鬼塚、渡久地に勝ってインターハイ優勝
川島郭志は
高校時代にインターハイに2度出場した
2年生のときは3位
3年生のときは
準決勝で鬼塚隆(後のWBA世界スーパーフライ級王者鬼塚勝也)
決勝は渡久地隆人(後の日本フライ級王者ピューマ渡久地)に勝ち優勝した
米倉健司会長
ヨネクラボクシングジム
川島郭志は
米倉健司会長からスカウトされ
東京のヨネクラジムに入った
米倉健司会長
米倉会長は
高校時代にボクシングに出会って以来、拳闘一筋の人で
メルボルン五輪出場後
プロで2度、世界に挑戦
引退後、ヨネクラジムを開設
2016年時点で
世界チャンピオンを5人
(柴田国明、ガッツ石松、中島成雄、大橋秀行、そして川島郭志)
東洋太平洋では8人
日本は31人
合計44人のチャンピオンのチャンピオンを輩出している
東京暮らし
東京暮らしは何から何まで新しいものばかりだった
ジムへはバスと電車で通った
渋谷、新宿、高田馬場、と目的地、目白駅に近づいてくると緊張感が高まった
「大丈夫かな、降りられるかな」
しかし目白駅に着いても人を押し退けることができず
そのまま乗り池袋まで行き
折り返しの電車に乗った
そのうち電車では座らず
すぐに降りられ、かつ人の邪魔にならない電車の隅に立つようになった
ジムでは
大橋秀行のパンチ力に感動したし
生まれて初めてパンチングボールを叩いた
「川島はもうダメだろう」
デビュー戦は1R39秒KO勝ち
2戦目、4RKO勝ち
3戦目、3RKO勝ち
と順調だったが
4戦目、ピューマ渡久地に6RKO負け
5戦目、2RKO勝ち
6戦目、まさかの1RKO負け
「川島はもうダメだろう」
6戦して2KO負けしたエリートボクサーに冷たい空気が漂った
手のひらを返したように態度が変わった人もいた
練習でサンドバッグを打っていて
「ちょっとどいて」
と一般の練習生にいわれたこともあった
しかし以前と変わらず接してくれる人もいた
その中には
コンビニのアルバイト仲間もいたし
米倉会長も大橋秀行もいた
川島郭志はもう1度頑張ってみようと思った
ケガの功名
10戦目
1Rに相手を打ったときに左拳を骨折した
それからはフットワークと右パンチだけで戦った
そして動き回っているうちに新たな発見をした
「リングは広いなあ」
これ以降、川島郭志のボクシングは
打たせないスピーディーなボクシングに
「アンタッチャブル」なボクシングに変貌した
しかし新たな自分を発見させるきっかけになったとはいえ
まずはその左拳を治すことが先決だった
1ヶ月休んでから
様子をみながら練習を再開
しかし試合の1ヶ月前のスパーリングで同じ箇所を骨折してしまう
「手術しなければ2度とボクシングはできない」
そう医者にいわれ手術を受けた
こうしてプロ4年目は2度の骨折によりなにもできなかった
鬼塚は世界チャンピオンに
渡久地は日本チャンピオンに
そして辰吉丈一郎も世界チャンピオンになっていた
日本チャンピオン
川島郭志は
小池英樹のパンチはほとんどもらわず
ダウンを奪い
日本Jバンタム級チャンピオンとなった
ファイトマネーは
デビュー戦は50000円
5戦目で80000円
6戦目で150000円と徐々にアップしていったが
すれはすべて貯金
生活費はセブンイレブンのアルバイト代だった
ボクシングで得たお金は区別しておきたかった
そして日本チャンピオンになり防衛戦のファイトマネーは1000000円
川島郭志は日本タイトルを3度防衛した後、世界に挑んだ
ホセ・ルイス・ブエノ
WBC世界Jバンタム級チャンピオンはホセ・ルイス・ブエノだった
巧くてパンチもあるボクサーだった
試合は一進一退だったが
11Rにダウンを奪い
判定で勝った
試合後は
「ニュースステーション」に出演し
アパートに帰ってから
試合のビデオを何回も何回もみた
生涯最高になるかもしれない夜をとても眠ろうとは思わなかった
5時半になって
アルバイト先だったコンビニに走っていって朝刊を買った
そして自分の記事を一字一句、細大漏らさず読んだ
カルロス・サラサール
前回の試合で唯一の後悔は
最終ラウンドに打ち合わず逃げたことだった
川島郭志は
最後まで攻め続けたがカルロス・サラサールは倒れず
判定で勝った
思わず試合後、謝ってしまった
「KOできずにすみません」
ホセ・ルイス・ブエノ2
ブエノとの再戦
前回はラウンドがラスト15秒になるとセコンドが合図して
一気に攻めたが
今回はブエノもそれに合わせ出てきた
しかし川島郭志は前回より打たせずに
再び判定で勝った
李承九
10R
李承九は
右ストレートから左フックで
川島を赤コーナーに吹っ飛ばして倒した
リングにうつ伏せになった川島に米倉会長が至近距離から叫んだ
「ヒロシ、立て!
あと3Rでお前の一生が決まる」
川島は立ち上がり
大ピンチをしのぎ
判定で勝った
ボーイ・アルアン
3R、KO勝ち
セシリオ・エスピノ
5度目の防衛戦は
ランキング1位のセシリオ・エスピノ
川島は
最強の挑戦者を序盤から終始攻め
KOこそはならなかったものの判定勝ち
ドミンゴ・ソーサ
2R、
右フックで挑戦者をグラつかせると一気に連打
レフリーが試合を止めて
6度目の防衛に成功