デビューからの連勝
セイウンスカイの父シェリフズスターは西山牧場へ輸入されるも
産駒は全く走らず、セイウンスカイのデビュー前に廃用となっていた。
血統の良くないセイウンスカイはさほど期待をかけられずデビューしたが
新馬戦、ジュニアカップと連勝し、弥生賞でも2着に入ると
主役候補としてクラシックに挑むこととなる。

父シェリフズスター母の父ミルジョージという重厚な血統を持つセイウンスカイはデビューから2連勝を飾る
セイウンスカイ 1998年菊花賞優勝時.jpg:馬の写真with余計な一言の画像:So-netブログ
皐月賞制覇
クラシック第一弾は皐月賞、セイウンスカイがデビューからずっと
走っている中山コースである。人気はスペシャルウィークに譲ったものの
セイウンスカイは積極的な競馬でスペシャルウィークもキングヘイローも
寄せ付けず皐月賞制覇。
サンデーサイレンス産駒もダンシングブレーヴとグッバイヘイローの産駒という
超良血馬を下し、一冠目を制した。

ライバルの影も踏めず
皐月賞を制したセイウンスカイは日本ダービーに出走する。
皐月賞よりも当然人気を集めると思いきや、スペシャルウィーク、キングヘイローに
次ぐ、3番人気。直線では一度先頭に立つも、スペシャルウィークに並ぶ間もなく交わされ
後続にも差されて4着敗退。二冠制覇はならなかった。
38年ぶりの快挙
秋初戦、セイウンスカイは京都大賞典を選択する。
古馬に交じった一戦、4番人気だったが、天皇賞馬メジロブライトを相手に
逃げ切り勝ち。続く菊花賞はスペシャルウィークに次ぐ2番人気。
レースは常に主導権を握り、結果、後続を寄せ付けず、逃げ切り勝ち。
菊花賞を制した逃げ馬は実に38年ぶりの快挙だった。

古馬に混じっての京都大賞典制覇!!
グラスワンダーと同期たち(幻水乗馬クラブ3)

菊花賞を逃げ切り勝ち!!
1998.11.08 第59回 菊花賞 G1 セイウンスカイ
怪物を前に屈する
世代最強を手にしたセイウンスカイは暮れの有馬記念に出走する。
前走の圧勝、相性の良い中山ということもあり、古馬を抑えて
自身初の1番人気に支持される。しかし、同じ世代のグラスワンダーの前に
なすすべ無く、4着に敗れる。ここで成果を出せず、二冠を制したが、JRA賞は
エルコンドルパサーに譲ってしまう結果となった。
三強対決
年が明けて、セイウンスカイは天皇賞の前哨戦、日経賞を5馬身差で快勝。
天皇賞はスペシャルウィーク、メジロブライトとともに三強対決となる。
菊花賞のように逃げ切れるか、しかし、武豊とスペシャルウィークに徹底的にマークされ
直線ではメジロブライトにも交わされ、3着を死守するのが精一杯だった。

日経賞は楽に制するものの…
第47回 日経賞
脚質転換
セイウンスカイは夏の札幌記念に出走する。ここでは従来の逃げでは無く
差しに徹して、牝馬で二冠を制したファレノプシスに快勝する。
スペシャルウィークの不振もあってか、秋の天皇賞は1番人気に支持される。
しかし、直線伸びずに5着敗退。勝ったのはスペシャルウィークだった。

札幌記念を差し切り勝ち!
先週の競馬画像
休養と引退
天皇賞の後、セイウンスカイは屈腱炎を発症し、長期の休養に入る。
復帰したのは1年半後の天皇賞春で、すでにスペシャルウィークもグラスワンダーも
引退していた。復帰戦も勝ち馬から大きく離されて最下位に敗れる。
結果、これが引退レースとなり、最強世代を賑わした芦毛の逃亡者は
静かにターフを去ることとなった。

札幌競馬場で引退式が行われた
セイウンスカイ引退式

良い子を出すことを期待されたが…
MINT JULEP メモリアル
その後
セイウンスカイは種牡馬入りをするが、マイナーな血統だけあってか
種付け数も少なく、活躍した産駒はオープンまでいったニシノプライドくらいであった。
2011年に死亡、芦毛の逃亡者はその生涯を終えた。


代表産駒ニシノプライド
スペシャルウィークとの関係
セイウンスカイのライバルと言えば、スペシャルウィーク
13戦7勝、敗戦6回のうち、4回はスペシャルウィークが勝ち馬である。
スペシャルウィークとは人気を分け合ったが、1、2着を独占したのは
2回だけである。日本ダービーはスペシャルウィークが圧勝したが、セイウンスカイは4着
皐月賞ではセイウンスカイが勝ったが、スペシャルウィークは3着のように
二律背反の関係であった。
