ここでも劇中劇のシーンが挿入されるため、きわめて状況判断が困難です。どこまでが現実で、どこからが劇中劇なのか。もしくは錯乱状態の未麻が見た幻影や妄想も反映している可能性があります・・・
大事なことは、未麻は生き残った!ということです。
黒幕はミーマニアを活用した未麻の殺害に失敗したのです。
そうすると、最後には、黒幕自体が姿を現すことになるでしょう。
真犯人は乖離性同一障害の多重人格者・サイコキラーの「ルミ」
全滅していた熱帯魚が生きている・・・この部屋は自分の部屋ではない・・・ルミが未麻の部屋を真似して作ったルミの部屋・・・と異変に気づいた
この部屋は、未麻の部屋に似せたルミの部屋だったのである・・・ルミが登場
この作品では、鏡は、二つの役割を果たしているようです。
1)幻影体や妄想体が表に出現している場合、鏡には真の本物および実態が映っている
2)本体や実態が表に出現している場合、鏡には心の中にある本音や深層心理的な願望が映っている
と考えられます。
「アイドル時代の未麻の幻影=赤い衣装を着たルミ」がアイスピックで未麻を殺そうとしてくる「お前は未麻の偽物なんだ」
アイスピックで襲い掛かってくるルミ
ルミは自分とアイドル時代の未麻を同一視している。アイドルの未麻と自分の境目が分からなくなっている。
このアイドル姿の未麻も幻影であり、実態はルミ。
未麻は、ギリギリ寸前でトラックにひかれそうになるルミに体当たりして吹き飛ばし助ける
ルミは助かったが、精神病院に強制入院させられる。
見舞いに訪れる未麻。
ルミの実態と鏡に映るルミの願望=アイドル未麻
このルミの鏡のシーンでも
鏡の役割は、やはり、実態が表に出ているために、ルミの願望的心理、同一視したい対象であるアイドル未麻が映っています。
未麻「私は本物だよ」
最後の未麻の「私は本物だよ」の意味は
おそらく、映画の視聴者に対して安心感を与えるサービスです。
本作品では
未麻の現実・未麻の夢・未麻の妄想・未麻の幻影・劇中劇の未麻・ミーマニアの妄想・ルミの妄想・・・これらの「未麻」が激しく錯綜しています。
意図的にどの未麻が真実の、本物の未麻か分かりにくくなるように錯綜させまくっています。
かなり強引な手法です。
ゆえに視聴者は、一見するだけでは、もはやどの未麻が本物かどうか分からなくなります。
最後の最後でも視聴者はまだ安心できないかもしれない。
最後の病院のシーンも夢かもしれないし、劇中劇のシーンの可能性もあります。
そうではないと。もう、未麻に関してはそういう錯綜状態は終わったと。
最後の未麻は、他の誰でもなく、幻影でもなく、夢でもなく、劇中劇でもなく
正真正銘の本物の未麻です!
とストレートに表現した、エンディングなのではないかと思いました。
視聴者に対して、「本物の未麻」ですよ、未麻は女優として頑張っていますよ。
どうぞ安心してくださいという製作者側(本物の未麻)のサービスではないでしょうか。
きれいに終わらせたと、素直に解釈しました。