイレル博士(ジョー・ターケル)にレプリカントを判別するテストを見せてほしいと言われ、博士の秘書であるレイチェル(ショーン・ヤング)にテストを実施することに。

レプリカントを判別するテストの結果、レイチェルはレプリカントであることが分かる。

だがレイチェル自身は今まで自分は人間であると思っていたので、この結果に衝撃を受けた。

タイレル博士が言うには「レイチェル」は最新型のレプリカントであり、記憶を埋め込むことによって従来のレプリカントとは一線を画すものにしたとのことだった。

エルドン・タイレル博士(タイレル社の社長) レプリカントを生んだ科学者

デッカードはタイレル博士の秘書「レイチェル」の謎めいた魅力に惹かれていく。

レイチェル(実はレプリカント)本作のヒロイン タイレル社秘書

タイレル博士の姪の記憶が移植されている

レイチェルは最新型のレプリカント

デッカードはタイレルの秘書「レイチェル」の謎めいた魅力に惹かれていく。

人間とレプリカントの恋愛。

二人は恋に落ちる

「デッカードブラスター」(通称)で「レプリカント」を狩ってゆく「デッカード」(演:ハリソン・フォード)

「デッカードブラスター」(通称)で「レプリカント」を狩ってゆく「デッカード」(演:ハリソン・フォード)

レプリカントの処刑を命じられた専任捜査官(ブレードランナー)のデッカードは、ヘビのウロコを手掛かりにまず女レプリカントを射殺。

ゾーラ(女性レプリカント)

今日、本作品を語る上で重要な小道具として、デッカードが使用した架空の銃、通称「デッカードブラスター」がある。本銃は一介の小道具であるにもかかわらず高い人気を博し、数多くのプロップレプリカやモデルガンが制作されることになる。

本アイテムはシド・ミードがデザインしたものではない。シド・ミードがデザインしたモデルは前衛的に過ぎ、本作品の状況設定にそぐわず採用は見送られ、新たに実在の銃を改造して劇中で使用された。プロップメイカーにより、シド・ミード版のデザインが何度か新たに制作され、シド・ミードのパサディアでの個展で展示されたことがある。

デッカードブラスターを作る際に参考にされたのが映画『マッドマックス』で主人公の使う、「ソードオフ」と呼ばれる二連銃身の短縮型散弾銃である。ハードボイルドの作風に合わせて、拳銃前提という制約があった。

実在の銃器をそのまま、もしくは多少の改造を加えて使うという妥協案も出されたが、実際に使用されたものは美術部が特急作業でプロップを制作したもので、オーストリー製のライフルの装弾部部分を切断し、リボルバー式の拳銃と合体させた上に、電飾加工を施したものである。

出典 ブレードランナー - Wikipedia

「デッカードブラスター」(通称)をバンバン撃つ

「デッカード」(演:ハリソン・フォード)は「デッカードブラスター」でゾーラ(女性レプリカント)を射殺した。

「デッカード」(演:ハリソン・フォード)は「デッカードブラスター」でゾーラ(女性レプリカント)を射殺した。

偶然にもこの現場を別のレプリカントであるリオン(ブライオン・ジェームズ)という男が目撃していた。リオンは仲間を殺された怒りでデッカードに襲い掛かってくる。

殺されそうになるデッカードだったが、ここでお酒を飲もうと誘っていたレイチェルがやってきてリオンの頭を拳銃で撃ち抜いた。

レプリカントのリーダー、ロイ・バッティと女レプリカントのプリスの目的:寿命を延ばしたい

ロイ・バッティ(戦闘用男形レプリカント)反逆レプリカントのリーダー

プリス(女性レプリカント) セバスチャンと出会う

ロイとブリス

生き延びたレプリカントのリーダー、ロイ・バッティと女レプリカントのプリスは、タイレル博士のもとで働くJF・セバスチャンを脅迫し、タイレル博士の居所に侵入する。

JF・セバスチャン(タイレル社技師) タイレル社長のチェス仲間

ロイ達レプリカントの目的は寿命を延ばしたいというものだった。

レプリカントは製造から4年で細胞の働きが停止してしまうことが分かっていたからである。

レプリカントの父とも言うべき博士に「与えられた生命エンコーディングは変えられない。寿命を延ばすことは不可能だ。お前はもう十分、輝かしい命を生きたじゃないか」と突き放され、ロイ・バッティは博士を惨殺。

デッカードとロイとブリスの最後の死闘

ブリスの居場所を見つけ出したデッカード

デッカードとブリスの対決。プリスは射殺する。

ロイが博士の元から帰ってくる。

ロイはレプリカントの中でも最高性能を誇っており、デッカードでは太刀打ちできなかった。

逃げ回るデッカードは途中ビルの屋上から落下しそうになる。

デッカードとロイは最後の死闘を繰り広げるが、デッカードではロイには太刀打ちできなかった。

最後に人間の心を見せるロイ:ロボットが心を持った時、それでもまだ“人間”とは呼べないのか?では、“人間”の定義とは一体?

デッカードはロイに指を折られ、高層ビルの鉄筋から墜落しそうになる・・・

デッカードは最後の最後にロイに命を助けられる。

ロイ「俺はお前ら人間には信じられぬものを見てきた。

オリオン座の近くで燃えた宇宙船や
タンホイザーゲートのオーロラ・・・

そういう思い出も
やがて消える
時が来れば・・・

涙のように
雨のように

その時が来た・・・」

デッカードを助けた「ロイ」はそのままエネルギーの寿命が尽きて息絶える。

ロイの死後、デッカードが胸の内を語る

なぜレプリカントが自分を助けてくれたかは解らない。
おそらく、最後の瞬間、今まで以上に生命の愛しさを感じたからだろう。
自分の命だけでなく、あらゆる命に対して。
オレの命。
彼は知りたがっていた。我々(人間)が欲しているのと同じ答えを。
我々はどこから来たのか。
どこへ行こうとしているのか。
どれぐらい生きられるのか。
オレに出来たことは、ここに座り、彼の死を見届けることだけだった──。

ロイの死後、デッカードが胸の内を語る

「デッカード=レプリカント」という可能性はあるが、「デッカード=レプリカント」と断定出来るような表現はどの版の劇中にも存在しない。

レプリカントは4年しか生きられないが、レイチェルには限られた寿命がなく、人間同様、いつ寿命が来るかは分からない。

生き延びたデッカードは、今や追われる身となったレプリカントのレイチェルを伴って、町を後にする──。

『ブレードランナー』の続編映画の制作が2016年夏に開始される計画

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